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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第14章-世界は何時も知らない所で動いている-
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第104話-強い相手を求めて-

ローラントの言った通り、ミナセとアイリスは海賊と戦っているが

ミナセは涼しい顔で敵の攻撃を最小限でかわしながら考え事をする


『……ヘルスみたいに強い人はいないかしらね

 この程度……実につまらないし、面白くない』


「もらった!」


ミナセの後ろから海賊の男がジャンプしながら剣を両手に持ち

斬りかかろうとするが、ミナセはその男の首を右手で掴み

左手1本で『ツヴァイヘンダー』を背中の鞘にしまう


「……で、何がもらったのかしら?」


ミナセは笑顔でその男に問いかけるが、その男は首を思いっきり握られており

喋れる状態ではない、それは……ミナセ自身が『つまらない』と感じているせいか

その前の敵に興味なんて一欠けらもなかったせいもある


「さっさとその手を離せっ!」


海賊の女性がミナセに後ろから斬りかかろうとするが……ミナセは右手で持っていた男を女性めがけて投げつけ、その男の下敷きになっている女に歩みよる

その女はミナセの顔を見た時……どこか『冷たそうな顔』をしたまま見下ろしてくる、それは……まるで、人間を相手にしてるのではなく物を相手にしているように

そこに感情が捉えられない


「……邪魔よ、とっとと失せなさい……雑魚が何人束になって無理」


そう言うと背中から『ツヴァイヘンダー』を抜き、男の服を少し剣で差すが

絶妙な差し方により、その男が死ぬことはない、そして剣で掴んだまま

海に放り投げると、もう1回剣で女性の方を掴む

しかし、男性は気を失っていたが女性は暴れながらミナセに言う


「はなせっ! 私はお前みたいなやつが大嫌いなのだ!

 自分の力が強いからって人を馬鹿にしたような奴が!」


「そっ……だったら強くなりなさいよ、今のままだったらただの雑魚

 私が相手するだけ無駄だから、海の中で魚と戯れるか、喰われなさい」


そういうと剣を払い女性を海に落とす、それは誰からどうみても酷いとも

言える光景だが……ミナセはけして人を殺している訳ではない


「次は誰かしら?」


ミナセは右手のツヴァイヘンダーを肩に抱き、残った海賊を見るが

その誰1人としてミナセに向かってこないかに見えたが……

1人、ミナセの前に立ちはだかる女性がいた


その女性は他の海賊と同じ剣ではなく『バスタードソード』のような剣を

両手で持ち、ミナセの前で構える


「私が相手になる、同じ大剣使いとして……いざ勝負」


「良いわよ……でも、何分持つかしらね」


ミナセは大剣使いの女性に走り込む、船の上だと言うのに足が巣食われる事なく

平然と走る当たり、ミナセの適応力はかなりの物だと何も言わずにわかるほど

しかし、ミナセが背中の大剣を構える事をなく、素手でその女性に向かう


「バカにしてぇ! この一撃でどうだ?!」


海賊の女性は大剣を横に大きく払う、自分の目の前に剣を振るう事によって

進路を妨害すると同時に自分への攻撃を指せないようにする最善の考え

しかし、ミナセはそれを涼しい顔で目の前でしゃがむと、片足を付いたまま

右足を上へ蹴り上げる、その蹴りは女性を狙った蹴りではなく、武器自体を

狙った蹴りであり、動いている剣だけを的確に蹴り飛ばし、剣を海の中へ

吹き飛ばした後、ミナセはその女性の胸倉を掴むと海へ投げ飛ばす


「ふぅ……実につまらないわね、もっと強い人はいない?」


しかし、ミナセがそう言った時には海賊は誰もいない

アイリスが残りの海賊を斬り伏せてしまっていたのだ


「……ひっふっみぃ、ミナセさん、私の勝ちみたいですね」


アイリスは殺した海賊を数えながらミナセに向かってそう言う

アイリス自身もかなりの実力の持ち主であり、簡単にはつぶれないと思ったが

剣の腕前が前よりも格段にあがっている事をミナセは気づいたが

自分の『相手』になる方を考えるとまだまだ荒削りである


「そうみたいね……まぁ、これで平和になったのだし、船旅を楽しみましょう」


しかし、それに突っ込むようにローラントは嫌味を含んだ顔でメガネを片手で

あげながらミナセとアイリスに言う


「君たちのおかげで船を動かせる人いなくなったんだが? 僕は船の動かし方

 なんて知らないし……君達は知っているんだよね?!」


「え? 知るわけないじゃない」


「私も知りませんよ? ローラントさんが知っていると思っていましたが」


「君らは……あーまったく、やり方はわからないがやってみるよ!

 ちょうど近くに島見えるし、そこでいいよね?!」


「いいわよー」


「はい、お願いします」


ミナセとアイリスは平然とした顔でローラントにそう言う

ローラント自身計算やその辺の事は強いが、ミナセのように呑気なのか違うか

わからない人間にはめっぽう弱いし、アイリスに限ってはミナセの言葉を優先で

ほとんど言う事を聴く気すらない状態である


「おいおい、僕は舵なんて触った事ないぞ……だが、本で読んだ知識なら

 まぁ……やってみるか」


ローラントは舵を持ち船が揺れる方向と逆に舵をきろうとするが舵の重さの

せいもあって……まったく動かせない、ローラント自身、勉強にかまけすぎて

握力などは弱い


「おい! ミナセ、僕じゃ舵使えない、君ならできるだろ?

 僕の言った通りに動かしてくれ」


「しょーがないわねー」


ミナセはそう言うとローラントの説明を受けるべくローラントに近寄ると

舵を持つ、その真横でローラントが何やら説明をしているのをミナセは真面目に

聴く、その光景を半分以上嫉妬のまなざしでアイリスはローラントを睨みつける


「?!……なんだ、今いような寒気が……敵はもういないよな?」


「ん? ローラントどうしたの? 敵はもういなくけど、もしかして寒いの?」


「いや……そんな事はない、大丈夫だ、僕の気のせいだろ」


「ローラントに風邪ひかれたらメンドクサイし、私の手を握れば

 手は寒くないと思うわよ」


ミナセはそう言うと片手を舵を持ち、片手でローラントの手を握る

それを恥ずかしそうに横を向いたままのローラントと嫉妬ではなく殺意を込める

アイリスの姿がある


しかし……この事でローラントはミナセについて1つ理解できた事がある


『ミナセは普段は天然と言うか、気の抜けた感じがするが……戦闘や

 何か急ぎの事があると本気なるタイプのようだ……だけど

 先程の戦闘はミナセ自身が強すぎたように見えるが

 まぁ周りが弱すぎたんだろ』


と心の中で思う、ローラントあり、ローラントは舵を切る方向をミナセに指示し

船の近くの土地に止め……船を降りる


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