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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第14章-世界は何時も知らない所で動いている-
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第101話-突然の出来事-

長老が休憩部屋に入るとその場で頭を深々と下げ、スティナ達に言う


「本当にありがとう……なんとお礼を言って良いかわかりませんが」


その言葉に誰1人として頷く事なく、首を横に振るとミヤが喋り出す


「いいの、いいの、無事なんとかなったんだし……あ、ただ1つお願いが」


ミヤがそう言った時、ハンナは『やめろ』と小さな声で言ったのだが

長老は笑顔で『何かしら?』と聴いてくれる、そのためミヤは長老に言う


「この土地から出て、別の土地に行きたいのだけど、船とかこないよね?

 何か変わりになる物はある……?」


そうミヤが聴くと、長老は少し考えるとある事を教えてくれる


「たしか私の家に……『願いの石』とか言うのあったわね

 本当に使えるかわからないけど……使ってみる?」


「願いの石? もしかしてなんでも願いが叶うの?」


ミヤは長老に質問すると、首を縦にも横にも振らず、

斜めに首を傾げると苦笑をしながらミヤに言う


「それは無理かしらね、これはその人の行った事のある場所まで飛ばしてくれる

 不思議な石らしいのよ、でも……それが本当かどうかわからない

 もしかしたら偽物かもしれないし……それに私達は他の土地知らないしね」


そう長老が言った後、『ついてらっしゃい』と言い、スティナ達を長老の家に

招くと、スティナに『願いの石』を渡す、スティナはその石を持ち上げ眺めるが

どこからどう見ても……ただの石ころにしか過ぎない


「これは……どう使うんでしょうか?」


「手に持って行ったことのある場所を想像してみたらどうかしら?

 ただ、1個しかないから皆一緒のほうがいいと思うけど……」


そう長老に言われたスティナ達は、スティナ、ミヤ、ハンナ、エステで円を作り

眼を閉じ……『その場所』をイメージすると、スティナ達が不思議な光に包まれ

その場から姿を消す、その光景を目の前でみた長老、それにココ、エナは驚き

ココは慌てて、長老に聴く


「長老?! あれは本当にすごい石だったんですね!」


「そ、そうみたいね……急ではあったけど……皆さん、達者でね」


長老は何もない場所を眺めながら……誰もいない場所を微笑むように眺めていた


そして……スティナ達が辿り付いた場所……そこはスティナもミヤ、エステも

知らない場所、そこは煉瓦でできたような家で……洋風をイメージするような

町並み、そしてその街に住む人々はお金持ちだと言わんばかりな服装をしている


「ここは……? というか、あの石、本物だったですね

 長老に何も言わないで着ちゃいました……ね」


「そ、そうですね、お姉様、でも……この街は私知りませんよ?

 エステが想像した場所なの?」


「いや……俺もこんな街は知らないぞ?」


その中でただ1人……言葉を発せずに下を向いたまま

独り言をぶつぶつ言ってるハンナがいる


『……まさか、あの瞬間に自分の故郷を思い浮かぶとは……2度とこんな

 塵みたいな街に戻ってくる気はなかったのに……それに……』


それに一番最初に気づいたのはスティナ、下を向いたままのハンナが心配になり

スティナはハンナの肩に手を置きながら声をかける


「ハンナさん? 大丈夫ですか? 具合が悪いとかですか?」


「……いや、なんでもない、ちょっと酔ったかもしれない」


「いきなしこんな事があれば……酔うかもしれないですね」


しかしスティナ、それにミヤ、エステは平然としていた

もちろん、ハンナも酔ってはいないのが……それ以前に速くこの街から出たい

ハンナであった


『……思い出した、たしかお見合いだのなんだの言われて家を飛び出し

 港に止まっている船に潜りこんで、安い服に着替えた後、船が沈没して

 辿りついたのが……あの砂漠地帯だったんだ』


そうハンナが1人、心の中で自分がこの街から抜け出した理由を思い出していた時

ハンナに向かって1人の女性が近寄って来て、ハンナを抱きしめる


「ハンナ?! ハンナなのね?! 生きていてよかった……!」


「……お母さん?!」


ハンナを抱きしめた女性はすごく若そうに見える、髪がゴールドでサイドテール

体は細く、まるで人形のような美しさと、ピンク色のワンピース、生地は高級

そうに見え……それこそ、『貴族お嬢様』と言った感じだった

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