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第05話 第一回アルブラⅧどーなるの会議~!

 次のゲーセンでも、香澄ちゃんは下手くそなふりをしては獲物を誘い、完膚なきまでに叩き伏せるという悪行を繰り返した。

 後ろで見ていた僕は、なんかもう、小学生のころに習った、シューベルトの「ます」に出てくる通りすがりの人のような気分になった。「矢庭に川水をかき濁しつ、竿打ち込めば、ますは釣れあがれり。酷しと我は憤れど」ってヤツの、我。

 原曲と違うのは、釣り上げた後で、

「今月号の『ゲームマガジンG』でさ、ニンジャ・ストライカーのチーフプロデューサーが、『硬直中に連続技を入れられて負けるってのはつまらない』って書いてたでしょ? あたしはアレが臭いと思ったのよね。ハメ技が格闘ゲームをつまんなくするのは古今東西の常識なのに、なぜ今、あえてそれを言い出したのか。これであたしは『ハメ技回避の要素が入ってるな』って、ピンときたわけよ。でさ、そう思って疑いの目で見てみると、ゲームそのものにもヒントが隠されてたわけ。……わかんない? じゃ教えてあげる。他のゲームにも敵の攻撃を跳ね返した時にガードマークが出るものはあるけど、技を空振りした時の空振りマークとか、敵に背中を見せちゃったときのびっくりマークなんてのが出るのは珍しいよね? だから、あたしはどうしてこんなものがいちいち出るんだろうって思ったわけよ。で、ガードマークが消えてから5フレーム後に、なんとなく大斬りボタンを押したら、なんと、リカバリー攻撃が出るじゃない! つまりマークはリカバリー攻撃のタイミングを計るためのものだったってことよ! もう、あたしは感動したわね。なににって、自分のひらめきと、それを信じる自分の心の強さによ。エジソンは一パーセントのひらめきと九十九パーセントの汗って言ったけど、天才のあたしに言わせればさ、『あたしがひらめいた時にはすべて終わっているッ。だから汗なんて流す必要はねェんだ。わかるよなァ~?』って感じなのね。わかる? あ、わかんない? 天才にしかわかんないか。まぁ、大斬りボタンは共通みたいだけど、押すタイミングはキャラによって違うみたいだから、いろいろ試してねオーライ? 強くなったらまた会いましょユーシー?」

 などと、相手によってバリエーションは様々だったが、大意このようなことを極めて早口で申し述べて放流した点だ。

 まぁ、香澄ちゃんにとって彼らは小魚もいいとこだろうから、キャッチアンドリリースは当然ってことなんだな。鱒が育って鮭になるってのも、なんか当たらずしも遠からじって感じだし、いいか。

「まあ」ってなんだよ。「いいか」ってよくないだろ。なんだよ、この発想と結論。

 危ない危ない。香澄ちゃん的、大ざっぱ思考に侵されてる。

 ちなみに、なんという偶然だろうか、「一パーセントのひらめきと九十九パーセントの汗」っていう言葉は、確か、エジソンも香澄ちゃんとほぼ同じ意味で言ってるらしい。

 ジャンルは違っても、天才ってのは、凡人には理解しにくい生物なんだなぁ。


「じゃあまた、学校及びあらゆる場所で!」

 香澄ちゃんがぶんぶん手を振る。

 結局すべての場所なんじゃないかと思いつつ、僕は手を振りかえした。

「むーちょ!」

 昨日と同じように、香澄ちゃんは投げキッスを送ってきた。

「む、むーちょ……」

 すでに薄暗くなってはいるが、辺りにはけっこう人がいる。僕は辺りを気にしながら、素早く返した。満足したのか、香澄ちゃんはにっこり笑って背を向けた。

 これで僕も、晴れて家に向かって歩き出すことができる。

「ふぅ……。トラブルもあったし、二日連続のゲーセンはさすがに疲れたな。さっさと帰って、るなに癒されよう」

 僕には妹がいる。それも、飛び切り可愛い。そう思うと、思わず顔がにやけてくる。

 今日は何度も香澄ちゃんに言ってしまいそうになったが、それはご法度だ。香澄ちゃんに隠し事をするのは気が引けるけど、突然妹の話が出たら怪しまれるかもしれないから、こればっかりは仕方がない。

