表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/190

第116話-波長が合う女性-

私は私の対戦相手のレイピアを持った女性に近寄るため歩きだすと

相手もこちらに歩みよってくる、その歩き方にはまるで気品があふれている

そして私の前に立つと武器を持つ逆の手……右手を私に差し出し言う


「こんにちわ、私の対戦相手さん、私の名前は『フィリシア・アーティベルク』

 あなたのお名前は?」


フィリシアと名乗った女性は、透き通るような水色の髪、そして白い肌

服はまるでドレスを戦闘用に仕立てたようなそんな綺麗さがあり

なにより、水色の髪を肩ぐらいで綺麗に束ねている綺麗なリボンに目が行く

その色は赤い色でなんの変哲もないように見えるが、そのリボン1つで

フィリシアと言う女性の髪を引き出しているように見える


「私は『スティナ・フィーナベルク』です、よろしくおねがいします」


私はフィリシアさんの手を左手で握ると一礼する、するとフィリシアさんも

その場で丁寧にお辞儀をしながら『こちらこそよろしくね、スティナちゃん』

と言う、どこか余裕があり、私の事を見ていないような気がする


「さぁて! 決勝戦は女性同士の対決だ! 観戦者は俺とそこの男2人だけ

 他の人達はご退場してもらったぁ! 思う存分楽しむがいいさ!!」


そういうと主催者の男性はエステさんを手招きし、コロシアムの広場から

出て行ってしまう……それは今から始まる、戦いが物語る事となる


「さぁ……行くよ、ここまで来たんだから遠慮はいらないよね!」


フィリシアさんは華麗とも言えるステップで私に近寄るとレイピアを伸ばしてくる

それを剣で受け止めると、すかさず足払いをしてくる、それを後ろに避ける

その時、フィリシアさんのドレスの隙間から中が見えたが、それを気にする様子は

まったくない……フィリシアさんの目はまっすぐと私を見つめている


「……うん、うん……やっぱり避けたね」


「……? 一体何を?」


「んーん、なんでもない、ちょっと『試した』だけだから気にしないで

 さぁ、次はスティナちゃんの番、遠慮しないで攻撃してきて」


フィリシアさんは両手を広げ『攻撃してきて』と笑顔を私に向ける

だが……私はフィリシアさんに攻撃せず、武器を持ち直しその場で臨戦態勢に入る

その光景を見たフィリシアさんは小さく舌打ちをすると、笑顔で私に言う


「えーせっかく『チャンス』をあげたのに、無駄にするの?

 これ以上、攻撃させる気はないよ?」


『……余裕と言う事だな、スティナ……舐められているぞ

 良いのか? 攻撃しなくて』


「いいの……だって、あれは私を油断させるための罠だもの

 あの人が持っている左手のレイピアが内側を向いている時点でわかってるから」


『ほぅ……よくそこまで見ているな、たしかにレイピアは『突き』を主体

 とした武器だが、敵の攻撃をいなす武器としても優秀だ

 だが……それができると言う事は、あの女も相当な手練れだな』


「……うん、だから私も冷静に行くって決めた、今までの私だったら

 喜んで攻撃してたかも……でも、もう大丈夫」


『そうか……なら心配はしない、思う存分『遊んで来い』、俺はここにいる

 だから安心してやってこい、そして勝って見せろ』


「わかった……でも遊ぶのと楽しむは違うと思うなぁ」


そこまで私とロストが話をしているのをただ武器を構えて立っていたフィリシア

さんは怒った口調を私を怒鳴る


「ちょっと! 何独り言を言ってるの?! 速く来なさい!」


「わかった、じゃあいきますねっ」


「ええ、いらっしゃい」


私は武器を構え、フィリシアさんに走り込む、その光景を見たフィリシアさんは

嬉しそうな顔でレイピアを自分の前に構え『カウンターの姿勢』に入る

何人、何十人とそのカウンターで倒してきたのだろう、だが……既に

カウンターとわかっている攻撃を態々カウンターさせるわけがない

私がやろうとしているのは……


「せっ」


私は体を回転させ剣を振るう、それに合わせる形でフィリシアさんはレイピアを

合わせてくるが……私の右手には何も持っていない、体を回転させた時に

左手に持ち直したのだ、そして武器をもった左手でフィリシアさんの武器めがけて

左手を伸ばす、その攻撃に対応が遅れたのか、レイピアを横に払い防ごうとする

しかし、レイピアは『突き』に特化した武器、斬る事もできるが払いは微妙

それならば……攻撃は通ったはず


「……残念でした、私はそんなに甘くないよ」


フィリシアさんはレイピアを払うと同時に私の剣を払った

それは一瞬の出来事、フィリシアさんのレイピアが私の剣の先を捉え方向を

変えさせた、その払いから起きたレイピアの先端を私の突く剣の先端に合わせ

上手く捌く……それを今、目の前でフィリシアさんは行った

私はそれに吃驚しながら、後ろに飛び距離を取る


「すごい、今の攻撃をあんな風に避けるなんて」


「スティナちゃんもすごいよ、あんな方法で攻撃してくるなんて」


その後の言葉は私とフィリシアさんの言葉がこの広場に同時に聴こえる

タイミングでお互いに言い合い、お互いがお互いに突撃する


「実に楽しいね、スティナちゃん、もっと楽しみましょう」


「フィリシアさん、私は楽しいです……とっても……次、いきますね!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