八
あの後、注文したケーキやらクリームソーダに舌鼓を打ち、近所にあった中規模の遊園地で遊び尽くしたりと学生なりの豪遊をした。
そんな平和な日本とうってかわって、こっちじゃ戦争だ。何をどうするか詳しくは知らん。作戦の要なのに。
「知らされてないってことは好きにして良いってことだよね」
「止めろ」
魔王ちゃんがしかめっ面になっちゃった。笑顔のがかわいいのに。ほーら、笑って笑って。
「貴様が話を聞いていなかっただけだろうが」
「兵法を交えて説明されても難しくて分かんない。それに話長かったし。もっと簡単に言ってよ」
「ハァ…貴様のすることは勇者の分断だ。初めの会議で自分が提案したことだろう」
「分断前のネタバラシはして良いの?」
「貴様の話を元に脅威度のランクを作成した。資料が配られただろう。その上から12名を指定の場所に『転移』させてからならしても良い。…というか、本当に何も聞いていなかったのだな…」
あー、ふむふむ?相沢くん、吉田ちゃん、上野ちゃん、橋本ちゃん、小宮くん、伊達ちゃん、増井くん、富内くん、森くん、三浦ちゃん、大崎ちゃん、根岸くん、ね。
「りょーかい。全員の絶望顔が見れないのは残念だけど、マァいっぺんに相手して勝てるとは思ってないし、しょうがないか」
「貴様は変わらないな」
変わらないよ、異世界召喚される前からずっと。
「魔王ちゃんは変わったよね」
おや、不満げな顔。
「エヴェンリア・マオルカ!!」
「?」
「私の名だ!…その呼び名は、止めろ。名前で呼べ」
「エヴェンリアちゃん…長い。エリーちゃんね」
「なっ、貴様!私に愛称を付けるなど…!」
「俺は前園優希」
「は、」
「優希が名前ね」
「っ!」
「名前で呼んでくれないの?」
「う…」
頬を赤く染めてもぞもぞしていたエリーちゃんの顔をじっと覗き込んでいると、観念したのか蚊の鳴くような声で呟いた。
「……………ユウ、キ」
「良くできました~」
「子供扱いするな!」
「じゃあ、どういう風に扱われたい?」
「そ、それは…」
ぶっちゃけ、もう好感度が高いことは目に見えてるし、どう転んでも良いんだよね。
恋か友情か、好きに選んで。
「わ、私を、私と、」
うん。
「親友になってくれないか!?」
了解、じゃあそうしよう。
「良いよ。魔王も勇者も関係ない、対等な親友になろう」
「…!」
「行くよ、エリーちゃん。作戦開始だ」
「あぁ…!ユウキ、行こう!」
流れを大事にしたいぼく「前話で互いに友達扱いしてるのに『恋か友情か』って前園が考えてるのおかしくないか?」
とにかく思い付いた表現を使いたいぼく「前園としては手っ取り早く好感度上げるために最初から恋愛的なアプローチの仕方をしてたのでおかしくないです」