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見習い冒険者の森

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 これからこの「カナン」を目指す冒険者よ、

 「カナン」は楽園ではないかもしれないが、

 強い気持ち「ヤヌス」を具現化できる地である。

 どうか心豊かに、優しさと慈悲を持って訪れてほしい。

 さすれば、いつかこの地は本当の楽園となるだろう。




                歴史教科書P158


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 教科書を読み終えたオレの間隣の生徒は自信満々に椅子へ腰を下ろした。こいつはこの世界へ来るずっと前からの知り合いで、だけどリアルの知り合いではなかった。

 この教室で唯一歴史が得意なこいつの名前はリク。こっちの世界の創世記から全て記憶していた。ただ、こいつがこのクラスで優等生扱いを受けるのは頭がいいからじゃない。ただのゲーマーだからだ。

 3日前、オレら冒険者がこの世界に召喚された。何故こんなことが起きたのか不思議だったけれど、自分たちを歓迎してくれたこの国の扱いや、この世界にオレたちみたいな冒険者を養成する学校がある所から、こういうのに慣れているんだなと思った。

 「なーヒロ。職業決めた?」

 オレの名前は野々宮広樹。確かゲーム当初はネーム決めで苦戦して結局なにももじらずにそのまんなな名前にしたっけな。リクは大地って名前をもじったって聞いた。なんかカッコいい。

 「もちろんな。そういうリクは?」

 RPG時代から一途だったオレの職業はファイター。詠唱を必要とする魔術はオレには向いていなかった…のが事実。リクは魔法攻撃重視のメイジだったっけ。

 そうこうしているうちに午後の授業も終わり、ほろほろと教室から人影がいなくなっていた。

 「そろそろ僕らも寮へ行こうか」

 オレはまだ慣れない木造の校舎を後にした。




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