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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

エリンジウム

作者: 中乃瞳

世界は残酷だ。


でも、その中でも人間は特に残酷だ。


小さい頃から平気でアリを踏みつぶし、


草花を己のエゴでむしり、


木々を無くし、


生きるためとはいえど、他の生物の命を奪った。


でも幼かった僕は、それが『かっこいい』と思ったのだ。


いつしか僕は、人間がカミサマのように思えてきた。


その中でも、その中でも僕が1番、1番僕が偉いと思った。


でもとある夏休みの日、出会ってしまった。


もっとカミサマにふさわしい、僕と同じ人間に。

____エリンジウム____




「あ゛〜、宿題だり〜…。」


ミーン、ミンミン。

セミ達は短い命だと言うのにも関わらず、一生懸命鳴いている。それなのに俺はただ畳の上に寝っ転がって、扇風機の風にあたり、怠けているだけなのだ。


「アンタ!いつまで怠けているつもり?夏休み半分終わっちゃったわよ!!」


五月蝿い。宿題をしなかったからって死ぬわけじゃないじゃないか。それなのにセミみたいにいつまでも五月蝿い母親に嫌気が差した。


「…ふぅ、こんくらいあればいいだろ。」


母親が買い出しに行っている間に、幼い頃に買った当時はサイズが合わなかった大人びたリュックサックを、クローゼットから出し、自由を求める旅の為の準備をした。

要は家出である。


「俺はッ!自由なのさ〜!!!」


いつになっても乗れずに最近やっと補助輪が取れた自転車…ではなくて、もうその事は遠い昔。あんな小さい自転車では到底遠くには行けないだろう。でもあいにく自分の大人の自転車を持っていなかった俺は、親父の自転車を奪い走り出した。


なんて清々しい気分だろう。母親の小言から解き放たれ、自由を手に入れたのだ。口角が歪に上がるのを感じる。嬉しい!とっても!!


夕日に向かって自転車を漕ぐ。普段行く方向とは真反対だ。俺は1番優れているから、きっと大丈夫さ。そこら辺のバカとは違うんだからな!なんて思いながら少し熱い風を受けながら、うろ覚えの流行りの曲を口ずさんだ。

かなり遠くに来た気がする。そうでも無いのかもしれないが、もうここは俺が見たことも来たこともない異世界のようだった。


「ワクワクしてきたぜ!!」


とはいえ、もう少しで夜が来てしまう。夜になるとどうなるのか?簡単な事だ。子供は外を出歩いては行けない。1人ではもっと良くない。つまり俺を家に返そうとする愚かな大人が何人も出てくると言うことだ。


そんなことさせるものか!人気がない河川敷に来た。ここなら誰も来ないだろう。変な短いトンネルもあるし、きっと大丈夫、大丈夫だ。


俺は自転車をトンネルの中に自転車を止め、大きくて重たいリュックサックを下ろした。我ながら天才的。必要なものなど分かりきっているから、それを全てリュックサックに詰め込んだのだ。おかげでギチギチではあるが、それは不可抗力であろう。


とりあえず、まず取りだしたのは少し大きめのレジャーシートと、小さめのタオルケット。レジャーシートを敷いた上にタオルケットを被せた。こうすれば座ったり寝たりしても痛くないからな!天才だぜ!一応枕にするためにクマのぬいぐるみも持ってきた。コイツは相棒。俺のケンゾクさ。幼い頃に親父から貰った時、ビビッときた。なんて素敵なんだ!と。それからずっと一緒さ!学校に行く時も、寝る時も、飯を食う時も、出かける時も!


周りは女子みたいだとか、小汚いとか、キモイとか行ってくるけどカンケーねーんだ!だってコイツのこと、大好きだからな!


だから俺が使う用のバンソーコーの他に、裁縫セットも持ってきた。裁縫は苦手だが、相棒のためならそれは必要不可欠だからな!


それにコイツと話せるのは俺だけ。リュックサックに入れていたから少し潰れてしまったけど元には戻るだろう。だから大丈夫。

川沿いを相棒と一緒に海中で照らしながら少し歩いていた。


「ん〜?あそこにいるのは誰だ?!まさか大人か?!逃げなきゃじゃねーかよ!」


するとこっちに手招きをしてきた。恐る恐るだが、俺はそちらへと行くことにした。










『…こんばんは。キミは1人なの?』


そこに居たのは俺と同い年位の女子だった。でも、ほかの女子と違って五月蝿くない。落ち着いていて、静かで、大人な感じがした。そして少し汚くて、怪我をしていて、臭かった。


「はぁ?!1人じゃねーから!ほら!2人だぜ?コイツは俺の相棒のデビルタイガー!」


1人なわけないだろうと思った。相手には俺が手を繋いでいるクマのぬいぐるみが見えないのか?変なやつ!と思った。思いっきり見せつけるように両手で相棒を持ち、そちらへ見せた。でもよく考えたら、ほとんどがそのような反応をする。みんな変なのだ。


