そこにいたのは馬鹿な俺だった。
しばらく、その場に立ち尽くしていたと言うより放心状態で突っ立っていた。やがて、俺は、言ってしまったことを後悔しながらもとぼとぼと家路についた。いつもは何かと寄り道する俺だったが、この日は、まっすぐ家に帰っていた。そして、部屋にいても、何も手に就かず一人ベットの上でのた打ち回っていた。その時に机の上の携帯の着信音が鳴った。メールだ。恐る恐る携帯をあけるとやはり真里菜からだった。そこには、
「バカ」
ただそだけが書かれていた。携帯を見て震える俺は、思わず叫んで、ベットにドスンと倒れこんだ。
「あーー!!」
その時だった、バタンとドアが開いた。そこには、母と妹の理恵が怒った顔をしていた。
「うるさい!!!」
それから数日間、俺は真里菜と会うことはなかったというかどんな顔をして会えばいいのか。そう考えると見かけると思わず身を隠していた。
なぜ?
おれが
隠れる必要があるんだ?
そこには真里菜の顔を素直に見れない俺がいた。しかし、誰にも言えない。そんなことが頭を離れないまま、廊下を歩いているとばったりと真里菜に会った。あ~!!誰か助けてくれ!!どうしたらいいんだ!!俺の心の叫びをよそに何とか出せた言葉が
「真里菜・・・おはよう」
そんな俺の必死な言葉に真里菜はプイッと顔を背け簡単に答えた。
「おはよ!!」
そういい残し、すっと俺の横を抜けていった。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
なんだ・・・
一体なんだ?・・・
この寂しいというか虚しいというか・・・
この孤独感・・・・
お・・・おれは・・・ま・・・真里菜のこと・・・
そう思っても手遅れかそう考えながらこの日も下校の時間が来た。
ふと目の前を見るとまた真里菜がいた・・・
思わず身を隠す俺。そして、ある男子が真里菜に近づくこの間告白していた奴だ・・・奴は真里菜にやけに馴れ馴れしく話しかけていた。その光景を見ていたら、俺はあることを望んでいた。
真里菜・・・断ってくれ・・・
俺の祈りが届いたのかこの日も真里菜はその男子の誘いを断った。
そこにはほっと胸をなでおろす俺がいた。