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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第18章-伝えたい事、託される思い-
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第147話-言葉の意味-

「では……これで決着です」


フィリシアはレイピアを構え、動けないフィルナに向かい突き刺そうとした時

フィルナは目を瞑り負けを確信したが……その時、思いもよらない人物が

2人の間に入り、戦いを止める


「もう決着は付いている、これ以上やっても意味はないよ」


「アスクさん、止めないでください、こちらは怪我をさせられている人もいます」


「それなのに相手側は怪我をしてないと?」


アスクのその言葉にフィリシアは頷く、アスクはサングラスを取ると

フィリシアに優しそうな……我が子も見るように話かける


「それは違う、戦いは必ずしも相手を傷つけ、殺せば勝ちじゃないんだ

 フィルナは敗北がわかっていて目を瞑っていたのに気が付かなかったかい?」


「それは……負けを認めて大人しく攻撃を当たるって意味じゃ?」


「それもあるんだけどね……まぁ、その辺は『慈悲深い』スティナちゃんに

 聴いてみるといいかもしれないね」


「え?」


スティナはいきなしアスクに振られ、少し戸惑ったが、その場にいる全員からの

目線に緊張しながらもアスクも質問に答える


「眼を瞑ると言う事は『諦める』『あなたが勝者』と決める物です」


「それが戦いの場で通用するとでも?」


「……それは殺し合い……の場での話ですよ? これはただの戦い

 けして殺す、殺されると言った問題じゃないんです

 もちろん、こちらのメイドさんが怪我を負いました、でも、それで

 相手にも同様の事をするのは良い事なのでしょうか?」


「偽善ね……私は別にこの人を殺すつもりはなかったわ」


「そうですか……じゃあ、どうしてアスクさんが止めたかわかりますか?」


「……」


フィリシアは黙る、スティナのその質問に答えると先程のように話が最初に戻ると

思い、フィリシアが黙っているとミヤがスティナの隣に立ち、説明する


「あなた、意外に馬鹿だったんですね」


「……初対面の相手を馬鹿呼ばわりするあなたも対外ね」


「私はそれでいいです、馬鹿なりアホなり呼んでどうぞ、ただし

 そこのおじ……お兄さんとお姉様を馬鹿にすることは許しません」


「……で、あなたは私に何を『説教』したいのかしら?」


「説教? あんたが『殺し合い』と『戦い』の区別ができてないから

 お兄さんとスティナさんが説明してくれただけよ」


「……はぁ、だから……私は別に……?!」


「それ以上喋ると殺すぞ」


ミヤは一瞬でフィリシアの後ろに周り込み、他の人物にばれない様に右手に持った

小型のナイフをフィリシアに押し当てる、フィリシアはその対応に首を振り

溜息を付く、その直後……ミヤは油断したフィリシアの脇腹に回し蹴りをする

それにフィリシアは対応できず、吹き飛ばれる


「少しは頭を冷やしたら? 戦闘狂」


その言葉に起き上がったフィリシアは『殺意』を込めた表情で武器を構え

ミヤに突撃してくる、それを止めようとアスクが動くが、ミヤがそれを止め

フィリシアに向かってゆっくりと歩きだしながら、フィリシアに言う


「ほら、私はがら空き、心臓を一突きで殺せる」


その言葉にフィリシアはレイピアを伸ばし、ミヤの心臓を狙う

しかし、その一撃は空を切り裂く

ミヤはフィリシアのレイピアの上に乗ると、少しジャンプをし

フィリシアの頭を左足で蹴り飛ばす


その光景は傍から見たら味方同士で潰し合いをしているように見えるが

この場にいた誰もが、その行動を止めず、ただ見ている


そう……それはミヤがフィリシアに大切な事を教えるための物であり

『一陣の薔薇』と呼ばれたフィリシアの過去を知るための物である



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