 家に帰り着き、玄関扉を開けると、ぱたぱたとスリッパを鳴らしてるなが出てきた。

「おかえりなさい、お兄ちゃん」

 前で手を重ねて、ぺこりと頭を下げる。

「うん、ただいま」

「あのね、ご飯、できてるよ」

 もじもじしながら、僕の袖を掴んでキッチンにいざなう。

「ん? 料理がうまくいったの?」

「えへ」

 おずおずと料理を指す。なんか、今まで見たことがないようなものばかりだった。

「るなってすごいのね」

 食器棚から皿を取り出しながら、母さんが目を丸くして言った。

「でも、こんな料理の作り方、どうやって知ったんだい?」

「それは、もともと……」

「あ、ああ、そうか」

 料理の作り方とか、ある程度のことは最初から知識として持っているわけか。

「るなって、教えたことは忘れないし、同じ失敗は二度としないのよ」

「それはすごい」

 さすがというか、予想通りというか。

「でもね、次々と新しい失敗を発明しちゃうのは困ったわぁ」

 失敗を発明するというのは、斬新な言い回しだが、確かに昨日の食事はお世辞にも上等とは言えなかった。「シェフのきまぐれナントカ」などというタイトルが付きそうな、実験料理のフルコースだったのだ。

でも、昨日のがまかないレベルだとしたら、今日はちゃんと店に出せそうな料理に仕上がっている。

「失敗というものは、新たな手法を思いつくときには不可避なプロセスなんだよ。ノーベル賞なんかにも結構あるだろう? 失敗から大発見をすることが」

 と、父さんがなんだかカシコげなことを言った。

「そりゃ、僕は先生だからねぇ、少しは賢そうなことも言ってないとねぇ」

 そうだった。僕の父さんは、学校の先生なんだ。どこの学校かは知らないけど。


「第一回アルブラⅧどーなるの会議~!」

 十二月中旬のある日の放課後、僕を学食に呼び出し、香澄ちゃんは言った。

「会議って言うか、会話だよね。ふたりだけだし」

 学食は放課後も開放されていて、ランチメニューこそ供されてはいないものの、併設された売店でパンを売っているし、自販機でカップ麺も買える。そのため、この時間でも利用者はけっこう多い。

「だって、昨日買ったゲームマガジンGの十二月号に、Ⅷの発売が来年三月になったって載ってたのよ。もうあたし、居ても立ってもいられなくなっちゃってさ。ソーシロとこの話したくてしたくて。放課後が待ち遠しかったこと!」

「……『だって』ってどこにかかってるの? 会議どころか会話にすらなってないよ」

 アルブラというのは、もちろんコンピュータロールプレイングゲーム、アルゴンブラストのことだ。

 ご存じない人のために説明すると、アルブラの第一作は今を去ること二十数年前に、曇天堂の家庭用ゲーム機「ファースト・コンタクト」略して「ファーコン」で発売された。当初の売れゆきは地味だったが、演歌的売り上げを見せ、アルブラⅡ発売とともにその人気が爆発。現在ではゲーム機本体の売れ行きをも左右する怪物ソフトに成長した。

 ハードは前作のⅦがパワースタリオン無印だったのに対し、Ⅷはパワスタ2へとパワーアップしており、それに伴ってメディアがCD-ROMからDVD-ROMに変更された。

そのうえ、前作ではストーリー、演出ともに不出来な部分があったため、余計にⅧは期待されているのだ。

「でもさ、香澄ちゃんがコマンド選択式のRPGをやるなんて、思ってもみなかったよ。アクション系ゲームオンリーだとばっかり」

「ああ、Ⅶのときはまだソーシロと知り合ってなかったから知らないのか。だってアルブラだけは別じゃない? 一種のお祭りだからね!」

「フェイフレは?」

 フェイフレとはもちろん、アルブラと並び、コンシューマーRPGの双璧と称されるフェイタル・フレンドリーのことだ。

「あっちはやんない。しょっちゅう出てるから、お祭りって感じしないもん」

「確かに、『また出るの?』って感じかも。……って、内容よりお祭り感が大事なの?」

「違うよ。お祭り感も、大事なんだよ。ほんとのお祭りだって、花火とお囃子、盆踊りだけじゃ不満でしょ? やっぱり出店もなくちゃって、思うじゃない?」

 片目を閉じて、立てた人差し指を左右に振る。香澄ちゃん得意のポーズだ。

「でも、ちゃんと来年の三月に出るのかな。最初は今年の十月に出るって言ってたんだよね。それがいつの間にか発売日未定になって、今度は何事もなかったように来年の三月って、それで納得できる?」

「ふふん。最初に発表された発売日なんか、大本営発表くらい信用ならないね。結局伸びちゃったけど、もともと信じてないからショックなんてなかったさ。本気になるのは第二報以降。それがアルブラファンってもんじゃないか。知ってる? アルブラのナンバリングタイトルって、有史以来、最初に発表された発売日に出たことないんだよ?」

