第138話-探り合いは続く-
『昔の事を思い出してしまったな……ナリアの顔を見た後とは……』
メイド達と別れ、ハンナとミヤがハンナの部屋に戻った時
ハンナは椅子に座り、居眠りをしてしまったらしい
目の前にはミヤが同じように座って腕を組んだまま、ハンナの起きた顔を見て言う
「ハンナ? やっと起きたのね、疲れてた?」
「かもな……すまない、私が寝てた間に何かあったか?」
「さっき来たメイドの1人が夕食の準備に時間を賭けるから
安心して寝かせておいてくださいって言ったぐらいかな」
「もしかして、そのメイドは茶色の髪じゃなかったか?」
「そうだけど……よくわかったね」
「ああ、まぁな……しかしあれで30代とは……老けてないな」
「え?! あのメイド達30歳超えてるの?!」
「ああ、私と仲良くなった時はたしかに12ぐらいだったから
8歳たして31ぐらいじゃないか?」
「……すごいわね、でもまぁ……30台であの綺麗ですらっとした体系なら
きっと大丈夫でしょ、戦力になるわね」
「ん? ああ、戦力の話か」
「え? 戦力意外に何かあった? お姉様達が戻ってくるまでの時間稼ぎ
になればと思ったんだけど……」
「メイド達なら大丈夫だろ、私以上か……ミヤぐらいじゃないか?」
「へぇ……人は見かけによらないわね」
ミヤは椅子に座ったまま頷くと、ハンナの部屋の扉が開いており
開いている扉を右手の甲でノックを2回しながらメイドの1人が喋る
「お嬢様、私達の話はその辺にして、夕食の準備できましたよ」
「ナリア……せめてノックをしてから開けてくれ」
「しましたよ、話に夢中で気が付かなかったんじゃないですか?」
「そうか……?」
ナリアはそう言うが、実際は扉にノックなどしていない
ミヤはそれに気づいていたが、合えて知らないフリをして驚いた表情をした
それはナリアと呼ばれた女性の『力量』を見極めるためにミヤが勝手に
やっている事である
「えっと、ミヤ様、ですよね? あなた様は私のノックに反応しましたよね?」
「そうなのか? ミヤ」
ナリアの言葉にハンナはミヤの顔を見ながら言う
しかし、ミヤは苦笑を浮かべながら『しませんよ?』と答える
ナリアは一瞬だけ『ミヤを睨んだ』ように見えたが、ミヤとハンナがそれに
気づくことはなく、ナリアはすぐに笑顔を浮かべハンナ達に言う
「さて、夕食の準備のお話でしたよね、部屋までご案内しますね
後、お連れの方々ですが、商店街のほうで見つけたらしくもう少しで
こちらに戻ってくると思います」
「わかった、いろいろすまない、ナリア」
「いいえ、このぐらい謝る事じゃないですよ」
そう言ってナリアは姿勢を正し、ハンナ達と部屋を出ると綺麗な足並みで
部屋までの通路を歩き、食堂まで案内する
そして、2枚扉の片方を開け、中に入らず一礼するとハンナ達を中に
そして2人が入ったのを確認すると扉を閉める
その部屋はハンナの部屋の2倍は大きく、大広間と言ってもいいぐらい広く
テーブルも超長い物を使用され、何十人と座れるようなテーブルと椅子がある
しかし、その椅子に座っているのはフィルナただ1人
それも先に食事を始めている、そしてハンナに気づくと声をかける
「あら、やっと来たのね……先にいただいているわ」
「ええ、どうぞ、お先に」
ハンナ達の食事が置いてあるのはテーブルの手前、フィルナの食事は一番奥
ミヤの事を配慮して位置を変えたのだろう
そして、ハンナが椅子に付くと、ナイフとフォークを手に取る
ミヤも一緒に席に付いたが……目の前の食事の食べ方がわからない
「ねぇ……ハンナ、これはどうやって食べるの?」
「これか? これはレストランででるようなやつだ
ナイフとフォークで食べやすいサイズにきって食べればいい」
ハンナ達の目の前に置かれたのは『レアステーキ』と『野菜のサラダ』
そして、スープらしき物……正確には『コーンスープ』
「スープは音をたてずにスプーンで、サラダはフォークで取り、
手を支えに食べる、食べる時は音を絶てずにだぞ」
「……以外にめんどくさいのね……」
そうは言うがミヤはハンナの言われたように丁寧に食べ始める
フィルナは先に食事を終えたらしく、先に食堂を出て行く
そして出て行く途中ハンナの後ろを通る最中、ハンナに声をかける
「先に裏の裏庭に行ってます、あまり待たせないでね」
そう言うとフィルナは扉を開け、外に出て行く
しかしハンナは慌てる事なく食事を続く、食べ終わったのはそれから
しばらく時間が経った頃……時間にして20分ぐらいだろう
「ハンナ、いいの? お母さんに怒られると思うけど」
「ん? ああ、さっきのかあれは私達を焦らせるための物だろう
今頃、裏庭で椅子でも置いて優雅に座ってるだろうよ」
そう言うとハンナは立ち上がり裏庭を目指すため外に出る
ミヤも続き外に出、窓の外を見た時には外は既に暗くなっていた