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第155話-闇の支配者-

しかし、そこからはミナセの予測と違っていた

ミナセとリリアが吹き飛ばした悪魔達2匹は先ほどの速さはなく

ケインが戦ったような『弱体悪魔』と言ってもよいぐらい弱くなっている

だが……ミナセは目の前の悪魔を倒そうとせず、わざと攻撃を弱め

戦いを長引かせているが、リリアはその悪魔を簡単に倒し、ミナセに向かって

ブイサインをしながら笑顔で言う


「どうよっ、私のほうがミナセより速く敵を倒したわ!」


「……はぁぁ」


ミナセは悪魔の攻撃を防ぎながら横目でリリアを見ると大きく溜息を付く

その溜息は軽い物ではなく、リリアまで聴こえるほどの溜息


「なによ?」


「……悪魔が急に弱くなったのに気付かないの?」


「へ? そう?」


『あーこの子……』ミナセは心の中でそう思い言おうとした言葉を飲み込む

それは言っても構わないのだろうけど、あえて言わない事した


「とりあえず、この悪魔を倒すを遅らせる」


「どうして?」


悪魔の攻撃を弾く、そして再度悪魔の攻撃を剣で受け止め弾く

その動作を繰り返しながらミナセはリリアと話をしている

一方のリリアは両手に武器を構え、タイミングを計っているように見せる


「倒した直後に襲われる危険があるから、最低限……ケインと距離を取る

 それをしとかないと、初手で殺されちゃうでしょ?」


「……それもそうね、じゃあ……倒してよかったら言って」


「了解」


それから少しずつミナセは悪魔を弾きながら位置を調整していき

丁度良い場所まで来た時、リリアに言う


「いいわよ、倒した直後に臨戦態勢」


「りょーかい」


リリアは悪魔を後ろから突き刺し倒すと、すぐに向きを変え、ミナセの横に立ち

ケインのほうをみると……ケインの両肩、頭の後ろぐらいに紫で両角

それも長く、まるで獣の牙のように鋭く、両手はリリアを掴んだあの手

なによりも下半身は存在せず、ケインと合体しているようにも見える


「なるほど……あれがケインの正体ね」


「えっと、ミナセ……あれも悪魔なんだよね?」


「そうみたいね、でも雑魚ではなさそうよ……」


2人が武器を構え直した時、ケインはこちらにゆっくりと歩きながらフードを

どこに投げ飛ばす


その姿は髪は黒のセミロング、肩ぐらいまで髪が長く

服と言うか鎧らしい物は上下、黒色で暗黒騎士みたいな恰好で

先ほど使っていたロングソードではなく、蛇腹剣を両手に持っている


「それがケインの正体なのね」


「ケイン? ああ……俺の名前か」


「ケインじゃないわけ?」


「そうだな……じゃあ、死にゆくお前らに自己紹介をしよう

 『クロイス・エウドリィ』、そしてこいつは相棒の……」


『その必要はない、さっさと殺せ……ケインじゃなかったな、クロイス』


「それもそうだな、じゃあ……行くぞ」


ミナセとリリアは両サイドに分かれ、クロイスを囲むように立つ

しかし、クロイスは動かず、まるで『かかってこい』と言わんばかりの感じ

それに最初に飛び込んだのはリリア


「ミナセの予測通り……あんた、人を騙すのはよくないよ?」


リリアの右手からのスピアを右手の剣で受け止め、次にリリアの左手を左の

蛇腹剣で防ぐ、その直後、リリアは右足を前にだし、クロイスを蹴り飛ばそうと

した時、その攻撃はクロイスの後ろの悪魔がクロイスの前に手をだし

その攻撃を防ぐ


「悪いな」


『遊ぶのもいいが……2人相手だ、手加減はするなよ』


「わかってるよ、まぁ、俺はミナセを相手する、お前はそっちを頼む」


『ふむ、いいだろう……』


クロイスはミナセのほうに振り替える、それはリリアから見たら、普通は

チャンスなのだが、悪魔がこちらを睨んでいる、それも嬉しそうに……


「ミナセ、お前が強いのは見てわかる、その力、俺に遣せ」


「いやよ、ていうか、私は1人娘がいるだけのただの母親よ」


「ただの……か、人間とはとことん意味のわからないことを言う」


「人間『とは』? ケイン……クロイスは違うの?」


「さぁな……それは今話すべき事じゃないな……」


「じゃあ、私が勝ったら教えてくれる?」


「はは、それはないが……まぁ、いいだろう」


クロイスは右手を顔に当て、笑うと武器を構え、ミナセを挑発する


「さぁ、かかってこいよ」


しかし、ミナセは攻撃を仕掛けなかった

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