 有史以来って。ちなみに、ナンバリングタイトルというのは、ⅠからⅧの番号を冠したタイトルのことで、外伝やスピンオフは含まない。

「ファンだから信じないってのも、妙な話だなぁ」

 という僕のコメントをあらかた無視して、香澄ちゃんはゲームマガジンG十二月号をテーブルに広げた。

「ほらこれ。始まりの島が『ハイライ島』って、相変わらずへなちょこなネーミングだよね。だがそれがいい。って感じなんだけど。あとさ、仲間になるっていうこいつ、服のギザギザ二重線とか、どう見てもノラざえもんのジャリガンがモデルだよね? 『ランバー』っていう名前も乱暴者が元ネタだったりして。それから、始まりの島に『魔の山』って、ちょっと飛ばしすぎだと思わない? どうせスリャームとかドラッキュくらいしか出てこないのに、ここで魔の山とか言ってたら、ネーミングがインフレ状態になって、ラスボスのすみかはなんて呼んだらいいのかわかんなくなっちゃうよ!」

 香澄ちゃんは立て板に水って感じで、澱みなくまくし立てた。

「……あの、香澄ちゃん? 僕の意見を求めるまでもなく、それぞれ話が完結してたような気がするんだけど?」

「うん。実はさ、ソーシロと話すのが待ちきれなくて、お母さんといろいろ話し合ったんだよね。で、その結果がさっきの」

「それじゃ、会議じゃなくて、会話ですらなくて、ただの報告だよね?」

「そうだネ!」

 語尾にハートが付きそうな感じで香澄ちゃんは言った。かわいこぶってんじゃねぇ! ……と思ったが、本当にかわいいから困る。

「ウチのお母さんが言ってたんだけど、アルブラとフェイフレって、水と油みたいなもんでさ、若いころは両方プレイしていた人でも、年を取ってくると、どちらか一方、自分の好みに合ったほうしかプレイしなくなるんだって。面白いと思わない?」

「それはどういう現象?」

 それより、お母さんとアルブラ話ができるってことのほうが気になる。香澄ちゃんのお母さんって、どんな人なんだろう。

「要するに、頭が固くなるってことじゃないかな。よくわかんないけど。とにかく、無理して好みに合わなかったほうをプレイしようとしても、全然楽しめないらしいよ。嫌だよねぇ、老化現象って」

「なに言ってんだか。香澄ちゃんなんか、若くったってアルブラしかプレイしてないんじゃないか」

 ちなみに僕は両方プレイしている。

「そういう屁理屈を言うやつには、最強呪文で答えようじゃないの」

 香澄ちゃんはゆらりと席を立つと、顎を突き出して僕を見下ろした。

「さ、最強呪文?」

「そう。ありとあらゆる反論を無効化する最強の言葉……」

 右手を、ドッジボールかなにかをつかんでいるような形に曲げて、前に差し出す。

 そして詠唱!

「『それはそれ! これはこれ!』」

 時間が止まったような気がした。が、気がしただけだった。

「……期待した僕がバカだったよ」


「じゃあね!」

 と、今日も香澄ちゃんは投げキッスをよこした。それも、人が大勢いる商店街でだ。

 突き刺さるような視線を感じるのは、気のせいなんかじゃないだろう。

 香澄ちゃんみたいなかわいい子が、僕なんかに投げキッスを送るなんて、傍目には奇異に映るんだろうな、きっと。

「じゃっ」

 僕はできるだけ身体を小さくして、肉眼では追いきれないと思われるほどの速さで投げキッスを返し、逃げるようにその場を去った。

 ああもう、これだけはやめてほしいよ。勘弁だよ。

 家に帰り着き、部屋に入ると、るなが体育座りしてテレビを見ていた。

 このテレビは主にゲームに使用する二十二型の小さな液晶テレビだけど、一応地デジにも対応している。

「お兄ちゃん、お帰りなさい」

 アニメの画面から僕のほうに視線を移し、るなが笑った。

「うん。ただいま」

 学生服を脱ぎ、るなの隣に片膝を立てて座った。さりげなくるなのほうを伺うと、瞳にアニメの映像が反射して、宝石のようにキラキラ輝いていた。目覚めてから半月以上経つのに、いまだに見るものの多くが新鮮なのだろう。

 パチモンとかいうアニメが終わり、六時前のニュース番組が始まった。

 番組の種類が変わっても、るなの瞳は興味津々に輝いている。楽しんでいるふうには見えるけれど、僕には気がかりがあった。

『交通死亡事故非常事態宣言発令中の今日、県内各地では、交通安全啓発キャンペーンが開催され、県警本部前では、一日署長を務めたフランス人コメディアンのジャン・ポール・アランさんが、道行く人に交通安全グッズの配布をしました』

