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第114話-主催者の意図-

「で……ここが時計塔の場所か……割と多くいるんだな」


「そうですね、意外に多いかも……これは予選からあるかもですね」


スティナとエステが時計塔下に付いた時、そこには体を鍛えていたり

硬そうな鎧を装着して男性がいたりなど……『50』名ぐらいの人数がいる


そんな時、時計塔の鐘と共に空中から何かが落ちてくる

それをスティナは両手で取り、中身を見ると『あたり』と書いてある

エステは片手で1つ手に取るが……中身を見ずにクシャクシャにする


「エステさん? 中は見ないのです?」


「……この紙、半分がスティナの持っている『あたり』で別の半分が『はずれ』

 とでも書いてあるんだろ、まぁ、俺はスティナの手伝いだ、参加はしない」


そう言う話をスティナとエステが話していると、時計塔の上から大声が聴こえる

それは鐘が付いている小部屋の中から片足を外に見えている側に見せ

顔を出す、その顔は『黒いサングラス』のような物を付けている


「はーははは、あたりを取ったそこの君達は予選突破だぁぁ!

 今からそのあたりに書いてある場所まで来るがよい!」


そういうとその男性は鐘の部屋に入るための長い階段を降りる音が聴こえる

その光景はなんというか見ちゃいけない光景を見たように見える

そう思ったのか出場者のあたりを手に入れた物は次の場所へ、はずれを引いて

物は思い思いに街の中に消えて行く


「あれ……? 騒ぎとか起きると思ったんですがそうでもないんですね」


「ああ、それは……これが理由だろ」


エステは落ちている『はずれ』の紙を取ると、そこにはテープか何かで何かを

付けたように見える、というかゴミを地面に捨てている時点で出場の資格なんて

ないと思うのだが……


「たぶん、これには街で使える1回有効の無料食事券でも付いていたんだろ

 出場資格はないんだ、ただで食事が無料になるなら得をしたのはこっちだしな」


「エステさんって意外に……見てるんですね」


「意外ってなんだよ……周りの連中の顔を見れば『得した』って顔で街に

 行ってたんだ、憶測だが、それぐらいはわかるさ、さて……俺達も

 次の場所に行こう」


「はい、ところでエステさん」


「どうした? スティナ」


「その白いズボンの後ろポケットから食事無料券がでてるんですけど……」


「……これはあれだ、さっき取った紙がはずれでな、それに付いてたんだよ」


「そうですか、では先を急ぎましょうか」


「ああ、そうだな」


実際の所……それは違っている

何故なら、エステは落ちていた『はずれ』の紙から無料券を取ったのだ

人数的に余ったのか、それともはずれを見た瞬間に道端に捨てたのか

それを手にした瞬間にポケットにくすねた、ちなみにだがエステが最初に

空中から手に取った紙には『あたり』と書いてあるのをチラ見で確認したのち

はずれの紙と入れ替えているため、無料券は事実上2枚となっているのだが

スティナからすると、実に身内として恥ずかしい事をしてるエステの図が

できあがったってしまっている


そんな事がありながらスティナ達はあたりの紙に書いてあった場所に辿り着く

そこには『25』名程度おり、場所は街外れにある『コロシアム』だ

そこのコロシアムは今は使われており、イベントなどに重要とされている

その外観は、円形の形をしており、見た目はなんの変哲のない鉄の壁

外観は黒、そして外壁のあちらかこちらに何かがぶつかった後がある


その入口であろう四角い入口の前に先程の男が腕を組んでたっており

指で人数を数えた後、大声で喋りだす


『ようこそ! 君たちは実に運がいい、さぁ! 予選2回戦をはじめよう!

 今回は……このコロシアムの中にある武器を調達してほしい

 ただし、武器の数が不足していてな、12個しかなかったのだ、許せ」


そう言った直後、その横をスティナの手を掴んだエステが駆け抜ける

その瞬間、エステの横顔を見た男性の口元が微笑んだ

エステに引っ張られながらスティナはエステに喋りかける


「エステさん?! まだ主催者? らしい人は喋り終えてないですよ?!」


「スティナは気が付かなかったか? アイツは最初に2回戦をはじめよう

 って言ったんだ、ようは2回戦はアイツがそう言った瞬間に始まっている」


「え?! そうなんですか?!」


「そんなところだ」


『まったく……あの主催者め……このやり方は実に汚いな、最初のは良いが

 2回目は明らかに『こういう事』をわかっている人間が有利だ』


エステはそう思いながらもスティナには伝えず、コロシアムの内部の外観を

走り抜ける……その最中、壁の影に隠された武器を何本か見つける


『スピア』 『ランス』 『ハルバード』 『ショートソード』


しかし、この4本の中にスティナが使っているロングソードはない

スティナは諦めてショートソードに使用としたその時、エステがショートソード

を手に取り、スティナに言う


「ショートソードだと長さが足りないか……まぁ、あんな事言うやつだ

 武器にも細工してあるだろ……っと、ほらな」


そう言うとエステはスピア、ランスの持ち手部分と槍の部分を軽々と取り外し

もちろん、ショートソードの持ち手部分も取り外す


「ようは、この中にある武器を自由に使えってことだ、数が足りなくなったと

 言うのは嘘だろ、元々12本、こうやる事を含めて8本ぐらいだろ」


そういうとエステはショートソードにスピアの持ち手をくっ付ける

そうする事により、刃はショートソードだが、長さ的にはロングソードぽくなる


「まぁ……これのほうがスティナには使いやすいだろ」


「ありがとうございます、エステさんと一緒でよかったです!」


そう言うとスティナはエステの胸元に抱き着く、それをエステは武器の持っていない左手で頭をかきながら思う


『ったく……俺は男だぞ……少しは警戒しろよな、まったく……』


そう思いながらもエステはスティナの頭を左手で撫でる、それを嬉しそうにする

スティナを見て、さらに胸が熱くなるエステだった

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