#31 運命の日
真琴と美穂から星の国の子供たちの異変を聞き、いよいよ僕らは居ても立ってもいられず、3人で集まり、計画を立てていた。
「これで、ルインに辿り着けるかな?」
「これがないと、真美施設長は絶対困るはずだから。」
「そうだな。少なくとも社長には会えるはず。
」
──もうこの方法しかない。
3人は机の上に置いたCDを見つめた。
真琴と美穂と別れた帰り道。
──今日も社長は来なかったな…。本当は直接言いたかった。何故、あんなCDを僕に任せたのか?そして、あのCDに込めた想いは何だったのか?
そんな総一の想いもむなしく、運命の日を迎えたのだった。
「あれ?ない。あのCDがない。」
昼下がりの星の国。
「真美施設長?あのCDが見当たらないです。」
「え?どういう事?ちゃんと管理しておかないとダメじゃない?」
「すみません。」
「どうしよう。あのCDがないと、子供たちがゆっくりお休みできないじゃない。」
「…。」
「雨宮社長に新しいのをもらいに行くから、ちょっと待っててくれる?」
──よし、作戦通り。
星の国を出た、幸田真美の後を付ける真琴と美穂。後で問題になることは分かっていた。
しかし、そんな些細なことでは、止まらない想いが二人を動かした。
電話をかけ、駅まで歩くと電車に乗った幸田真美は、2駅先で降り、やがて一軒の家のインターフォンを押した。
中から出てきたのは── 雨宮琉衣──。
「間違いなく社長よね?」
「あぁ…。」
僕は真琴からの連絡を受け、二人と合流し、CDを手渡す一部始終を複雑な想いで見届けた。
「で、どうしよう?」
「何、急にあたふたしてんのよ?」
「ほら、あんたが行ってきなさいよ。男でしょ?」
幸田施設長がCDを受けとり、いなくなったのを見計らって、真琴に言われるがまま、雨宮社長の家の門へと向かう。
──いよいよ、社長に言うのか。
緊張が最高潮のまま、インターフォンを鳴らす。やがて、聞き慣れた声がスピーカーから聞こえた。
「はい。どちら様ですか?」
「突然ですみません。栂屋です。」
「え?栂屋くん?どうしたの??」
「社長に話したいことがあって来ました。」
「え?でも、まだ体調がまだ思わしくないから、今度でもいいかな?」
──社長、もう嘘は吐かないで下さい。
「社長?社長は 水沢琉生という名前はご存じないですか?」
僕の言葉に返答がないまま「ブチッ」という音を立てて、スピーカーはオフになったようだ。
やがて、扉が開き、社長が顔を見せる。
「お久しぶりです。雨宮社長。」
「えぇ。久しぶりね。」
「本当に突然ですみません…。」
「いいのよ。私こそ、ごめんなさい。迷惑かけて。」
「社長、改めて聞きます。社長は水沢琉生 なんですか?」
そこまで僕が言うと──中で話そうか?──と、社長は僕を家の中へと招き入れた。