『…どこが悪魔で…どこが、虎、なの?どう見てもクマのぬいぐるみだよ。』


「うるせーな!別に名前がそれなだけだからな!マジレスしやがって!」


相手は不思議そうな顔をしていた。他の奴と違って悪意のある否定はしなかった。これは否定じゃなくて、ただの疑問、質問に過ぎないから。


「てか、お前がさっきやってた光ってるやつ、なんだ?」


『…あぁ、さっきのはね、線香花火だよ。…良かったら一緒にやる…?』


センコウハナビって言うのか。初めて聞いた。コイツは俺よりもきっと色んなことを知っている。それだけならほかの周りのヤツと変わらない。それだけなら、俺の方がきっと優れてる。でもコイツはそれだけじゃなかった。他の奴と違って、俺の事を嫌ってる感じがしなかった。バカにしないし、いじめてこない。悪口も言わないし、五月蝿くない。大人みたい。そう思った。


「やる!てかお前名前は?あと年齢!!あっ俺はユウト!13歳!」


『…ボク…じゃなくて私の名前はユウカ…。キミとは同い年だよ…。名前、似てるね。』


ほら!やっぱり同い年だった!しかも名前も似ている。1文字しか変わらないじゃないか。それなのにコイツは、他のやつよりも、優れている。


俺を前にしても怒ったりバカにしてこない姿は、いつぶりに見たか分からない。そう思うとコイツは、俺よりも優れているような気がした。俺が1番のはずなのに。俺がカミサマに近いと思ってたのに。コイツの方がカミサマに向いてるんじゃないか?


そう思うとムカついてしょうがなかった。でも、ここでキレたら余計俺が下になる気がしてならなかったので辞めた。


「…おう。…お前帰らなくていいのか?俺が言うのもあれなんだけどさぁ。母ちゃんに叱られんじゃねぇの?」


『…ううん。大丈夫…。それに、帰りたくない。』


まさかこいつも家出か?同類じゃん!仲間!仲間じゃん!!そう思うと少しだけコイツが下がった気がした。


「家出なら俺も一緒〜。良かったら一緒に居ないか?お前良い奴っぽいし?それに俺たち3人ならきっとサイキョーだぜ!」


『…いい、の…?じゃあ、一緒に…行く…。』


俺は仲間を手に入れた。名前が似ていて、同い年で、ちょっぴりムカつくけど良い奴な仲間を!


その日、俺たちは俺が持っていた缶詰を食べた。相棒は食べることが出来ないから、皿だけ用意した。










次の日から、俺たちの冒険は始まった。

お金はお年玉を全部持ってきたから、沢山あった。ユウカも、俺よりは少なかったが金を持っていた。ユウカの荷物は極めて少なく、ハンカチと、財布、それを入れるためのポシェットだけだった。センコウハナビは、家からこっそり持ってきたマッチと、たったふたつだけしかないハナビだったみたいだ。マッチの残りも少なかったようで、もう残りはなかった。


「準備できたか〜?」


『うん、できたよ。』


「じゃー、行こーぜ!!」


俺の今の荷物はと言うと、相棒と、財布と、100円ショップに売っていた素晴らしい刀と、非常食の缶詰だけだ。それ以外は置いていくことにした。理由は冒険をするためには身軽の方が良いからだ。


まず俺たちが向かったのは駄菓子屋。いつもはジュースとお菓子しか買っては行けないけど、今日はアイスも買った。俺は自由だからな!ふたつに割れるアイスだったから、片方を仕方なくユウカにあげることにした。


『…ありがとう。』


口元が少し動くくらいであまり感謝しているようには見えない気がしたが、まぁいいだろう。俺は頭がいいから、そのくらいのことは気にしないのだ。


次に行ったのは水族館。少し入る時の金が高かったけど、看板に近くにあると書いてあり行きたくなったのだから仕方ない。


俺は初めてイルカを見た。それと同時にまた俺は自分が下のように感じた。ほかの人間が飼い慣らし、技を覚えさせられているイルカを、金を払い、満足に楽しんでしまったのだ。自ら楽しみを作るのではなく、与えられてしまったのがなんとも言えなかった。


ユウカもイルカを初めて見たらしい。そう考えると俺はそこまで下じゃない気がしてきた。だって俺より少し上っぽいユウカですらイルカを見た事がなかったのだから!


