エピローグ:自業自得で自縄自縛
色々とあった華凜ちゃんの突撃も終わりを迎えた…かに見えた休日。特に予定もないので部屋でゆっくりしていたのだが、何やらにわかに騒がしい。玄関から戸が開け放たれる音が聞こえたので誰か来たようだが。
様子を見に行こうかと、体を起こしかけたところで、何やらどたどたとした元気な足音と、「なぁあああ!?」と言う愛希の叫び声のような声が聞こえてきた。そして、
「しんいちおにいちゃん!」
ノックも無しに開け放たれたドアから、華凜ちゃんが飛び込んできた。
「はぁ…はぁ…」
そして、それに遅れて愛希が息を切らして追いかけてきた。
まあそれなりに予想外ではあった。華凜ちゃんは基本的に礼儀正しい、いい子なのだ。ノックくらいはしてくると思っていたのだが。
「はっはっは。たまにはいいだろうこういうのも。迷惑だったか?」
そして当然のように荷物を持って現れる友助である。
「いや、そんなことはない」
「えへへよかった!」
不躾な態度に若干これでいいのかと不安だったのかちょっと困ってそうだった華凜ちゃんの頭を撫でてやる。
「一体どうして…」
「うん? 何だ。別にあれで終わりだと言った覚えはないのだが…そうだろう?」
愛希の質問に対し、友助は努めて笑いながら答えた。してやったりと言う顔をしているようだがどうやら微塵も怒ってはいないようだ。というか昇華させてさらに面倒になっている感じがする。
友助に対し愛希は言葉を詰まらせ、しかしうぐぐと不満そうに唸った。
「そうだな。急いで答えなど出す必要は無い。後に何故そんなことにこだわっていたのかと笑ってしまうようなこと。許されるのであればそんなものに対し、迷走したり、大いに悩んだり、切り取るように少しずつ消化したり、ゆっくりと進んでいけばいいだろう」
「何の話だ?」
「さてな。もしかしたらあらゆる事柄に通ずる話やも知れんな。まあそんなことはどうだってよかろうさ」
「て、まさか華凜ちゃんまたバカ兄貴の部屋に泊まる気!?」
「「「え?」」」
「おい何で私以外の全員が不思議そうな顔してるんだ」
「むぅ。ならかりんおねえちゃんもいっしょにくればいいんだよ」
その発想はなかった。というか華凜ちゃんという人様から預かった大切な娘さんがいることに変わりはないのにそれで何かが解決するんだろうか。
「するともさ。そのような倫理的な問題など本来ならどうでもいいのだからな」
くくくと友助は笑う。
「私が…バカ兄貴と…? いや、この前だって…でもあれは勢いで…えっと…ええっと…」
そして愛希は、声にならない叫び声を上げて
「…えっとダメ! とりあえず、今回は私の部屋に泊まること」
「えぇ!? そんなぁ」
「いいから来る!」
「むぅ、しんいちおにいちゃん! またあとでね!」
再び日常が始まる。いや、正確に言えば色々変わっていってるのだが。
けれどこうして色々と受け入れて、少しずつ変わって、そんな風に。俺達は今日も生きていく。
タイトルについての補足。ある意味で愛希にとって一番厄介な華凜との決着をつけなかったせいで容赦しなくなった士道兄妹が包囲網を狭めてくるというお話。
果たして士道華凜はヒロインになれるのか!?(勝手にしろ




