第140話-ナリア・バートン-
「メイド……いや、お嬢ちゃん、俺はこれを使わせてもらうぜ」
そういって男傭兵は両手持ちの三日月形の斧を片手で持つ
その武器の重量からして練習用ではなく本物なのは誰が見てもわかる
「お嬢ちゃんも今なら武器を取る事を許そう」
「いいえ、このままで問題ありません」
ナリアはメイド服の裾を両手で持ち、目の前の男性に一礼する
その後、ナリアは笑顔で目の前の男性に言う
「ちなみにですが、私はこう見えても30を超えています
お嬢ちゃんと言われる年齢ではございません」
「ほぅ……人は見かけによらないか……じゃあ『お嬢ちゃん』
俺は何歳ぐらいに見える?」
ナリアがその男性の外見を見ると、頭はスキンヘッド、服は上半分が黒
下半分が白のシャツを着、緑のズボンをはいている、そしてシャツの上には
赤色の羽織を着ている、そしてその背中には『一撃粉砕』と筆で書かれている
それを生暖かい視線でナリアは見ると、質問に答える
「……40代でございましょうか?」
「おっと、よくわかっている、俺は今でも現役で傭兵をしている」
そういって男性は右手の親指を立て、にこやかにナリアに言う
ナリアはその行動に溜息を付くと両手を構える
「……そうだな、そろそろ始めないといけないな……それと」
その直後、ナリアの目の前にいた男性は一気にナリアへの距離を積め
目の前で左手の斧を振り下ろそうとしている
「悪いな……手加減はしないぞ」
「もちろんでございます、ですが……少々手を抜いていますね
腕の振りが甘いです」
そう言うとナリアはその男性の真横にい、右手を手のひらで叩く
それは攻撃ではなく腕の締めが甘いと忠告しただけ
しかし、注意された男性は驚いた顔をしながらナリアから距離を取る
「……今、何をした?!」
「何を……? ただの『縮地』でございます」
「縮地……まさかできる人間がいるとは」
「この程度、練習すれば誰でもできます、ただ……あなた様の鍛錬が
なっていないだけです……失礼っ」
ナリアは頭を地面に付きそうなまでに体をかがめ足払いをする
その攻撃を傭兵はよけず、自らの足で受ける
「だが、所詮女子、その程度の力しかないのか」
「それはどうでしょう? 少ない力でも利用できる方法はあります」
ナリアはその場からゆっくりと体を上げ、軽くジャンプし歩きながら
元の位置に戻ろうとする、それを傭兵は隙だらけだと思い、距離を積め
斧を振ろうとした時……その蹴られた足は動かなかった
「な……なんだ?! 足が動かない……」
「右足の神経を狙わせていただきました、しばらくの間その足を動かせません」
「……なるほど、だが甘い! その程度、気迫で治す! ふんっ!」
その男性は体を力を入れ、持っていた斧を地面に突き刺し、左手の拳と
右手の拳を合わせると大きな声を上げる、すると周囲にピリピリとした
感じの風圧が来る
「なるほど……あなた様もなかなかの手練れ
少しばかり『本気』をださせていただきます」
「本気だと? ……ぐっ」
男性がそう言い返した時にはナリアは右腕の中心を左手の手刀の先体で突く
それに対応するべく男性は右足を上げ、膝蹴りをしようとするが
その場所にナリアはもういない
「反対側でございます」
ナリアは既に反対側におり、傭兵の反対側の左手を同じように突く
そして、体を左回転に回り、回転の最後に傭兵の左足を軽く蹴る
「これで終りです、またの御訪問お待ちしております」
ナリアは男性の目の前で両手をメイド服の裾をつかみ、男性に一礼すると
ハンナ達のほうも姿勢をただし、歩いていく
そのナリアに男性は追いかけようとするが……
「……両腕、両足が動かない……どういうことだ?! どうなっている?!」
ナリアは吠えている男性の首を横にし、眼を男性にほうにやると説明する
「両腕、両足の神経を狙わせていただきました、申し訳ありませんが私の勝ちです
あなた様はその場で立ち往生の状態で敗北してください」
「ふ、ふざけるなー! 俺はこの程度で!」
「無理です、無理に動かそうとしても無理です
しばらくはあなたの腕、足が動く事はないのですから」
ナリアがそう言い。ハンナ達のほうへ戻り、ハンナに先程と同じように一礼する
するとハンナはナリアに質問する
「あれは何時になったら解ける?」
「そうですねぇ、30分後ぐらいでしょうか? 『その程度』しか神経を
狙っていませんので……」
「ところでナリア、あの武術見たいなのは何?」
「あれですか? あれは『神痛打』と言う技ですよ」
『神痛打』
正式な名前は『神経痛打』、相手の神経を狙い、その行動を封殺する暗殺術
相棒がいる時などに絶対的な力を持つ、しかしその攻撃するには手を使う
必要があり、ある程度の武術そして、相手の動きを回避し、予測しないと
いけない、そのためこの神痛打をマスターできる者の数は限りなく少ない
ナリアに至っては正式な『神痛打』ではなく、我流の神痛打になる
ナリアの洞察力はすばらしく、体の神経関連の本を読めば一日もかからず
覚えてしまうほどの腕前である
「神痛打? そんな技があるのね……」
ハンナもその技を聴くのは初めてであり、どんな物かはナリアが証明してくれた
だが、本物の神痛打は暗殺術とされ、神経を潰すだけだが、ナリアの場合は
神経を麻痺させる『程度』で止める事ができるため、ある意味ナリアの我流の
ほうが本物よりも怖いのかもしれない
「そうですね、この先、ハンナの知らない事がいっぱいでてきますよ」
「そうね……楽しみ」
そしてそれから20分ぐらいたった頃、フィルナは敗北を決め、傭兵をどかすと
次の相手になる女性の傭兵を前に出す
それに合わせるようにアスミが前にでる
「私の相手はあなたね……ふふ、楽しませて頂戴」
「ああ、お手柔らかにお願いする」
アスミは小型のナイフ2本を両手に持つ、相手の女性は何も持たず
素手でアスミと対峙するらしい
「では始めるわよ……開始!」
アスミは一気に相手の懐に飛び込もうと走り出す




