普通だろ?◇
受験終わったんで、久々に書いてみました
駄文、駄作、亀更新
最低の三拍子揃った作品ですが、読んでくださるのなら、恐悦至極です
「ねぇナイト」
『なぁ駄作』
俺は二人の光と闇から、そう呼ばれている。別段気にしてないし、興味もない。ただ名前は内徒で、ナイトと呼ばないことだけ釘を射しておく。
いやまぁ、これもどうでもよく興味がないんだけど。
以前、俺は光からこう言われたことがある。
「ナイトはさ、いつも私のそばにいてくれる まるで影みたいだね」
光と共に影はある。
なるほど、別段間違ってはいない。だけど全方位から光が射したら、またはお前が輝けば、影はなくなるだろ。
以前、俺は闇からこう言われたことがある。
『光と影は共に? それはないだろ だったらもし光が存在しなかったら、地球に太陽の光が届かなかったら、影はないって言うのか? それはないね、ないない、ありえない 光と影は別々に存在するもんだ だからお前も、律儀に付き合ってやる必要ないさ』
それも納得できる。
でも光がなかったら、一面真っ暗で、むしろそれは影じゃなくて闇なんじゃないか?
俺は影か闇、一体どっちなんだ。
いや――――それすら興味ないね。
容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能・人望厚い・財閥一人娘・真面目で明るい、そんな完璧な女の子が秋月雛乃である。八方美人もいいところで、非の打ち所がない。
いや、実際にはあるけど、俺が消している。興味ないが。
そんな俺は平凡を極めている。成績普通・スポーツ平均・容姿黒髪黒眼の普通・友達そこそこ・中流企業会社員息子・性格至って特にない。まさに一般的を絵に描いたような存在だ。ホントに。
自分ではそう思ってるだけで周りは皆、とかもない。全校生徒アンケート普通な奴は誰だ、も圧倒的票数を得て俺だ。
けどそんな俺に、少しだけ輝かしいことがある。
それは
「ナイト!」
予想通り、秋月雛乃の幼馴染みということ。
やっぱりか!という声が聞こえるが、それでいいことなんてない。むしろ大変なことばかりだ。
昔のことから話すなら、雛乃が小学生の頃から話そう。
雛乃は昔から可愛かった。それに前述したが他も完璧である。そういった奴が幼馴染みだから、俺は雛乃に幸せになって欲しかった。
最初は雛乃を妬む奴もいたけど、その度俺はそいつ等に根回し、は言い方が悪いが友達になり一緒に雛乃と遊ばせた。雛乃は金持ちだと自覚してたから、おやつにアイスとか買ってくれたりする。子供なんてそれでイチコロ、すぐに仲良くなった。
悪い噂があれば、それより悪いことを俺がして雛乃が俺を庇い優しい人だと思わせる。そうやって雛乃に悪意や敵意を向かなくしていた。
「ナイト! ナイトってば!」
「……なんだよ」
「今日友達が部活でいないからさ、買い物付き合って」
「ん」
だからって見返りなんか一度もなかったね。クリスマスのパーティーなんか、友達は呼ぶくせに俺は誘わない。バレンタインは義理すら貰ってない。一緒に学校へ歩いて通ったりなんかしない。
告白?あるわけない。アイツ前に教室で
「雛乃って色恋沙汰ないけど、もしかして幼馴染みの内徒君と付き合ってるの?」
「全然そんなことないよ、ただ好きな人がいないだけ」
そう言って急に席を立ち、俺に近づいたかと思えば
「私は内徒とは幼馴染みだけど、好きじゃないから! 皆安心してね!」
と、廊下にまで伝わる大きな声で宣言した。
男子生徒は大地を揺るがすほどの雄叫びを上げ、女子生徒はそれで完全に俺の存在をなかったことにした。何人か俺の気を伺う奴もいたけど、気にしてないと欠伸しながら手を振ってやった。
後に雛乃が謝るなんてこともないぞ。
だから言おう、俺は秋月雛乃という幼馴染みがいて、雛乃の評判を上げたりしてたが、誰からも羨ましいと思われたことのない、極々一般庶民だと。
興味ないがね。
短いです
長く書けません、私が保たないので