謎の新入部員は意外な人
前回見学を希望していたのは誰なのか!?
「君、名前は?私は上村星花だよ!」
私は新たに見学したいと来てくれた子に自己紹介をする。
「あ、えーと、私はに、西木ゆう菜です」
「へぇ、ゆう菜ちゃんか、可愛い名前だね!」
言いながら座ると私はひかに耳打ちする。
「なんか、見たことがあるような気がしない?」
「そうかな?」
ひかは感じないようで不思議そうにしている。
(気のせいかな?)
私は既視感を感じながらもとりあえず話を進める事にした。
「えーと、とりあえずこの同好会の方針としてはあくまでもバンドを組むと言うよりはみんなで自由なタイミングに合わせたり、一人で練習したり、同じ音楽が好きなみんなで自由に出来ればなって思ってます」
私は考えていた方針を言ってみる。
「ちょっと良い?」
ひかが手を挙げる。
「何?」
「基本はそれでいくとしてもこれだけ人数も集まったし、数人で固まるのも良いんじゃない?」
「要するにユニットってことか?」
「うん。そんな感じ」
彩葉ちゃんの言葉にひかが頷く
「確かに。学園祭とかに出るんだったらその方が…良さそう……」
玲奈ちゃんが小さい声だけど言う。
「え!?学園祭も出るの?」
茜ちゃんが嬉しそうに話に乗ってくる。
「え、まぁ一応、確か学園祭に出るのって申請がいるよね?」
私はひかに聞こうとする。
「"ブッブーです!"そんな事も知らないで同好会を作っていたんですか!?」
ゆう菜ちゃんが驚いた様に声を上げる。
「ブッブーってあぁ!生徒会長!?」
私はモヤモヤしていた答えが分かって思わず声を上げる。
「あっ…」
ゆう菜ちゃんはしまったとばかりに口を押さえた。
「生徒会長のままでと言うのもなんか気恥ずかしくてだったらいっその事他人になりきっちゃおうと」
生徒会室で見た栞会長とは別人のような申し訳なさそうな表情の会長が珍しいなと私は思う。
「へぇ私はいいと思うけどな」
私は思った事を言ってみる。
「確かに。面白いしありだと思うけどな。芸名的な感じで。アニメでもそう言うキャラ居たし」
「そうだよ!面白いし」
茜ちゃんも賛成らしい。玲奈ちゃんも隣でコックリと頷いている。
ひかはオタク程では無いが良くアニメを観ているのもあってか私よりも詳しい気がする。
「そうなんです!私もアニメを見てやってみようと思ったんです!」
「えーとそれって優木せ……」
「そうです!その子も私と同じで生徒会長で…」
ひかの言葉を遮って会長はオタクあるあるの早口が発動しているのを私は驚きの目で見ているしか無かった。
「と、とりあえず会長も入部するって事で良いのかな?」
「はい!」
こうして部員が6人になった。
~次の日~
今日は土曜日だが、同好会のみんなと集まっていた。
と言っても部活と言うよりは親睦会のような感じなので部室では無く誰かの家でやろうと言う事になり、親が丁度仕事で居ないと言うひかの家でしようと言う事になった。
そして私達はひかの部屋で机を囲むように座っていた。
「みんなパン焼いたんだけど食べる?」
「「「おぉ!?」」」
私以外は驚きの目でひかが皿に乗せて持ってきたクロワッサンと"チョココロネ"を見ている。
「ひかのパンは美味しいよ」
私は自信満々に言う。
そう、私はよく昔からひかやひかのお母さんが作るパンを食べさせてもらっていたのでよく知っているのだ。
「それじゃ」
「いただきます」
ゆう菜ちゃんと茜ちゃんはクロワッサンを、彩葉ちゃんと玲奈ちゃんはチョココロネを手に取ると食べる。
「美味しい!」
「美味しいですね」
「美味しい…です……」
みんなから絶賛の声が上がる。
そんなこんな私達は1つの話し合いを始めた。
「で、昨日言ってたユニット?別けについてなんだけど……」
「私は玲奈とやりたい!」
茜ちゃんが一番に手を挙げる。
「えーとじゃあゆう菜ちゃんは?」
私は聞いてみる。
「えーと、どちらでも良いですよ」
ゆう菜ちゃんはあっさりと言う。
「彩葉ちゃんは?」
「うーん、まぁ星花やひかとやれるならその方が良いな」
彩葉ちゃんは少し照れたように俯きながら言う。
「じゃあ、私、ひか、彩葉ちゃんとゆう菜ちゃん、玲奈ちゃん、茜ちゃんって感じはどうかな?」
「私は良いよ。それで」
「私も大丈夫です!」
ひかやゆう菜ちゃんが頷く。
「大丈夫…です」
「OK!」
玲奈ちゃんや茜ちゃんもいいみたい。
「で、名前はどうするんだよ?」
彩葉ちゃんが聞いてくる。
「うーん……あっ」
「私とひかと彩葉ちゃんの名前を英語にしてカラースターシャイン!とか」
「良いんじゃない?カッコいいし」
「あぁそうだな」
彩葉ちゃんも納得してくれたみたい。
「ゆう菜ちゃん達はどうする?」
「えーとうーん、じゃあ私達も名前をから取って、A·RE·NAとかどうでしょう?」
「良い…と思う」
「良いと思うよー!」
玲奈ちゃんと茜ちゃんが賛成する。
こうして私達の同好会のユニット分けが終わった。
~帰り道~
「またね〜」
「バイバイ〜」
茜ちゃんと玲奈ちゃんに手を振る。
私はゆう菜……いや栞会長と引き続き歩く。
「そう言えば栞先輩って昔からバンドとかに興味があったなら自分で軽音部とか作ったら良かったんじゃ……」
私が聞くと栞先輩は遠くを見ながら言う。
「まぁ、そうなんだけどね…」
「私のお姉ちゃんはバンドでドラムをやってたんです。それでバンド…音楽に興味を持ったのですが、私が高校に入ったタイミングでなんか揉めたとかでお姉ちゃんがバンドをやめてしまって……それで音楽に不信感…と言うのでしょうか?それを感じてしまって一歩を踏み出せなくて……でもそんな時にあなたがガールズバンド同好会の申請書を持ってきて…ここならって思えたんです」
栞先輩は一息吸うと言う。
「まぁ他人になりきって入部したのはさっき話した不信感も理由の一つなんです。だから自分の中で音楽への思いが変わったら…そうしたら本名でも良いかなとは思ってるんですけどね」
栞先輩はフッと頰を緩める。
「と言う事は栞先輩って結構ドラム出来るんですか?」
「まぁ、基本は出来るけど…どうして?」
「いや、その、私ドラム初めたばかりで良かったら教えて欲しいなって」
栞先輩は一瞬驚いた顔をすると言う。
「うん。私で良かったら教えるよ」
「本当ですか!ありがとうございます。し…いえゆう菜先輩」
「あっ…どういたしまして」
ゆう菜先輩は私の言葉の意図に気付いてか笑った。
最後までお読み頂きありがうございます!
今回1話から大幅に描き直してかなり設定が変わったりしています。これからもよろしくお願いします!