その後も、ペンギンを見たり、クラゲを見たりして結局普通に楽しんだ。難しいことを考えすぎるのはある意味頭が良いとは言えないと思ったからだ。


「あ〜、楽しかったな!お前は楽しかったか?デビルタイガーは楽しかったって言ってるぞ!」


『…それは、良かった…。…ボ…私も楽しかった…。…とっても…。』


「なーなー、お前さー、なんでボク、って言おうとしていつも私って言い直すんだ?別に良くねぇか?」


今日話していてずっと不思議に思っていたことを聞いた。するとユウカは少し暗い顔をして


『…だって、だって…ボクって言うと、嫌な顔とか…急に怒られたり…バカにされたりするから…。』


理解できなかった。なぜ?なんでボクって言うとそんなことされたり、言われるんだ?でもどこか既視感があった。


そうだ、俺が相棒のことでバカにされるのと一緒で、コイツも周りから理解されてないんだ。俺と一緒、一緒だ。そう思うとコイツと俺は、同じに思えた。上も下もなくなった。どっちも素晴らしい、カミサマにふさわしい存在なのだ!ユウカへの、ムカつくとか言う気持ちはいつの間にかスっと消えて、もっと一緒に居て、遊んでいたいと思った。


「なるほどね〜。別に俺は変だって思わねーぜ?お前がボクって言いたいなら言えばいい!バカにされたくないなら、俺の前でだけ、言えばいいだろ?そーしたら、お前ももっと楽しいと思うぜ!」


本心だが、我ながら良いこと言うなーとも思った。


『…あっ、ありがとうッ!…じゃあこれからはボクって言うね…!改めてよろしくね、ユウト。』


初めてちゃんと笑っているのを見た。ユウカはずっと楽しいのか楽しくないのか分からないような表情をしていたから驚いた。そして初めて名前を呼ばれた。ずっとキミって言ってたのに。


あれ?何だこの気持ち。なんかほっぺが熱い。そして少し恥ずかしくて、どこかへ逃げてみたい気もした。


あっ、分かった。









俺コイツのこと好きだわ。


友達としてじゃなくて、なんだっけえーっとクラスのやつが言ってた…。えーっと…そう!コイ!コイだ!


一気に3つも初めてのことが起こって、なんだかワクワクした。


ユウカと一緒にずっと一緒にいて、おじいちゃんになっても、ずっと守りたくなった。こんな気持ち初めてだからなんて言えば分からなかったけど、何となくユウカに好きとは言えなかった。


「…おう……。じゃー、夕日も見えてきたし、また河川敷に戻ろーぜ〜。帰りにコンビニでおにぎりとか買ってさ〜。…おーい、お前聞いてる?」


『あ…あ…。あ……。おと…うさん…。…えっと…あ…ユウト…。…ごめ…ごめん…。…帰らなきゃ……。』


唐突すぎて理解が追いつかない。さっきまであんなに笑顔だったじゃん。え?何その顔。その顔も初めて見たぞ。そんな怯えたような顔しないで欲しいんだけど?そんな思考を巡らせているばかりで突然の出来事で足が動かなかった。


ひたすら怯えているユウカと、俺よりかなりデカいユウカの親父がユウカを睨みつけて何か言っている。近くにいるのによく聞こえなかった。聞く余裕がなかった。


半分泣いているユウカをユウカの親父は車に押し込むように乗せ、河川敷の方に家があるのだろう。到底追いつけない速さで行ってしまった。

残ったのはやり場の無い感情と、生ぬるい潮風のみだった。








あれから1週間がたった。


結局俺は家に帰った。


だって相棒とふたりでも楽しいけど、ユウカが居ないと少しつまらなかったから。


母親にかなり怒られた。親父は面倒くさそうな顔をしていた。


宿題に追われる日々が始まった。ゲームをしてもアイスを食べてもなぜだか味気ない感じがして、勉強くらいしかやることがなくなってしまったからだ。


空っぽになってしまった。そんな感覚だ。


あの後ユウカはどうなったんだろう。


いくら考えても良い結果は浮かばない。


まるで水溜まりを踏んずけた靴の足跡が晴れになっても残り続けるような心地がした。


ずっと浮いていて馴染むことが出来ない感情。ニュースを見ても面白いはずの話を聞いても何も感じなかった。


【ユウトはカミサマなんかじゃなかったんだよ。】


「…デビルタイガー?!そんなわけないだろ?!俺よりも少し上な人はいるかもしれないけど、俺をバカにするやつなんかよりも俺はずっと上だ!」


【じゃあ、なんでユウカちゃんを追いかけなかったの?

