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ZERO 第一部  作者: 栂屋総一
ZERO 第1部 栂屋総一編
31/37

#31 運命の日

真琴と美穂から星の国の子供たちの異変を聞き、いよいよ僕らは居ても立ってもいられず、3人で集まり、計画を立てていた。


「これで、ルインに辿り着けるかな?」


「これがないと、真美施設長は絶対困るはずだから。」


「そうだな。少なくとも社長には会えるはず。


──もうこの方法しかない。


3人は机の上に置いたCDを見つめた。


真琴と美穂と別れた帰り道。


──今日も社長は来なかったな…。本当は直接言いたかった。何故、あんなCDを僕に任せたのか?そして、あのCDに込めた想いは何だったのか?


そんな総一の想いもむなしく、運命の日を迎えたのだった。


「あれ?ない。あのCDがない。」


昼下がりの星の国。


「真美施設長?あのCDが見当たらないです。」


「え?どういう事?ちゃんと管理しておかないとダメじゃない?」


「すみません。」


「どうしよう。あのCDがないと、子供たちがゆっくりお休みできないじゃない。」


「…。」


「雨宮社長に新しいのをもらいに行くから、ちょっと待っててくれる?」


──よし、作戦通り。


星の国を出た、幸田真美の後を付ける真琴と美穂。後で問題になることは分かっていた。


しかし、そんな些細なことでは、止まらない想いが二人を動かした。


電話をかけ、駅まで歩くと電車に乗った幸田真美は、2駅先で降り、やがて一軒の家のインターフォンを押した。


中から出てきたのは── 雨宮琉衣──。


「間違いなく社長よね?」


「あぁ…。」


僕は真琴からの連絡を受け、二人と合流し、CDを手渡す一部始終を複雑な想いで見届けた。


「で、どうしよう?」


「何、急にあたふたしてんのよ?」


「ほら、あんたが行ってきなさいよ。男でしょ?」


幸田施設長がCDを受けとり、いなくなったのを見計らって、真琴に言われるがまま、雨宮社長の家の門へと向かう。


──いよいよ、社長に言うのか。


緊張が最高潮のまま、インターフォンを鳴らす。やがて、聞き慣れた声がスピーカーから聞こえた。


「はい。どちら様ですか?」


「突然ですみません。栂屋です。」


「え?栂屋くん?どうしたの??」


「社長に話したいことがあって来ました。」


「え?でも、まだ体調がまだ思わしくないから、今度でもいいかな?」


──社長、もう嘘は吐かないで下さい。


「社長?社長は 水沢琉生という名前はご存じないですか?」


僕の言葉に返答がないまま「ブチッ」という音を立てて、スピーカーはオフになったようだ。


やがて、扉が開き、社長が顔を見せる。


「お久しぶりです。雨宮社長。」


「えぇ。久しぶりね。」


「本当に突然ですみません…。」


「いいのよ。私こそ、ごめんなさい。迷惑かけて。」


「社長、改めて聞きます。社長は水沢琉生 なんですか?」


そこまで僕が言うと──中で話そうか?──と、社長は僕を家の中へと招き入れた。

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