第102話-夢見の地-
ハンナさんを抱きしめている女性を不思議そうに眺めている私とミヤ
そしてエステさん、ハンナさんは嫌がった顔でその女性を跳ね除けようとするが
その女性がハンナさんから離れる事はなかった
そんな時、私の目の前が真っ暗になり……体が前に倒れる感じがした
その時、ハンナさん達の叫び声が聴こえた気がするが……私が目を開ける事
体を動かせる状態ではなかった
それは……長々無理をした体、そして……気を張って皆と接した影響をあったと
思う、だが……次に私が目を開けた時、その場所は闇の中で何もない場所
しかし、そこに地面があり立ち上がる事ができる
私は立ち上がり目の前を見ると1本の木……しかしその木はつぼみを付けた
ばっかりで花は咲いていない、その木に寄りかかり、腕を組んでる1人の男性が
私に話かける
その男性の外見……は服の上下黒、白いマフラーみたいな物を首に巻き
髪色は銀髪でロングヘアー、若い男性のように見える
「よっ、目が覚めたみたいだな?」
「え……ここはどこですか?」
「さぁ……どこだろうな、ところでスティナ
お前は何時まで『仲間』にまで気を使っているんだ?」
「……どういうことですか?」
私は急に目の前の男性にそう言われたのでつい、真面目な顔で聴き返す
だって、目の前の男性は私の知らない人だし
そんな事言われる筋合いはまったくないのだがら
「どういうこと? お前はずっと仲間の皆に気を使い、自分の本心を
だしていない……いや、『一度』だけ本心を見せたか」
「何を言ってるんですか?」
「なんだ? 自分の事なのにわからないのか? ミヤだってお前の前で
素をだしてくれるようになったというのに、お前は今のままか?」
「ミヤを知ってる……? あなたは一体誰なんですか?!」
私のその言葉にその男性は少し微笑みながら私に言ってくれる
「ヘン…………スだ、お前の母親の友…………そして…………だ」
「はい? よく聴こえないのですが……もう一度お願いします」
「無理だな、これ以上この言葉を続ければお前自身が元の世界に戻れなくなる
だからこそ、俺と会った事は心の中にでも残しておくんだな」
「元の世界? 一体何を言ってるんですか?」
「ようはこの闇から出れなくなると言うことだ、お前にはまだやらないと
行けない事があるんだろ? それを見つけるまで、頑張りな」
その言葉は私には理解できなかった、私自身あの土地を抜け出したのは指名手配
されたのと、追いかけまわされた事……それに今はとりあえず行ける場所を
旅してまわっているだけ……ただ、それだけのはず
「……とりあえず、わかりました」
「とりあえず……か、まぁ、彼奴ならこうお前に言うはずだぜ?
スティナ、あなた、お友達には素直に甘えなさい、だってあなたは
可愛いのだから……それにきっとあなたの友達もわかってくれるはずよ
だから、怯えないで……話かけてあげなさい、彼方の本心で」
その言葉は誰なのかはわからないが……それは私の心の奥へ響く
だけど……私自身が皆に甘えていたり、気を使っていたり……それが私には
まだわからない、だからこそ、今、目の前でこの男性が言った言葉は
半分も理解できていないが……とりあえず、覚えておく事にした
「さて……一方的に話かけてばっかりで申し訳なかったが
そろそろ、スティナ……お前は戻らないと行けない時間だ」
男性はその言葉を言うと、真っ暗な天井を指さす、すると
ハンナさん達なのか、私を呼び声が聴こえる
「さぁ、お目覚めだ、眠り姫……何時か『俺の記憶』が戻った時
共に道を歩む事を……楽しみに待っている、またな」
「あ、あなたは一体?!」
その瞬間、私の目の前は光に包まれ、再び目を開けた時
そこは綺麗で大きなベットで寝ている私
それを心配そうな顔で私の顔を覗き込んでいるミヤだった
私がベットから体をお越すとミヤが私を抱きしめながら言う
「お姉様! よかった……急に倒れたから心配したんですよ?!」
「ごめんなさい……」
私はミヤ、そして少し離れた場所で安心したように微笑んでいるハンナさんと
椅子に座り私に向かって手を振るエステさんに謝る