「あはは。ジャン・ポール・アランって、すごくフランス人ぽい名前だね」

「見なくても容姿が想像できちゃうな。こう、ルイ何世とか、作曲家みたいに、くりくりっと金髪巻き毛で」

 指先で巻き毛のジェスチャーをする。

「あ、グッズって神社とかのお守りなんだ。フランス人がお守り配ってるのって、すごく不思議な感じがする!」

 本当はテレビじゃなく、実際にあちこちに連れて行ってやりたい。

 でも、るながアンドロイドだということは内緒にしなくてはならない。そういう約束で僕は彼女を預かっている。

 住良木は人間らしく育ててほしいと言っていた。だから、こんな軟禁状態じゃなくて、表に出してやるのが正しいのだろうし、僕もできれば表に出してやりたいと思う。だけど、突然、僕を「お兄ちゃん」と呼ぶ女の子が現れたら、僕をひとりっ子だと思っている近所の人は驚くだろう。あの子は誰だってことになり、正体がばれてしまうかもしれない。

 だから表に出すことは難しい。

「……テレビ、面白いか?」

「うん。面白いよ。世界ではいろんなことが起こってるんだね」

 その言葉と笑顔に、僕はちょっと救われた気がした。

 僕らが赤ん坊としてこの世に生まれたとき、考える力はまだ備わってなくて、ただぎゃんぎゃん泣いているだけだ。でも、ちゃんと世界を感じ、考える知能を持って生まれたるなは、この世界をどんなふうに感じるんだろう。

 広い、まぶしい、美しい。口では言えても、その感じ方を理解することはできない。

 僕らはたぶん、世界を最も素晴らしいと感じられる瞬間に、暖かな母体から放り出された不安をいっぱい抱え、この世界に恐怖と不快感を感じて泣きながら過ごしているんだ。

 なんともったいなく、なんと羨ましいことだろうか。

 そして、そんな大切な時期にテレビしか見せてやれないということが、とても不憫だ。

『一方、痛ましい交通事故のニュースも入っています』

「あのさ、るなは、表に……」

 と言いかけたとき、聞き覚えのある名前が鼓膜を打った。

『県立ほしかげ高校一年の樺沢聖美さんが、横断歩道を青信号で横断中に、星読市の無職、鐘田心愛容疑者が運転する軽自動車にはねられ、全治二か月の重傷を負いました』

「ええ?」

 僕は自分の耳を疑った。

『事故の原因は鐘田容疑者の信号無視と見られ、県警は鐘田容疑者を道路交通法違反容疑で現行犯逮捕し、事情を聞いています。……次のニュースです』

「お兄ちゃんと同じ学校の人?」

 途中で言葉を止めたのを不審に感じたのか、るなが僕を見上げて言った。

「あ、うん。そう。……同じ学校だよ」

 既に別のニュースに切り替わった画面を呆然と眺めながら、僕は答えた。

「病院行く? こういうとき、お見舞いに行くんでしょう?」

「……いいや。この子とは話もしたことないから、僕が行ったら変に思われるよ」

 人を見舞うのにも、資格って必要なんだな。

「それに、お見舞いっていうのは、症状が安定してから行くものだから、今日行っても迷惑がられると思う。行くとしても、もっとずっと先のことになるよ」 

「そうなんだ?」

 るなは、意外そうな顔をしていったん視線をそらしたが、すぐに何かを思いついたように、僕に向き直った。

「ね、樺沢聖美さんて、どんな人?」

 アナウンサーが一度しか言わず、字幕にも出なかった名前を、るなは覚えていた。母さんが言うとおり、確かに物覚えはいいようだ。

「そうだなぁ、とっても可愛い子だよ。目が大きくて、黒髪で、色白で、明るくて。……ああ、るなによく似ているね」

「じゃあ、とっても可愛い子によく似てる私も、とっても可愛い?」

変な言い回しだったけど、さすがに笑う気分じゃない。

「ああ、とっても可愛いよ」

「私の名前は、『るな』でよかった?」

 僕は少しの間、るながなにを言っているのかが分からなかった。

「……あ」

 るなは、自分たちの名前が、現実に存在する、もしくはかつて存在した少女から取って付けられることが多いことを知っているんだ。だから、自分に似た面差しの少女が存在するのに、自分と名前が違うことに違和感を感じたわけだ。

 普通の子なら、そんなこと気にはならない。なるはずがない。

「なんでそんなことが気になる? 確かにるなは樺沢聖美に似てるけど、ただそれだけのことだよ。こういうとき、なんて言うか知ってるかい? 『それはそれ、これはこれ』って言うんだ。るなはるなだよ。樺沢聖美じゃない。……だろ?」

 本当は、るなが樺沢聖美に似ていることに気づいたのは、名前をつけてからだった。

 でも、名前をつける前に似ていることに気づいていたとしても、絶対に「聖美」という名前にはしなかっただろう。だから、僕が言ったことはウソじゃない。

「……そっか。私はるなでいいんだ」

 抱えた膝をばたばたさせて、るなが「くふふ」と笑った。


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