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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第18章-伝えたい事、託される思い-
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第139話-カナ・ココアット-

そしてハンナとミヤが裏庭に付いた時

メイド達……アスミとカナ、それにナリアがフィルナの目の前に

並んで立っている

フィルナは木の椅子に座り、膝に膝掛けのような毛布を掛け

イラついた表情でハンナに話かける


「遅い……何時まで私を待たせるの?!」


「すみません、私は食べるのが遅いので……」


「……まぁ、いいわ、で……そっちはハンナと口の悪いのその子

 あとメイド達でいいのよね?」


「ええ、お母様のほうは……見当たりませんが……どちらに?」


「そろそろ来るわよ、あなた達のお陰で時間ずらしたから食事に行って

 貰ってたのよ」


そして5分ぐらいその場で待った時、男性2人と女性2人が喋りながら

こちらに向かってくる、その人達にフィルナは話しかける


「やった来たわね、対戦相手はこの人達だからお願いね」


「ん? なんだ餓鬼じゃねぇかよ……まぁ、金は貰ったんだからやるよ」


その人物を見たアスミは早歩きでハンナに近づき、耳打ちをする


『……あの男達……あいつらはこの街で有名な傭兵達だ

 金の力で雇ったにしろ……強い連中なのはたしかだ』


『なるほど……アスミは勝てる自信ある?』


『私か? ハンナがいない間、何もしてないと思ったか?

 前よりは強くなってるぞ……ナリアもカナも』


『そ……じゃあ、期待してる』


「そろそろいいかしら? 作戦会議は良いけど耳うちなんてウケるんだけど」


フィルナに雇われた傭兵の1人の女性が耳打ちしてるアスミに言う

アスミは『申し訳ありません』と頭を下げるとハンナの後ろに下がる

それをクスクスと笑っている傭兵にハンナが一言、言おうとした直後

カナがハンナの前に立ち、その傭兵に言う


「ウケるのはいいけどぉー、あなたが弱かったから私がウケちゃうかもー」


「あん? メイド風情が私に文句言う気?」


「メイドに負ける人が何言ってるの? 早く帰って寝た方がいいかもー?」


『おい……カナは何時からあんなに煽るようになったんだ?』


『……たぶん私の事を悪く言ったからだろ……カナは身内に言われる暴言や

 文句に敏感な子だから……』


ハンナとアスミが小さい声で話をしているとフィルナにカナと女傭兵に声をかける


「……あなた達2人が第1回戦の相手で良いわよね? よければ準備しなさい」


そう言われた2人はお互いに距離を取る、位置的にはフィルナ側が庭の奥に立ち

ハンナ達が裏庭に入る扉側に立っている、そしてその中間で戦う状態である


「ふふ、メイド倒すだけであれだけの料金……とっと終わらせよっ」


女傭兵はロングソード2本を両手に持ち、もちろんその武器は練習用ではなく

正しく本物の剣、しかしハンナ側がそれに動揺する事はない


「……ハンナちゃん、私も強くなったんだよ……見ててね?」


「ああ、カナ……行って来い」


カナと女傭兵の前に立つが、その手には武器1つ持っていない

素手で女傭兵と渡り合う気満々である、それを鼻で笑いカナに傭兵は言う


「殴りでくるの?! ばっかじゃないの……もしかして駒合わせ?」


「……始めよう」


カナの真面目な顔を見たフィルナは2人に『開始!』と声をかけると

傭兵は走りだし、カナに斬りかかる……その速度は速く

一瞬でカナに2つの斬撃が襲いかかるが、カナはその場にいなかった

既にカナは女傭兵の胸元まで潜り込んでいる……それも持っている

剣の手前ではなく奥に……


「……せっ」


カナは傭兵のお腹めがけ思いっきり掌底を当てる、その威力は背中を貫通した

ようにも見えるほど音が周囲に響き渡る

そして、傭兵は気絶したのかその場に倒れ込み、カナの肩に支えられるが

カナは体を後ろに下げ、傭兵を地面に落とす

その後、ハンナ達に方に戻るため歩きだす直前、一瞬だけ倒れてる傭兵を見ると

小さな声で一言言う、その一言はミヤの耳で聞きとる事ができた


『つまらなぁい……これなら15歳のハンナちゃんのほうが手応えあったよぉ』


ミヤはそれを聴くと少しだけ微笑む、カナと言う女性はメイド達の中で一番

弱く見えてしまうが……それは間違いだと、あの動き、行動、瞬発力

その全てが今ここにいるハンナ……もしくはミヤ自身よりも速いのかもしれない


その行動を見たハンナはアスミに聴く


「アスミ、カナは一体……」


「ずっと言ってなかった……カナは10代後半にここ『ベクトルアルマ』

 において、武術で右に出る者がいないとまで言われた人物だ」


「じゃあ……どうしてこんな所に?」


「さぁな……カナにもいろいろ合ったんだろ、前にカナの正体に気づいて

 私は聴いてことがあるんだ、そしたら……」


『え? 今が楽しいからそれでいいんだよー、アスミちゃんもそう思うでしょ?』


「それを聴いたらなんか、肩の力が抜けてな……それ以上カナに聴く気はなかった

 でも……今の動きはきっと、全盛期よりも腕をあげてるはずだ」


そうアスミが言った直後、カナはハンナの近くまで戻ると相手側の傭兵に

笑顔で言う


「ねぇ、その倒れている人邪魔だからぁー速くどけてねー」


それを聴いた相手の傭兵の男1人がだっこしてフィルナの後ろまで運ぶと

地面に寝かせ、その男性が前に出てくる


「おい、お前……侮辱した罪は重い、今度は俺が相手になろう」


その男性は大剣を片手で構え、カナに言うが、それをフィルナに止められる

フィルナはカナ……ハンナ達も同じ事を言う


「いいかしら? この戦いは勝ち抜きじゃないわ、1試合終わったら、次よ」


それを言われたハンナ達、次に出る人物を相談しようとハンナが皆に話かけようと

した時、ハンナの前、そして相手の前に立ち、両腕を組み、上に伸ばしながら言う


「ハンナ、次は私の番……今回も楽しみましょ」


それはナリア、ハンナ自身ナリアの戦いを一度として見たことなかった期待と

不安になり、ナリアを止めようとした時、アスミがハンナの右肩を掴み止めると

アスミはハンナに向かって言う


「大丈夫だ、ナリアは強い、見てればわかるさ」


そう言われたハンナは頷き、ナリアの戦いを見る事にした

ナリアは相手の男性の前に立つとカナと同じように素手を構える


「お前も素手か……メイドってのは武術が好きなのかい?」


「さぁ、どうでしょう? 先程のあの子みたく、簡単には潰れないでくださいね」


ナリアは笑顔でそう言うと少し怒った表情をする男性

しかしナリアはその男性の表情を見る事無く、その場で両目を閉じる

その直後、フィルナの声が2人に届く


『開始!』


ナリアは両目を開け、目の前の男と対峙する

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