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ZERO 第一部  作者: 栂屋総一
ZERO 第1部 栂屋総一編
13/37

#13 紙約束と神約束

「あれ?社長は?」


真琴と美穂と会い、ルインについて社長に聞こうと思っていたが、出勤していない様子。


「栂ちゃん、知ってる?いよいよ、結婚禁止令が施行されるみたいだよ。」


社長がいるいないに関わらず、雄二はいつも通りのマイペース。


「そうなんだ。」


僕はそもそも結婚に興味がなかった為、そしてルインについて進展出来ない焦りから、愛想のない返事をしてしまい、それに雄二は敏感に反応した。


「え?栂ちゃんはこのニュースに興味ないの?」


「え?あ、あぁ。結婚願望とかなくてさ。」


「そうなんだ!俺はさ彼女が年上で、結婚を夢見てたような人だから、もう凹んじゃって大変なんだよ。」


「結婚って神約束だろ?いや、紙約束か?」


なんて、僕が笑い飛ばすと


「でも、子供は欲しいじゃん?」


「結婚しなくても作ればいいんじゃないの?」


「そっか。」と言って、雄二は何やら考え込んでいる。


僕は結婚禁止令を推奨している訳ではない。


ただ、結婚に夢を抱くなんて、有り得ないとは思っている。


結婚して良い事はあるのか?

みんなが結婚するから?

結婚しろって言われるから?


暗黙のルールみたいになってるような気がして、ちょっと嫌気がさす。


「ところでさ、雄二はルインって知ってる?」


「あ、あのCDの人だよね?」


「そう。何か知らないか?」


「全然。聞いたこともないよ。」


僕もネットなどで調べたが、全く情報がない。


「社長に聞けばいいんじゃない?」


――いや、だからその社長に会えないから――と言いかけたが、お互いに業務に戻った。


僕の頭の中で「ルイン」という名と共に「あのCDのメロディ」がグルグルと巡る。

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