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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第12章-人間と魔物の争い-
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第92話-戦闘開始-ハーピー-2

ハンナはそう思ったのだが……エミは違っていた

それは『土地勘』と『慣れ』にある


わかりやすく言うと、自分の住んでる土地と離れた土地だと勝手が違う

それほどの話である、ハンナがいくら優れていても空を飛んでいたり

密集の中の1匹を見つけるのには至難なのだが、エルフ達にとっては

それは『何時もの日常』なのである。


「敵のリーダー動きます、次は右上隅、リーダーの前にハーピーが影に

 なりましたが、打ち抜くように弓を思いっきり構えてください!」


エミの指示に従う弓隊は弓を折れるぎりぎりまで引き放つ

しかし、矢の速さよりもハーピーの回避の方が速く矢は何もない場所を射貫く

それを見たハンナはエミに耳打ちする


「エミ……弓隊と投擲隊に……の指示をだせるか?」


「ええ、できますけど? でもどうしても耳打ちなんですか?」


「ハーピーに聴こえているかもしれない、ハーピーが人間の言葉を

 わからないとは限らないだろ?」


「それもそうですね……了解しました、味方にはなるべく小さい声で

 指示を出すようにします」


エミはハンナの言われた通り、弓隊の中央へ移動し味方に小さい声で話した後

投擲隊に大声で言う


「ブーメランを持っている皆さん、もう一度狙いを定めて……

 次は左側のハーピーの後ろにリーダーいます! そこを狙って!」


「おい……エミ!」


ハンナは少し怒りそうになった、それはあれほど小さい声でと言った後に

大声で味方に指示をだした、しかし……ハンナがエミの顔を見た時

エミは微笑んでいたようにハンナには見えた


「弓隊も続けて放ってください!」


しかし矢はハーピーリーダーらしき者がいた場所ではなく反対側に矢を放つ

敵のハーピーも呆れたようにその攻撃を見ているように見えたが……

見事のその矢の弾幕は赤い髪のハーピーに突き刺さっていく


「避け方が単調なのよ……軽く嘘を混ぜてけば当たるのね」


エミは小さい声でそう言う、しかしハーピーリーダーに弓は届いたが

ブーメランは飛んでいってない、ハンナはそれを疑問に思い投擲隊を見ると

ブーメランを構えただけで放ってはいなかった。


それはエミの作戦であり、ハーピーをかく乱するための行った事

だが、ハーピー達は動揺する事なく、エルフ達に滑空攻撃を開始する

その滑空攻撃をハンナがエルフ達の前に立ち、武器を構える


「空中は苦手……だから、私は……エルフ達を守る事にする

 エミはそのまま指示を……出し続けろ」


そう言ったは良いがエルフ達はハンナがハーピー達の攻撃を防げないと思い

防衛行動に移ろうを思ったが……その考えは浅はかだった

ハンナは滑空してくるハーピーの羽をツヴァイ・アーツ・トンファーで払い

払った直後の隙を反対側のトンファーをハーピーを吹き飛ばす

それを何度も何度も行っていた、それも一度たりともエルフ達に近づけずに


「足が付いて、武器が届く範囲なら……お前たちに負けるつもりはない」


だからと言ってハーピーが別の攻撃をしてくる可能性は低い

なぜならハーピー左翼、右翼の羽は機敏な行動をしやすくするために柔らかく

衝撃を吸収する効果があるが、飛ばしたり武器として使う能力はない

そうなると、手を除外した牙による噛みつきなのだが、それをするには接近

する必要があり、それはハンナやエルフ達にとって的になると考えた結果

ハーピー達の有利な空中からの攻撃だけになる


だがハーピー達も同じ行動ばかりはしない、狙いをハンナに定め

