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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第14章-世界は何時も知らない所で動いている-
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第111話-闇の空間-

その瞬間、空間が歪むように……黒い空間がリリナの目の前に現れる

それに『変な感じ』をしたミナセは後ろに飛び退く


『何……これは……』


ミナセは目の前に現れた『それ』から目を離さないでいると

リリナはミナセに両手の剣を持ち飛びかかる


「なんかよくわからないけど、茫然としちゃって……隙だらけ!」


「?!……っ」


ミナセは間一髪リリナの攻撃をツヴァイヘンダーで防ぐ

そしてリリナが『それ』に気づいていないのかミナセに攻撃してくる


「リリナは『あれ』が見えないの?!」


「? 何言ってるの? ……そんな手には引っかからないわよ」


リリナはミナセから距離を取り『それ』の近くに移動し、体が触れるが

何も起きない、それを確認したミナセは安心した瞬間

『それ』から謎の手がでてくる、その手がリリナを捕まえ、中に引き込む


「な……何?! もしかしてミナセ、空間引き裂いて攻撃を?!」


リリナには何も見えていない、もちろんローラントやアイリスにも見えていない

ミナセ1人に見えている謎の丸い空間、その中は闇で包まれている


そこから伸びている手は紫色で手のひらが悪魔のようなそんな手をしている

その手がリリナを捕まえ、暴れているリリナをなんとも思わないのか

ゆっくりと闇の中に引き込んでいる


「ちっ……リリナ、今助けるから」


ミナセはツヴァイヘンダーを両手で持ち、その手に向かい上段から斬りかかる

しかし、斬れず攻撃は弾かれてしまう


『っ……硬すぎ……ならもう1回!』


しかしミナセの攻撃はその手にダメージを負わせる事はなく、何度も何度も

弾かれる……その光景はミナセが何もない所に攻撃し何かに弾かれているように

見えてしまう、それをリリナが苦しそうにミナセに言う


「……何してる……の……あんた……が……やってるんでしょ……?」


「違うわよ! あんたには見えないの?! 今あなたを掴んでいる手を」


「見え……ないわよ……何……言ってる……の」


その瞬間リリナは気を失う、その隙を付いて闇の中から伸びる手はリリナを

闇の中に引き込んでいく……普通に考えればリリナを放っておけばミナセが

リリナを消した、または逃がしたで決着は付く……だが、ミナセはリリナの

手を掴み、闇の中に一緒に入っていく……その光景を一瞬見えたアイリスが

慌てた顔でミナセの所に叫びながら走っている、それをミナセが笑顔で言う


「ちょっと……遊びに行ってくる、空間移動石、私の分置いてくから

 2人で安全な場所に……行ってね」


「ミナセ……さん、ミナセさん!」


アイリスが手を伸ばしたがミナセは闇の中に吸い込まれていき……その手を

アイリスが掴む事はできなかった、アイリスは泣きそうな顔で何もない空間を

ただただ手をやり……独り言を洩らす


「ミナセさん……どうしてまた……私を置いてくんですか……」


そのアイリスに後ろから歩いて来たローラントがアイリスの肩に黙って手を置き

ミナセが消えた空間に睨みながら考え事を始める


『……ミナセには何か見えていたのか……だが、それはなんだ……

 見えている物がわかれば調べられたのだが……ん?』


ローラントは地面に何か落ちているのを手で拾うと空にめがけてその手を挙げる

それは、何かの衝撃ではがれた『何か』、その色は紫色で人間ともハーピーとも

違う何か、それを眺めながら、ある事に気づく


それはローラント達の近くにいたハーピーが1匹もこの場所にいない事

先程のミナセとリリナの戦いを見て逃げ出したか……それとも別の何かが

あったのかはわからない、ローラントは座って泣きじゃくるアイリスの近くに

座ると、黙ったままアイリスが泣きやむのを待つ


『ミナセ……無事戻ってこいよ……僕は僕達のやるべき事をやるから』


それは突然起きた『謎の事件』、ミナセと一緒にいた女性を飲み込み

消えた謎の空間、ミナセだけに見えた『それ』をそして

ミナセの行く末を知る者はいない。

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