なんで助けなかったの?なんで動けなかったの?】


「それは…突然のことに驚いて…それで…。」


【それで??そんな言い訳するなよ。お前は弱虫だ。馬鹿だ。アホでマヌケ。所詮人間。バカにしてたやつだって、お前の親だって、ユウカちゃんだって、お前だって、人間なんだよ。その中でも神に近い人はいるが、たった1人の好きな子すら守ってあげられないお前なんてカミサマでは無いだろーね。】


「…ッ!そんなこと…ない…。でも…そう…なのか…?俺は……。」


【ほら、探しに行こう。ユウト。ユウカちゃんを助けるんだ。】


「…やっぱお前はサイコーだなっ!行くぜ!カミサマになるために!そしてあいつを助けるために!」



また準備をした。今度は肩掛けのバック。蓋がついてない直ぐ物が取り出せる手さげのようなもの。


その中に、非常食のお菓子と、お金と、あとお母さんが料理で使う包丁を入れた。もちろん相棒と手を繋いで。


「きっと大丈夫…。俺ならできる…なぁ、デビルタイガー!」


【そうだ。お前ならできる。さっきは酷いこと言ってごめんな。でもこれで行けるだろう?】


「おう!じゃあ第2の冒険、スタートだ!」



自転車は怒られたから、今度は走っていった。かなり時間がかかった。何度もコケた。でもバンソーコーがあるから大丈夫。気づけば夜になっていた。


正直、ヒントなどどこにもなかった。父親の腕に刺青が入っていたこと。それ以外なかった。でも探した。ユウカのために。


街灯が点滅する住宅街を走って探す。これが好きな子のためならなんでも出来ると言うことなのか。それはまだ少し分からないけど、それでも見つけるために走る。


トイレに行くために、コンビニへと行こうとした。するとコンビニ弁当とビールを一生懸命に抱えているユウカと、タバコを吸いながらユウカを睨みつけるユウカの父親を目撃した。



「…見つけた……!!」


見失わないように一生懸命追いかけた。走れ!走れ走れ走れ!!!何度も転んだ足はもうボロボロで、走るのも大変なくらいだったが、何故か走ることが出来た。


「入っていった…。あのクソ親父…なんで家に入るだけでユウカを蹴飛ばすんだよふざけやがって。」


【あぁ、酷いやつだ。怒鳴り声が聞こえてくる。ユウカが危ないぞ。】


アパートの2階の、端から二番目の部屋。


階段を上る。夜空に音が響かないようにそっと、そっと。


ピンポーン。


インターホンを押した。








[ぁん???誰だテメー!!!こんな夜中になにし…ゔ…ぁ…。]


「死ね!死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!」


ユウカのクソ親父が出てきた。包丁を取り出し、がむしゃらに身体中を刺す。こちらも蹴られたり殴られたりしたが、それでも構わずに何度も何度も何度も、何回やったか分からなくなるくらいに滅多刺しにした。


[……。]


殺した。ユウカのクソ親父を殺した。返り血がベッタリ付き、床も血まみれ、相棒も血に濡れてぐしょぐしょになっていた。死んでしまえば、それは人ではなく肉の塊。勝った、勝ったんだ。


「…あッあぁ!!!!!俺人を殺したんだ…。やべぇどーしよ…。」


部屋の隅にいたユウカがこちらに来た。


『…ううんきっと大丈夫。また、一緒に逃げよう?』


そして苦しそうだが幸せそうな笑顔で大粒の涙を流しながらユウカが口を開いた。


『ユウト、ありがとう!ユウトは私のカミサマだよ!私を助けてくれた、最高に大好きなカミサマ!』


その笑顔を見たら、もう殺した時の感覚は消え去りとても幸せな気持ちになった。でも幸せよりもずっと上の、興奮するような気持ちにもなった。


認めてくれた。俺がカミサマだって。しかも大好きだって!


「お、俺も!!俺も…お前のこと…好き!!じゃなくて大好き!!ユウカは俺のカミサマで天使だから…!俺が一生守るから、また…」


『…ありがとう…!じゃあまた一緒に逃げようね!遠くまで、誰も知らない所まで!!』


「もちろん!どこまでも3人で一緒だぜっ?」


『うん!!』


ユウカのオヤジを殺した日、好きな子を幸せにした日、俺がカミサマに成れた日。それはもう夏休みが終わりを迎えようとしている日だった。


END

親父を殺したあと、ユウカとユウトはとても幸せな気持ちでいっぱいになりました。でも恐怖は直ぐに消えない。ユウカの一人称は私のままです。これからだんだんと自然に「ボク」が出てくるのでしょう。





2人…いえ、3人は逃げました。夏休みが終わったあとも。1週間くらい。頑張った方だと思います。捜索届けを出されてすぐ、ユウトは保護されました。ユウカは施設に行きました。そして保護されたあとユウトは捕まってしまいました。


何年も何年も、ずっとユウトは考えていました。自分は悪いことをしたのだろうか?と。好きな子を幸せにするために、笑顔にするためにしただけなのに。なんで捕まらないといけないんだろう?と。そしてユウトは毎晩あの夏休みのことを思い出しては幸せな気持ちになります。また水族館に行って、アイスを食べて、次こそ線香花火がしたい。もちろん、3人で…。








デビルタイガーは炎に包まれて、もうとっくに居ないことは知る由もなく___。

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