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第115話-大会開始-

「っと……ごめんなさい、先を急ぎましょう」


スティナはエステから離れコロシアムの中を進んでいく

スティナに後ろに続く形でエステを歩いていく……そして

コロシアムの中央の決戦場みたいな大きい広場に辿り着いた時

そこには『7』人の男女が武器を持ち立っていた


「私達でちょうどでしょうか……?」


「その通りだよ、お嬢ちゃん、武器の分割されたやつ、または手に入れてない子

 は私がお引き取りしておいた、ちなみにだが、君の彼氏君も出場枠はないのだが

 まぁ……私を理解できた唯一の男なので……目を瞑って置こう」


その男性はスティナの肩を軽く叩くと……コロシアムの中央まで歩きながら

目にサングラスを装着すると、大声で言う


「さぁ! 君達8人がここの決戦場で戦うんだ! ちなみにだが人間に

 傷つける事は厳禁、武器のみに攻撃していいルールだ、忘れるなよ?」


そう主催者の男性が言った後、今度は8人のもとに近寄り、1人1人顔を見て行く

8人の顔を見終えると腕を組み……しばらく無言で考え事をする

そして、数分たった頃、その男性は左薬指と右薬指で1人ずつを指さす


「君と君と1回戦だ、その次は君と君、そのあとはー……君と君、で最後は

 お嬢ちゃんと、そこの屈強な男だ」


スティナともう1人指さした男は黒色の鎧を上下に着て、頭にはヘルムを付けて

武器は『バトルアックス』を持っている、それを見たエステは腕を組みながら

スティナとその男を見る


『……スティナには分が悪いか? 攻撃速度は速くなさそうだが……もしかして

 速いのかもしれない……少しアドバイスしておくか?』


そのエステが思い、スティナを見た時、スティナは冷静な顔つきで対戦者の顔

を見、その男性に睨まれても臆する事なく、立っている


『心配しすぎか……まぁ、エルフの土地で鍛えられた分、ここで発揮するだろ

 俺は安心して……昼寝でも……できそうに……ないな』


そう心の中で思っていた事が今目の前でおきる


「エステさん、申し訳ないんですが、私の剣預かってくれませんか?」


そう言ってスティナが差し出したのは、普通の『ロングソード』と『ロスト』

スティナはエステの事を信用して渡したつもりなのだが、ロストはエステの手

すり抜け、地面に落ちる


『おい……スティナ、わかっててやっただろ』


「え? 起きてたんだ、ごめんなさい……気がつかなかった」


『……ったく、俺はお前にしか持てないんだから、ちゃんと持ってろ』


「はーい」


スティナはそう言うとロストを手に取り、自分の腰に戻す

エステはロングソードを受け取り、スティナがやった事に気づく

それはスティナなりの気の紛らわしだろうと


普段のスティナならロストを手放す事はしない、それも人の手をすり抜ける

芸当をロスト自身始めてみるのだが……ロストは喋る剣はスティナにしか

扱えないと思っていたせいか、たいして驚くことはなかったと言う


「スティナ、お前なら大丈夫さ、勝ってこい」


「はいっ! 頑張ってきますね!」


しかし……エステの少しの心配は無駄に終わった

元々、スティナの動く速度は他の人間よりも速い、それも普段、腰に2本の

剣を差しながら戦っていたせいか……その重みによりスティナは鍛えられた

のだろう、屈強な男性の攻撃はスティナを捉える事なく、簡単に男性の武器を

スティナはへし折ったのだ、それも武器を弾くのではなくへし折ったあたり

スティナにはまだまだ余力はあったとエステは思う


そしてその1回戦が終わった頃には4人になっていた

その4人の真ん中に立ち、主催者の男性は腕を組んだまま、また考える

そして2人ずつ指をさしながら決める


スティナのほうは男性、武器は棒の打撃武器

もう1方はレイピアらしき武器を持った女性と大剣を担いだ男である


この大会は武器が『短い』ほうが有利である

元々用意された武器は短い方が少ない、なぜならこの大会は人を傷つけず

武器を無力化すればいい、だが……レイピア1本で準決勝まで勝ち進んだ

女性の正体をエステは気になってしかたなかった、その間もスティナは

男性と戦いを繰り広げているが、その時のスティナの顔はどこか冷静で

戦いを楽しんでいるように見えた、そしてスティナがロングソードを

下から上に払った時、相手の男性の棒の真ん中に直撃し、棒は砕け散る

砕け散った棒を手放し、悔しそうな顔で男性はスティナを睨むが

スティナはそれに気づかず、エステに向かって手を振っている


『……成長しすぎかな、これは……まぁ、成長期ってあるだろうし

 あれ? でも成長期なら身長とかスティナ伸びてなくね……

 まぁ、これ言ったらミヤがいきなし現れて蹴り飛ばされそうだから

 言うのはやめておこう、そうしよう』


エステはスティナの振る手に片手を上げる、その直後もう1方の戦いも決着が

付く……それはエステが予測していた通り、レイピアを持った女性である


「やっぱり……あの人ですか……」


「ん? スティナ、お前もあの人が来ると思ったのか?」


「はい、あの人から感じるのは……負けた男性より全然すごいです」


スティナはエステに近寄りながら話をする、それをエステはスティナの顔を

見ながら話を進める、砂漠の街であった時はどこか大人しく、そして子供

ぽかったが……今のスティナは冷静で成長したように見える……が


「おい、スティナ、足が震えているぞ」


「へ?! そ、そんな事ないですよ、大丈夫、大丈夫ですよー」


スティナは武器を地面に置き、両手でエステに向かい大丈夫だとアーピルする

手振りをするが、スティナの足がぷるぷると震えているのが可愛くてしかたなかったエステなのだが……それを何度も笑っていると、スティナはほっぺを膨らまし

エステのすねを思いっきり左足で蹴る


「っ……スティナ、さすがにそこは痛い……本気で痛い」


「自業自得です、笑いすぎたのがいけないですよーだ」


『そうだな、お前が悪い』


「剣に言われたくねぇよ……」


エステは蹴られた脛を抑えながら苦笑でロストに向かって言い返す

蹴ったスティナにけして怒らないあたり、エステなりに非を認めているのだろう

そんな事をしているとサングラスをしている主催者がスティナに近寄り声をかける


「そろそろ良いかな? お相手の女性は待っているぞ」


スティナが主催者の言われた方向を見るとレイピアの見た後、スティナに向かって

笑顔を浮かべる女性の姿があった。

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