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第96話-刹那の戦い-

まるでミヤの動きが変わったように見える

それは……ミヤであり、ミヤではないような『そんな感じ』である


「っ!」


ミヤは左手のナイフを左からクライムに向かって斬る

それをクライムは鎌の刃で受け止める

その直後、ミヤは防がれたの鎌を足払いし、鎌の重心を崩す

するとクライムは鎌が斜めになるのを確認したので鎌を拾おうと手を伸ばす

その隙をついてミヤは右手のナイフでクライムの首元を狙う

しかし、その一撃はクライムに届かなかった

クライムはミヤの一撃を読んでおり、左手を犠牲にする

それもナイフはクライムの手を斬りぬく事はない


「ちっ……服の中に何か隠してる」


「よく気づいたな……と言ってもこれはその辺に落ちていた石ころだがな」


クライムはそういって右腕の袖を下にし、振ると石が半分になったまま下に落ちる

その石は何時頃から用意したのか……スティナとミヤは気づかなかった


「なんだ? これぐらいの事で驚くの……か?」


クライムがミヤの方向を微笑みながら見た時、ミヤは『そこ』にはいなかった

もちろん……『いる』のだが、クライムにもミヤがどこにいるかはわからない


「ほぅ……ハイドか、今の人間ができるとは、実にすばらしい

 だがな、その行動の暴き方は……自分の周囲を攻撃すればいいだけだ」


クライムは鎌を両手で持ち、持ち手の方を地面に打ち付けると

まるで衝撃波のようにクライムを中心から円状に衝撃が起きるのがわかる

スティナはその衝撃をロストで防ぎ……クライムの方をするが

ミヤの姿はどこにもない


「吹き飛んだか……まぁ、その程度だろ……」


その一瞬をミヤは逃さなかった、クライムの背後からジャンプした状態で

首元めがけ右手のナイフを構えているのがスティナには見える


「……そうか、我の後ろか、残念だが、その一撃は当たらん」


クライムは前に数歩歩くと、ミヤの一撃は何もない所を空振りする

ミヤは驚いた状態で着地し、クライムから距離を取ると、クライムに言う


「どうして気が付いた……スティナの眼の動きでも見てたのか?」


「いや……そんなことはせん、我の影を見れば後ろなど、ある程度はわかる」


クライムは自分自身の影を見ていたのだ

それは自分の欠点、視界外になる真後ろ

誰でも自分の後ろに誰か立っていると気づきにくかったり、驚いたりする

だからこそ、自分の真後ろに注意を払う者は多い

しかし……クライムは自分に対になって地面に移っている影にミヤの影を見たのだ

その行動は夜に使える技術ではない、しかし……今はまだ日が昇っているから


「次は我の番か……」


そういうとクライムはその場から『姿を消す』

それはまるで先程のミヤのようにその場から消えたように見える

ミヤはその場に立ち、武器を構えた状態で周囲を窺っていると

クライムは横から急にミヤの近くに現れ斬りかかる直後、スティナが大声をあげる


「ミヤ! 横にいるよ!」


「っ!」


ミヤはスティナの言葉に従い後ろにバックステップする

するとミヤが立っていた場所に鎌が振られた後、クライムは横顔でミヤを見

再度、幻のように姿を消す


『なに……私のハイドとは違う……これはまるで……本当に消えてるみたい』


ミヤがそう思った直後、ミヤの真後ろから鎌が振り下ろされ

ミヤの背中を斬る、斬られたミヤは小さな悲鳴をあげながらクライムから距離を取り、斬られた方向を見るが、その場所には誰もいない

そしてまたミヤの後ろに現れ、ミヤの背中を斬る

するとミヤは仰け反る……その直後、クライムはミヤの目の前に現れ鎌を振るう


「これで終わりだ……小娘、多少は我に本気をださせてた事、賞賛に値する」


しかし、その鎌がミヤを捉える事はない

何故ならその一撃をスティナが防いでいる


「お……姉様……ごめんなさい」


ミヤはそう言い、地面に倒れる

しかしスティナは倒れているミヤを見ず、目の前のクライムを睨みつける


「……仲間が倒れているぞ? 介抱しなくていいのか?」


クライムは微笑みながらスティナに向かってそう言いながら首で

『そいつをどかせ』と言ってるように見える

だからこそ、スティナはミヤを肩に背負いながら村の端の方へ連れて来て

小さい声でロストに話かける


「ミヤは大丈夫だよね?」


『ああ、致命傷は外している……だが、傷は浅くない』


「わかった」


スティナはロストにそう言うとクライムの前に戻るとロストを左手で構え

少しを両目を瞑った後、開きクライムを睨みつける


「……どうやら、やる気らしいな……だが、先程の小娘より弱い

 我の相手になるならもっと鍛えてか……ら」


クライムがそう言った直後にはスティナの回し蹴りがクライムの左脇に直撃して

クライムが蹴られた方向と反対側に吹き飛ばされる


「黙れ……私はあなたを許さない」


『スティナ……お前は……』


ロストは今のスティナの行動を見て何かを言おうとしたが

言葉を発するのをやめた、今のスティナに何を言っても無駄なのだがら

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