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疲れの極致

作者: りょうや


わしは疲れを極めた仙人じゃ…

お主はわしに弟子いりしたいのか?どうなんじゃ?


うるせぇ!!俺は疲れてる!


おぉ大分疲れが溜まっておるな疲れが溜まると人は性格が変わりやすい!!大抵の人間は機嫌が悪くなる…しかしわしは疲れが溜まると仙人ぽくなるのじゃ…

お主その不機嫌パワーで戦ってみないか?


あ!?何で俺が…


ここには仙人と青年が一人。山の中枢で今まさに青年が仙人に殴りかかる。しかし、仙人はその拳を難なく交す。


くそぉ…何なんだ…てめぇ…


わしは仙人じゃ…かかってこい!!


うおぉ………


仙人と青年は明くる日も闘った


山に雪が降る季節に仙人と青年は二人で歩いていた。今日も闘うために歩いていた。


どうじゃ…不機嫌な気分を解放すると気持ちがいいじゃろ…


あぁ確かに俺は不機嫌になったとき誰にも会いたくなくなる…人を傷つけるのが怖くて…でも仙人に…師匠に会えて良かった…不機嫌な力を解放するって…


良いなぁと思った…ありがとう師匠…


ふむ…構わないよ…


うむ…あんなところにうさぎがおるな…


雪山の中を颯爽と走るうさぎは二人の心の中を癒した。うさぎは雪山の下方へと降りていく。


おぉあんな所に村があったとはな…いってみようかの…


そうですね…行ってみましょう師匠…


二人の師弟は村へと来た。しかし、村の民家に火がついており二人は驚いた。

そして、火の民家の中から現れた大男がいた。


どうやら…奴があの民家を燃やしたらしいの…


大男は憎らしい微笑みを浮かべる。そして、村の大衆が次から次へと集まって来る。

青年…いや弟子が大男の前にでる。


弟子は大男に睨みを効かし、不機嫌なこと極まりないと言わんばかり殴りかかる。


くらいやがれ!!俺の修行の成果を…


弟子は一瞬で大男を倒す。大衆からは歓声が鳴り響く。しかし、大男が弟子の背後で立ちあがり弟子を押し潰す。


ぐはっしまっ…


大男はなお弟子を押し潰す。


ふむふむ…


仙人が大男に語りかける。


お主も技を磨いた者か…なるほどのぉ…じゃがしかし!!わしの力はそんなものではないわ!


仙人はありったけの力を注ぎ大地が唸るほどの強大な力を大男に浴びせる。大男は倒れこむ。

大衆からはより一層歓声があがる。弟子は起き上がり師匠を讃える。


しかし、師匠の様子がおかしいことに弟子が気づく。


師匠…


うぬぬ…ぐあぁぁぁぁ


なんと師匠が凶暴化したのだった。師匠は民家を荒らし、その力で雷を落とし、大地を揺らす。大衆は逃げて行く。その時弟子はあることに気づく。


そうか…俺たちの力は疲れが原因…そして…疲れると性格が…


変わる…それは師匠も例外じゃなかった…師匠は修行の成果で性格が変わらずに済んでいたのかと思ってた…でも違った………

ししょおぉぉう!!俺が助ける!!


弟子は師匠との闘いを決意する。師匠は暴走化していた。これを止められるのはもはや弟子しかいなかった。


くそぉ…どの技もきかねぇ…


くらえ!!俺は諦めないぞ!!師匠は…俺が助ける!!


弟子は幾度となく技を放つが師匠には効かなかった。


くそぉ!くそぉ!………駄目なのか…いや……

そうか…疲れを溜めればいいんだ…技を放ち続けるのではなく…溜める…


弟子は師匠の技を一心に受ける。ひたすら我慢を続けるのだった。


そして、師匠の放つ雷撃を浴びたその時だった。弟子は倒れこむ。


うっくそっやろうがぁ~~~へんてこじじぃ~


弟子は渾身の怒りを溜めた一撃を師匠に放つ。

師匠はその一撃を浴びて倒れこむ。


うっ弟子よ…すまない…わしは…


弟子が師匠を抱き抱える。


わしはのぉ…もともと性格が…


悪い…じゃから疲れを溜めて…性格を落ち着かせる方法を思いついた…しかし、暴走してしまってはな…うぅぅぅぅ……


泣かないで下さい師匠………俺…勘違いしてましたよ…師匠は普通の人から仙人ぽくなるのかと思ってました…

でも…実際は違いました…凶暴な人から仙人になるんですね…


誰にだって…あるんですね…意外な一面って

やつが…


わしは…変わりすぎじゃがな……ぐぉっほっほっ


二人はそのまま寝て疲れをとった。そして、弟子が起きる。


え?やばい二人とも寝てしまった。昨日は師匠も寝ていたはず…師匠は疲れていないと暴走してしまう…まずい!!


弟子が慌てているとうさぎを抱えた師匠が立っていた。


弟子よ!!このうさぎちゃんがいれば安心だ!!疲れていなくとも大丈夫だ!!


おぉそれは…良かったです!!


そして、師匠は全ての疲れた力を使い破壊された村を元通りにする。力を使い果たしてもうさぎがいることにより暴走はしない。


村人たちに非礼を詫びて、二人の師弟はうさぎと共に村を去っていく。


おわり

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