第129話-目線が行く先にいる人-
それに気づいたスティナはエステとアスクに試着室を見てくると言い別れ
そしてスティナがフィリシアのいた試着室に行くとそこには……
試着室の中で服に埋もれたフィリシアをスティナが見つけると
スティナは埋もれているフィリシアの手を取り立たせる
「だ、大丈夫ですか?!」
「だ、大丈夫……いろんな服を試着してる内に埋もれちゃって」
フィリシアの周りを見るとたしかに服の山ができている
スティナから見て可愛い服が多く見えるのだが、フィリシアにとっては
気に入らないのだろうか無造作に積み重ねられている
「フィリシアさんは……気に入る服がなかったんですか?」
「え? ……うん、まぁ……男性の好きな服がわからなくて困っちゃった」
「男性……? もしかしてエステさんかアスクさんの事を……?」
「まぁ……そんなとこ、それでスティナちゃん、私ってどれが似合うかな?」
「え? えっと……そういうのなら本人に聴いたほうが……あの2人なら
そういうの気にしないで選んでくれると思いますよ?」
「……そう? それならちょっと聴いてみようかな……」
「でも、その前にここにある服の中から気になったのとか選びましょうか」
「これと……これと……これかな?」
フィリシアはスティナに言われた通り、自分が気になった服を選び
両手で持つと試着室を出る……スティナはフィリシアが試着室を出た直後
店員に頭下げ、試着室の中に山積みになっている服をスティナと店員が片づける
そんな事を知らずにフィリシアは両手に持った服をエステに見せる
「ね、この中で私に似合いそうな服ってある?」
「ん? えーと」
エステはフィリシアに声をかけるとエステはフィリシアが両手で持っている
服を見て選ぼうとしてる最中、フィリシアの奥の試着室で服を片づけている
スティナを見つける、その服の数々はスティナが選んだ服はない
そうなると、エステの目の前にいるフィリシアが選んだ服を片づけずに
気になった服を自分に見せに来てる事になる
それに気づいたエステは嫌な気分になりながらフィリシアの服を選ぶが
やっぱり奥に見えるスティナが気になるエステに気づいたアスクは
エステに耳打ちする
『スティナちゃんの事は私にまかせろ、お前はフィリシアの事を頼む』
その言葉に頷いたエステはフィリシアの服を選び始める中
アスクはスティナに話かけ、片づけるために服の山を持ち
片づける手伝いをしだすが……その時のスティナの笑顔がアスクに向いている事を
エステは少しだけ嫌になった
そして……数十分後、フィリシアはエステによって選んで貰った服
それは『赤色のワンピース』、フィリシアもそれを気に言った理由は
ワンピースを着た事がないから、とそんな理由だった
そんな事もあり、スティナの服、ミヤの服、フィリシアとエステの服を
手に入れる事に成功したので、スティナ達はハンナ達の家に戻る事にした
のだが……外は既に夜になっていた