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第93話-強襲そして異変-

「ハンナさん、追いかけないないんですか?!」


エミは逃げて行ったハーピー達を追わず、その場から見つめているハンナに

エミは話かけるが、ハンナは黙ったまま何やら考えている様子だったので

エミはハンナが喋り出すのを待っていると味方のエルフ達もハンナが喋るのも

その場から動かず待っている


『たしかに相手のリーダーは倒した……だが、それにしても撤退が速い

 リーダーがやられたら撤退と事前に決めていたのか……だが何か引っかかる』


よくよくハンナが考えるとハーピー達が逃げた方角は大木側ではなく

中央に逃げて行った……まるでハンナ達を誘い出すように……


「そうか! 皆、村に戻るぞ! 村が危ない」


「はっ、はい!」


エミ達はハンナの急な言葉を聞き入れ村までの道を走り出す


しかし、ハンナの予測どおり村は敵に奇襲された

その数はミノタウロス5体、ハーピー4体、そしてミヤが遭遇した男


運がよく村にいざと言う時ように援軍用のエルフ達を残した事により

ハーピー達は村の入口でなんなく追撃し、倒す事に成功するが

問題のミノタウロス達は村の中に入るがミノタウロスの戦いに勝利した直後

一目さんに戻ってきたココが挑発しながら村の外に誘導している


「ほらほら、牛さん、こっちですよー!」


ココはミノタウロスの扱いに慣れていた

それもミノタウロスがイラつくように石を顔投げそれを5体のミノタウロスに

繰り返す、ミノタウロスもココの攻撃を無視し、エルフに行けばいいのだが

顔に石を何度もぶつけられるとさすがに苛々し、ココを追いかけ始める


そして……長老の家の目の前の広場ではスティナと男が距離を取り

睨めっこをしている、そんな空気の中、男がスティナに話かける


「よぉ……ここに俺を閉じ込めた女はいないようだな」


その男の発言にスティナは1人……どこかに閉じ込めたであろう人物を思い出す

それは、ミヤ……拠点破壊しに行くと言って出て行ったのだ

あの子のことだから、やらない訳がないと思うスティナである


「さぁ? それは誰だか知りません、ところであなたは誰なんです?」


「あ? 俺は『クライム・Fフリック・アインベルク』だ

 まぁ、今から死ぬやつに名乗るのも可笑しいけどな」


それはスティナを殺すと言う証明の証

スティナは身構え、ロングソードを引き抜くとクライムは笑いながら

スティナを指差す


「ははは、そんな武器で俺と戦うのか? 無理無理、『そっち』を抜きな』


スティナはその男の言葉にある疑問を抱く

それは……スティナの目の前にいる人物が『この剣』を知っているか

それとも、単にスティナが弱いと思っているからもう1本用意しろと言ってるのか

それがわからない以上、疑ってかかるしかない


「これは予備なんですよ、この剣が折れた時に使う物です」


「そうかい、なら……さっさと『使わせてやる』、いくぜ、嬢ちゃん」


クライムは金属の鎌を右手で持ちながらスティナに向け走り込んでくる

その時のクライムの顔は笑顔で満ち溢れていたと言う


スティナは自分の前にロングソードを横に構え、空いている手を剣に添える

それは剣でクライムの攻撃を受け止めると宣言しているようなもの


「へっ……そんなもんで防げるかっての!」


クライムは若干上段に振り上げると鎌を剣に向かって振り下ろす

しかし、鎌の攻撃にロングソードは耐えている

その光景に若干驚いた顔をしたクライムが後ろに飛び退きスティナに聴く


「お前はどうして『晴眼の構え』ができるんだ?」


晴眼(せいがんの構え』

古来より、敵の大型武器を小さい武器で受け止めるための技法

それは剣を自分の前に構え、まるでこの剣を折れるものならと挑発し

相手に剣を叩かせ、折れない事に疑問に思った所を斬り殺すと言った物

元々は1本の矢が折れやすくても3本は折れにくい、それを利用した方法であり

折れないのは剣に添えられた手にある、それは相手からの衝撃を緩め

防ぐための方法、しかし……それだけ剣の中心は簡単に折れると思うが

そうでもない、中心に行くに連れ折れにくくなり、まるで強固な剣のように

敵を受け止める剣になる、これこそが晴眼の構えである


「前にお母さんから教えて貰いました」


「母親か……晴眼を知っている時点である程度戦いなれているんだな

 まぁ、良い面白くなってきやがった!」


クライムは再度、鎌の自分の目の前に構え、スティナに向け突進していくる

目の前に構える事によって晴眼の誘発はし難くなり、攻撃手段も読めない

それを一瞬でやると言う事はクライムも戦えなれていると無言で教えてくれる


しかしスティナも晴眼に2度目がない事を理解している

だからこそ、クライムの突進に走り込みながら体を下げしゃがみ足払いをする

それをクライムは鎌の持ち手の部分を地面に付け、その反動で少しジャンプし

スティナの足払いを軽々と避ける


「……久々に面白い奴に当たった、それなら俺も全力がだせる」


そう言った直後、クライムからまるで目にみえるような『殺気』が

スティナをこびりつくように感じる

その直後、クライムの周りに赤色のオーラーらしい物が眼に見える

それはまるで、クライム自身ではない『何か』がクライムに力を貸している

そこまではわかるが、その正体が掴めないスティナだったが、それをクライム

わざわざ、スティナに教えてくれる


「これは鎌に宿る、昔の英雄か何かの呪い……俺の頭の中に『殺意』が

 溢れ出すが……その変わりに俺の力を2倍、3倍に引き上げてくれる」


「っ!」


スティナがその言葉に身構えた時、スティナのロスト・ヘレン・ブレード

がスティナに話かける


『俺を抜け! 今なら抜ける……抜けると言うか

 抜かないとお前が死ぬ、時間がない、構えろ』


ロストの言葉に従いロングソードを鞘に仕舞うと、ロスト・ヘレン・ブレードを

抜き、両手で構えるとクライムの前に正眼の構えを取る


「……そうだ、それでいい……それでこそ、殺す価値があるぞ」


もう目の前には先程のクライムような『戦闘を楽しむ』物はなく

クライムの体をした『何か』がクライムを操り、スティナを殺そうとしている

ロストは何か知っているようだが、スティナはあえて聴かず、目の前に集中する

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