プロローグ
都市伝説というものを知っているだろうか。
有名なもので言うならば、「口裂け女」や「猿夢」等がこれに当たるだろう。
これ以外にも都市伝説というものは沢山ある、基本的な有名なものからそれが地域ごとによってバージョンが違ったりする。
これから俺は沢山の都市伝説を調査することになる。
それについては少し話すと長くなるが......
ある日、俺は街中でのほほんとまるで現実味を持っていないかのように歩いていた。
俺は借金を背負っていてもはや人生が現実だと思えていなかった。
そのため毎日野宿をして暮らしていたが、そんな時にある話が舞い込んできた。
どうやらこんな野宿の俺はスカウトを受けたらしい、何か全く分からなかったが、とりあえず何か怪しい壺か何かを売られるのではないかと思い、警戒をするがそれらしい素振りは全く見せなかった、どうやら本当にスカウトらしい。
スカウトだからアイドル系なのではないか......とは思ったが流石に違うらしく、どうやらある雑誌を作ってる会社の社員らしいが、今度から都市伝説物の話を連載予定らしいが人数不足らしくてとても間に合いそうにないらしい、なので猫の手でも借りたい状況だったらしい、それならば野宿の協力も欲しくなると。
それで俺はその雑誌の編集者から住むべき場所を提供された。
それは雑誌の編集部の近くのフロアの一室で基本的に急なお客が来た時、そしてお客の予定が長引いてここで一夜を明かさなくしていけないケースも昔あったそうで、その時の名残として残された部屋だそうで、風呂とトイレがついていたが、部屋自体は3畳程でトイレと風呂はいわゆるユニットバス形式で小さめで抑えられていた。
まぁ部屋としては小さめだけれども決して暮らせないというレベルでは無いし、部屋を貰って文句を言えるという立場でもないのでここで暮らすことにしよう。
という事情により、俺は様々な都市伝説の確認等を行うことになった。
というのが事情だが、早速何の都市伝説にしようか悩む。
そもそも都市伝説の定義というものだが、噂話、デマ、作り話という感じに信ぴょう性が薄い。
噂話ならともかく、デマや作り話だとその話は本当は存在しないので、恐怖系を求めるなら噂話が一番得策なのだが、いわゆる主婦の井戸端会議みたいに話に尾ひれが付いてるのが多い、だがそれについて噂話だからこそそれが尾ひれか見極めることは難しい、そもそも都市伝説にはこれはこういう感じなのではないかという説も存在しており、一つの都市伝説に対して、その都市伝説の正体はこうだ、倒し方はこうだなどと言ったように噂話が派生したりしている。
なので、一概に噂話は嘘とも言えずになんとも言えないことも多い。
なので、都市伝説探しというものは難航しやすいものだ、特に有名なものでも真相が不明なものもあるため、俺は身近な都市伝説を探すことにした。
都市伝説と言っても、最近近所で話題となってるローカルな噂話だ、こういう地域で伝わってる妖怪や怪談などの類いには近いがこれも都市伝説の一つと俺は判断している。
今まで色々な街を点々としていたので、色々な噂が耳に入ってきているが、そういえばこの会社の近くの商店街が、いわゆるシャッター商店街というものになっているのだが、どうやらその中に開かずのシャッターというものがあるらしい。
開かずのシャッターという名前なのでシャッターが開かないという事だ、これだけ聞けばシャッターの故障ではないかと思われるかもしれない、だがそれはちょっと違っていてどうやら何年も前からシャッターが開いたことがないらしい、しかし中からはまるで人がいるような生活音が聞こえるという感じだ、そこはシャッターしか入口がないのだ、つまり出入り口が閉じられてる状況で人が何年も生活をしている、流石に水道などは通っているはずなので水を飲むことはできると思われるが、食べ物が存在しない、沢山あったとしてもカップ麺等の長持ちする保存食などでない限りとっくに腐って食べれるものではなくなっている、つまり餓死・もしくは栄養失調状態でなければおかしい状態なのに生活音がしているという状態である、前に謎を説き明かすためにシャッターを開けようという試みも行われた事があったが、町一番の力持ちが持ち上げようとしたら、見事に開かなかった。
つまり、本当に開かない、ちなみに町一番の力持ちは100kgのダンベルを12時間持ち続けるという筋力お化けなので、むしろそいつの存在も都市伝説じゃないかと思ったが、さすがにそれを記事にすると名誉棄損になってしまうという簡単な結論に達しているために行わない。
という感じで、これが開かずのシャッターの話の概要なんだが、何故人の生活音が聞こえるのか、そして開かずのシャッターが生まれた理由とは一体何だったのかというのが気になると思うので、明日あたりに現地調査を行いたいと思っている。
明日の現地調査はシャッター商店街の人への聞き込みや本当に開かないのかシャッターを調べてみるなど行いたいと思う。
記事用のメモには開かずのシャッターの内容と明日の行動予定を書き記しておこうかと思う。