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第95話-ミヤの本気-

しかし……クライムの鎌がスティナを捉える事はなかった

何故なら、斬られる瞬間……スティナを抱えその場から飛んだ者がいた

それは『ミヤ』、エルフ達を背後から斬り殺した後、村にいち早く戻った

その考えと行動が今、スティナを助ける事に成功した


「大丈夫ですか? お姉様?」


「ミ、ミヤ……? どうしてここにいるの?」


「どうしてって敵の拠点を破壊してちゃんと戻って来たんですよー?

 と、でも……今はイチャイチャしてる余裕はなさそうですね」


ミヤはお姫様だっこしていた私を降ろすと両手に『アルインダーナイフ』を構え

クライムを見ると……驚いた顔でミヤは言う


「あれ? あの時の男の人じゃないですか? でも……何か違う

 あの時の男であって男じゃない……あんたは何?」


「ほぅ……我に気が付くか……お前は私を楽しませてくれるのか?」


「楽しませる? ご冗談を……私は、いや、私達はあんたを倒す

 そうですよね? お姉様」


ミヤは私の顔を横を向きながら笑顔で言う、私はそれに笑顔で頷く

それを見たミヤはクライムに右手の武器を突き出しこう言う


「……さぁ、始めましょう、あんたの『本気』と私達の『本気』

 どっちが強いか……いざ、勝負」


ミヤの右目が蒼色に変わった気がしたがスティナはそれに触れず

目の前にクライムにロストを構える


「2人でも何も変わらん……虫が2匹になった程度……?!」


クライムがそう喋った直後には、ミヤがクライムの目の前におり

にこやかに右周りの回し蹴りをクライムに首に浴びせると

クライムはきりもみ回転をしながら吹き飛ばされる

それを見たミヤが侮辱したような言葉を吹き飛ばされたクライムに言う


「ざーこ……その程度で私とお姉様を倒そうとしてるの?

 あんたがどうしてそんな状態になってるかは知らないけど

 後2倍ぐらいは強くならないと無理」


するとクライムは起き上がり、笑いながらミヤに言う


「はーははは、実に面白い……とても面白いぞ、今の一撃はよかった

 だが一度食らった攻撃は2度はくらわ……」


「だからさ、いちいち喋らないでかかってこいよ」


ミヤはクライムが喋るよりも速くクライムの懐に入ると左足で腹を蹴り

さらにそれを利用し、右足で腹を思いっきり蹴りクライムを吹き飛ばすと

ミヤは一回転しながら地面に降りる


その光景をスティナは黙って見ていたが内心はそうではなかった


『……ミヤってあんなに強かったっけ……でも、何時ものミヤだよね

 口調も『たいして』変わってないし、でも余裕でクライムを押してる』


またクライムが起き上がるとその表情はとてもイラついているように見える

それは喋るのを邪魔されたのと……遊ばれているような感覚なのが

わかってしまったからだ


クライムは無言でミヤに近寄ると右手の鎌を右横に振るう

それをミヤは左手のナイフで受け止め、払うと体を右に回し

右手のナイフで斬りかかる

それをクライムは後ろに避け、鎌を左手に持ち替えると鎌をその場で振るう

それは何もない所に鎌を振ったかに見えるが……それは刃の衝撃波


まるでその場に斬撃が起きたかのようにミヤの両手で構えたナイフと衝撃波が

ぶつかり、ナイフの金属音が鳴り響く


「……お姉様の衝撃波のほうが強い、このぐらい余裕で耐えて見せる」


「ふっ……小賢しい真似を……なら、これでどうだ?」


クライムはその場に軽く3回鎌を振るうとミヤの居る場所にカマイタチのように

ミヤを切り刻む……それは刃が空気を辿り、ミヤを切り裂き、ミヤの服が破れる


「大事な一張羅を……絶対許さない」


「許さない? だったらかかってこい、所詮人間はその程度なんだろう?」


「はぁ……まったく、めんどくさいなぁ」


ミヤはそう言いながら嫌そうな顔でスティナの顔を見ると

少し恥ずかしそうにスティナに言う


「お姉様、今からの私は……昔の私です、どうか今から見る光景は

 忘れてください、忘れないと……お姉様の服奪います」


「……うん、忘れる」


「ならいいです」


ミヤはアルインダーを何時も柄を持ち前に刃を構えてが

反転させ刃を後ろにする、そしてミヤの両目が蒼色と変わる


「こいよ……ここからは『ブラッディドレス』が相手になってやる」


「……お前は……いや、お前はお前か……こい」


ミヤはクライムに突撃する

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