ファーストキス
「あきらさん・・・いい?」
そう言ってすでに家に入ってきている真里菜、彼女は幼馴染で親友の雄太の妹で小さいと時からよく遊んだ仲で俺にとっても妹みたいな存在だった。―――――彼女も今や俺と同じ高校に通う女子高生、しかも学校では可愛いいと評判で俺にまで紹介しとと言ってくる奴が出る程だった。―――――そんな彼女が俺の目の前でDVD片手に玄関で靴を脱いでいた。その様子を見ていた俺は思わず真里菜に聞いてしまった。
「いいけど、お前んちDVDないのか?」
「あるんだけど、アニキに見られるのがはずかしくって」
「アニキだと恥ずかしくって俺だといいのか」
俺の質問にウンと頷く真里菜、どうも俺も彼女の行動に弱いのか
「しゃぁないな・・」
「やったぁ!!」
そう言ってDVDを持って俺の部屋に走って行く真里菜、しばらくして部屋に行くと真里菜はすでにDVDを見ていた。これがいつもの光景といえば、それまでだが、この日は俺の一言が真里菜を怒らせてしまった。
俺の横でDVDを見ている真里菜・・・ちらっと見るとかなりかわいくなっている。真里菜ってこんなんだったっけ?そう思っていると俺の視線に気付いたのか真里菜チラチラと俺の方へ数回目をむけた。そして俺と目があったとたん話しかけてきた。
「あきらさん。どうしたの?」
「あっ・・いや・・」
俺は思わず目をそらし、どもってしまった。
「あっ?ひょっとしてHなこと考えてるの?」
どき!!!な・・何を言ってるんだ真里菜・・・俺はそんなつもりはまったくないのだがその真里菜の口から”Hな”という言葉が出てくるとは?―――――はっきり言って俺は焦っていた。
「そ・・そんな・・こ・・ことない・・だいたい・・真里菜は俺の妹みたいな感じだし・・」
そう話した時、「そう・・」とつぶやいた真里菜は俯いて黙り込んでしまった。そして、膝を立て両手で抱え込こんだ。そして、DVDをじーっと見ていた。
ふと真里菜のことが気になり、DVDを見ている横顔をチラッと見た。その目には涙を浮かべていた。俺は思わずポツリとつぶやいた。
「ごめん・・・いいすぎた」
その言葉を聞いた真里菜は、再び俯き手で涙をぬぐって、俺の方を向いて聞いてきた。
「あきらさん・・わたし・・・妹なの?」
「あ・・いや・・・それは・・・」
「じゃぁ・・」
「さっき、真里菜がHなんていうから・・動揺してだな」
そうだお前があんなことを言わなければ、おれも変なこと言わなくてすんだんだ!!そう思いつつも真里菜の顔が見れない俺は、DVDの方へ視線を向けた。
その時だった。
真里菜が俺の肩に手を置いて話しかけてきた。
「あきらさんっ!!」
声がする方を向いた俺は驚いた。
真里菜の顔のドアップがそこにあった。しばらく固まる俺・・・・
し・・しかも・・・真里菜の奴、おれの肩に両手をチョンと置いて・・・
しかも上目使いでこっちを見ているし・・・
か・・・かわいい・・・
「は・・・」
思わずテレビの方を向いてしまった。俺は、画面を見て驚いた。
ちょうどキスシーンが・・・・
「あきらさん~てば~」
軽くをおれの肩をゆする真里菜・・・その声に、ゆっくりと首を動かし真里菜を見た
しばらく見ていると・・・真里菜は目を閉じた。
おれ・・・どうしたらいいんだ・・・
真里菜の顔が近づいてきた。
俺も思わず目をつぶった。そして、唇にやわらかい感触が・・・・
しばらく続いた。
唇が離れたら息を呑む俺・・・こ・・声のかけ方がわからない・・・
真里菜の少し頬を赤らめ両手で自分の口を覆った。
なんてしぐさするんだ。
真里菜は目をうるませ・・・くるっと振り向いた。
そして立ち上がりこうつぶやいた。
「わたしのファーストキスだから・・・」
そういい残して、真里菜は部屋を出て行った。
部屋に取り残された俺は、しばらく放心状態だった。