第143話-負けられない戦い-
その男性の姿は赤髪の長身、ハンナよりも若干身長が高いぐらい
服装は上が赤色のワイシャツ、そして下は黒の長ズボン
そして腰には上着であろう白色の羽織を腰に巻いている
「お前の手数が多いか……それとも、俺の手数が多いか……」
そう言うと相手の男性は両手に持ったロングソードを交互にミヤに向かって振る
しかし……ミヤのその攻撃を一度たりとも当たる事はない
それほどまでにミヤはその男性の攻撃を見切っているのだ
それは戦いを外から見ているフィリシアはすぐに気づいた
『あの子……相手の攻撃を紙一重で避けてる……紙一重だけど
わざと紙一重で避けて、相手に余裕があるように見せない当たり
あの子は意地悪ね……』
「どうしたどうした! 俺の攻撃を避けるので反撃できないのか!」
『それも、相手の男性はあの子の余裕に気づかずに
アホみたく剣をぶん回してる……』
そう、それはミヤが間一髪のように避けてるように見せ、相手は攻撃を続ける
それを繰り返せば、誰だってわかるような事が起きる
「はぁ……はぁ……なんであたんねぇ」
「どうしたの? もう終わり?」
「はぁ……? まだ終わりじゃねぇよ!」
そう言って男性は左手に持ったロングソードを振るうが、その速度は遅い
最初のような速度の速い攻撃ではなく、まるで使い慣れてない人が振るような
それぐらい遅く感じてしまう
「……次は私の番」
ミヤは両手に持った2本のダガーを相手に向かって高速の連撃を行う
それを、相手の息を切らした男性は防ぐ事で精一杯、そして結果
男性の持っている2本の剣は吹き飛ばされ、遠くに飛び地面に突き刺さる
「ちっ……だが、まだ終わりじゃねぇ」
ミヤと対峙している男性は剣を吹き飛ばされても覇気は無くならず
よりやる気になったらしく、両手の拳を構えている
「やる気は買うけど……次は防げないから、やめとけば?」
「やめねぇよ……俺は負けたくないんでね……」
「そっ、じゃあ人思いに倒してあげる」
ミヤは素手の相手に容赦せず、両手の持ったダガーを交互に振り高速の剣技を
男性に浴びせるが……その攻撃は相手の男性の服を破く事に成功するが
その体にはかすり傷程度の軽い物しかつかない
「どうしたよ? その程度か?」
「……もしかして、そっちが本気?」
「その通り、鍛え抜かれた拳と筋肉……強固な体と拳で全てを粉砕する」
そう言うと男性は右手を振り上げ、ミヤに向かって頭上から拳を振り落す
それをミヤは後ろにバックステップし、回避する
しかし、その男性はその攻撃がフェイク、左手をミヤに突き出している
「しまった……」
ミヤは目の前にダガーを2本構え、拳を防ぐがミヤは武器を構えたまま
地面を滑るように吹き飛ばされる……しかし、ミヤの武器に傷1つない
「ほぅ……なかなか良い素材を使った武器だな」
「ありがとっ、でも……私も負けるわけにはいかないの」
「そうかい、ならお互い負けられない者同士、決着を付けようぜ」
「ええ」
ミヤと男性はお互いに走り出し、戦いの続きを始める