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ただのトラック転移で異世界観光  作者: 都築優
भारत गणराज्य (Republic of India) currency:India Rupee(INR/Rs) rate:1.5/JPY
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天竺についた

学園編に突入してエタるパターンを、執筆内時間でなくリアル時間で踏襲してますごめんなさい☆



 どうやらチェックインをしていなかったらしくて、宿を出るときお前いつ来たんだと言われた。


 は?

 二週間くらいずっといたのに何で誰も気づかないんだよ。

 スキンヘッドに弁髪にした筋肉質(マッチョ)でファンキーな、多分お姐ちゃん。それが宿帳を見ながら迷惑そうな顔で詰めてくる。


 てかチェックアウトせずにこっそり出たら誰も気付かなかったんじゃね? これ。


 苦笑いしながら多分このへん、と日付けの上を指差す。

 こっちだって別に覚えてねえんだよ、適当に旅行してんだから。と、傲慢な態度は崩さないように頑張った。

 タイ人が適当なのか、チェックインをしなかった、というかそんなシステム知らなかった俺がいけないのか。でもでもだって誰も教えてくれなかったんだから仕方ないじゃない、とそう強く主張したい。


 ごまかす事も出来ただろうけど出来る限り思い出して正確に、なんとか支払いを済ませて、さっさと空港に向かう。

 一泊が150バーツ、450円少々なので二週間でも2100バーツ。日本円にして6000円くらいにしかならない計算だ。ケチる必要性がない。一月の家賃で12000円だと考えたら日本ではありえないほどの破格だと思う。超汚いけど。



 最寄り駅まで4〜5キロ歩いて、そっからモノレールが出ている。

 切符なんていう過去の遺物なんかじゃなくて、青色のトークンを購入して乗車する。ゲームなんかでよくある奴だ。VRMMO顔負けの現実だ。

 で、18時間くらい空港でダラダラしてスパイスジェットとかいう辛そうな飛行機に乗って翌日の朝7時くらいにインドに着いた。



 コルカタ、旧名カルカッタ。

 社会科の授業のお勉強でしか、かつて耳にした事がなかった。そこに、今から行く。

 一泊空港で過ごして早朝出発だった。


 バンコクには空港が二つあって、古い方からの出発だった。

 

 知らない日本人勇者達が集団で、隅の方の地べたに座って恐怖! インドにやられた旅行者達の話を再演している。

 混ざるのも面倒だったので話しかけもしなかった。


 出発時間まで椅子でうとうとして、1時間前に出国カウンターに向かう。どこへ消えたのかもう他の日本人勇者達はいない。


 一緒の飛行機にはインド人しか乗ってなくて超怖かった。色黒だし、ヒゲ濃いし、顔濃いし、二、三人ならまあ許せるけど周り全員だとこわい。

 搭乗の時から、スパイスジェットの乗客は空港のコンセントから勝手に電気を取って携帯とかスマホを充電してるし、顔黒ロン髭で目力強くて、何喋ってるか分からない。


 我慢する事数時間。感覚的すぐ着いたのは現実逃避で寝てたからだと思う。


 朝7時くらい。

 言わずと知れたインドの通貨、ルピーは国外持ち出し禁止だそうで、空港の両替所はボッタクリだ。

 200ルピーくらい師匠に貰っていたのでそんなところでは替えない。

 ただ、200ルピーがなんぼ程の価値があるのかが不明だった。


 インド人たちはLCC、格安航空会社であるところのスパイスジェットの文句ばっかり言っている。もう二度と乗ってやんねぇ! とか、なんで食事出ねーんだよ! とか。安いんだから仕方ないじゃない、と思う自分がむしろ国際的感覚に劣っている気がしてくる。


 入国管理のカウンターまでてくてく歩いて、列に並ぶ。

 本来なら帰りの飛行機チケットを提示してインド国内での宿泊先を言わないと、入国審査が通らないらしい。


 でも、どっちもない。


 帰りのチケットなんか後で買うつもりだったし、宿泊先を書いたメモは空港預けの荷物の中で、手荷物にはないし、インドの住所なんてややこしくて覚えてる筈がない。なんとかなるやろと甘く見ていた。


「やってもた」


 入国管理のおっさんが詰め寄ってくる。

 汝は何者なりや、何処より来たりて何処へ行かん。


 知らねーよ。

 適当だよ!


 で、30分くらい議論して、英語の勉強の為にインドを訪れて各種学校を見て回る旨を説明した。英語が流暢に喋れないのは厳しい、頼りになるのはただ、気合いのみ。


 インドのコルカタ空港ではWi-Fiが使えなかったので、インドに転移を希望する人は注意した方がいい。空港で調べればなんとかなるだろうという甘い目論見は通用しないのだ。


「僕は悪い転移者じゃないよ?」


 と、ボディーランゲージでぷるぷる震えながら説明する。


「しゃーないのう、これからは気い付けや」


 入国書類におっさんの言った通り適当な事を書いて、なんかちょっと怒られた感じで解放された。


 なんとかなった。


 でもこれは運が良かっただけだと思うので、これから転移をしたい人にはお勧めしない。


 同じ飛行機だったインド人の乗客たちはとっくにいなかった。

 預かり荷物のぐるぐる回ってるとこにはもう、俺の鞄しかない。


 むしろ荷物が盗まれずに残っていた事こそがラッキーじゃないの、これ。


 一度出たら戻れないのがコルカタ空港、荷物を抱えてしばらく近辺をさまようしかない。食事をするところくらいはあるけど、ここからどう動けばいいのかアイハブノーアイデアだった。


 で、空港からコルカタ市内までは16キロ程距離があるらしい。

 バスが分からなかったので歩いた。

 タクシー? オート力車? 絶対ボラれるでしょ、お金ないし。

 4時間あれば着くし。


 そこで俺ははじめてインドちゃんの歓迎を受ける事になる。


 軽いジャブみたいなものだ。


 道路が、全部水没していた。












※予告※

歓迎してくれるインドちゃん。街並みも人波もまるで違うまさに異世界、ワンダーランド。


次回「コルカタで食べたカレーは甘』うーん、この味この香り。長渕兄貴俺もインド来たっすよーバラナシなんて絶対行かないけどッ!

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