3体のハーピーが同時に滑空攻撃をする、いくらハンナだからと言って

3体の攻撃を凌ぐのは少々荷が重いと思ったのだろう

滑空攻撃をするために低空まで降りてきたハーピーの背後から

エミが木を蹴り空中へと飛ぶと、ハンナを攻撃しようする真ん中のハーピーめがけ

空中にいる状態のまま、背中の矢筒から矢を1本の抜き、弓を構える


『……いける、何度も練習したもん、かっこよく決めてこそ……だよね』


エミはその状態のまま、矢を放つ

その矢はハーピーめがけ一直線に向かい、ハーピーの心臓に突き刺さる

それはハーピー達の予測しなかった行動もあり、咄嗟の行動に対処できなかった

それは味方のエルフ達も同じである


エミは矢を放った状態のまま、体を回転させ見事に地面に着地し

弓を背中に仕舞うと、ハンナに近寄る……するとハンナはエミに

驚いた感じに話しかける


「エミ……お前はすごいんだな、あれほどの行動を咄嗟にできるとは」


しかしエミは笑顔でハンナの言葉にクスクス笑いながら答える


「あれは運がよかったんです、今まで1回も成功しなかったんですから

 皆さんのお陰で成功できたような物ですから……それに」


エミは背中に仕舞った弓をハンナに見せる

その木の弓は真ん中にひびらしき物が入っている、先程の攻撃で

弓が耐えきれなかったのだろう


「もう1回か2回が限度です……エステさんに言って先に作って貰うんでしたね」


「そうだな、じゃあさっさとこいつらを片づけてエステに言いにいくぞ」


「はい、そうですね」


ハーピーリーダーは手羽に刺さった矢を抜き取るように暴れると

奇声を上げ、ハーピー達の指揮を高めると……滑空攻撃を開始する


それはハーピー達による一斉攻撃に見えたが、滑空攻撃のあいだも動き続く

それはまるでハーピーの踊りを見ているようである


「エミ……あと一発、弓を撃てるか? 

 味方はこの攻撃を防ぐので忙しい、だから、お前に頼みたい」


「わかりました、どこに撃てばいいですか?」


「リーダーが滑空を駆けてくる前の壁になっているハーピーを狙ってくれ

 後は私にまかせろ」


「わかりました」


エミはハンナの指示に従い、弓を構え矢を放つ

するとエミの弓は音を絶てて砕け散るが威力は落ちていない

その弓から放たれた矢は狙い通りのハーピーに刺さるとそのハーピーはよろめく

その隙を付いてハンナはジャンプすると、よろけたハーピーの背中を蹴り

土台にし、跳躍するとリーダーの目の前にまでくる


しかしハーピーリーダーは体を横にし、ハンナの攻撃を避けようとするが

ハンナはその行動を読んでいたようにハーピーに向かって言う


「この武器は伸びるぞ? そんな回避で避けれる物か」


ハンナの構えたツヴァイ・アーツ・トンファーの先体から折りたたまれた部分が

出て着て長さが伸びるがその伸びは『前』には伸びない


「前じゃなくて助かった……お陰でこれを使う事ができる」


ツヴァイ・アーツ・トンファーから伸びた部分がハーピーリーダーの顔を直撃し

ハーピーは落下していく中、それに追い打ちをかけるように武器を構え空中から

追撃をかける、しかし……それを防ぐべくもう一体のハーピーがハンナに攻撃

しようとハンナの横から足による爪で攻撃しかけた時

そのハーピーにブーメランが直撃し、ハーピーは吹き飛ばされる

その光景を横目で確認したハンナはハーピーリーダーに向かい

トンファーをクロスに構え、腹に一撃を加える

そしてハンナはハーピーもろとも地面に叩きつける


その落下した地点にエルフそしてハーピーが一斉に目をやると

そこにはハーピーリーダーの上から起き上がるハンナの姿があった


「……ハーピーの上に落下したから衝撃は和らげられた

 まったく、無茶はするものじゃないな」


それを見て生き残ったハーピー達は気を削がれたのか

一斉に大木の方面へと離脱する 

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