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【完結】buddy ~絆の物語~  作者: AYANO
大人編
107/112

エピローグ

残暑がまだまだ色濃く残る9月下旬。

6人は何年振りかに、風見川の河川敷にやってきた。

時刻は平日の13時をまわった頃。河川敷で遊ぶ子供たちはまだおらず、6人は貸し切り状態の河川敷に、久しぶりにテンションが上がっていた。


「うわぁ!なんにも変わらないなここは!」

「あれ?こんなに狭かったっけ?もっと広かったような.....」

「俺らがデカくなったんだよ」

「ねーねーせっかくだから、下りてみようよー」

「あそこにボールが落ちてるよ」

「久しぶりに勝負するか?」

6人はまるで20年前に戻ったように、河川敷へと続く階段を駆け下りる。


風見川の川幅は変わっていないはずなのに、どうしてもあの頃よりも狭くなったように感じる。

右手に見える大鳥橋も、もっと長いと思ったが、今見るととても短い。

「なんだろう.....懐かしい場所なのに、違うところのように感じる」

「あの頃とは見る視線も変わっているしな。思い出の中の河川敷は、多少美化されたり、大きく見せたりするのかもな」

そんなことを話しながら、6人は大鳥橋の下までやってきた。


「ここは覚えてるよー。みんなでシャーベット食べたところ!」

「誠の結婚式で写真を出されるまでは、忘れてたんだけどな」

「元木さん、よくあんなの残してたよね」

「あの写真以外にもいろいろあったけど、あれが一番良かったんだよ」

「誠、あれ以外にも見せてもらったの⁉」

「ああ。まだ持ってるはずだから、今度見せてもらえば?」

「それはそれで、コワイ......」

「パンドラの箱は開けないに越したことはないよ」

誠以外の5人は、パンドラの箱を開けずに、そっとすることにした。


元木が仕事の電話を終えて土手に上がると、河川敷に落ちていたゴムボールでドッジボールをしている6人が目に入った。

「あいつら......」

30歳になったのによくやるよと思いながらふと、6人をスカウトした時のことを思い出す。


あの時は、父親の命で「原石を探してこい」なんて、無茶なことを言われて途方に暮れていたけど、ここであの6人を見つけたのは奇跡のようなものだ。

デビューしてからずっと走り続けてきたが、ここからあの6人の姿を見ると、まだまだ、磨かれていない部分があるんじゃないかと思わされる。

それくらい、いま見てもあの6人は輝いていた。


「うわーっ!竣!まーたどこ投げてんだよー!」

「ごめーん!僚くんっ」

僚は一生懸命走ってボールを返す。

「ヤバイっ、体力が続かないっ」

「おら、へばってるヒマねえぞ隼斗っ」

「うわぁ!タンマッ!」

「隼斗、長年の恨みよっ」

「なんだよ明日香っ!恨みって!」

「隼斗わたしもー!」

「はぁ⁉なんだよお前らっ!ズルいぞっ」

気が付けばドッジボールは、5対1の構図で隼斗1人を狙っていた。

それでも6人は楽しそうに遊んでいる。

まるで5年生に戻ったような感覚だ。


その様子を土手の上から見ていた元木は、ひとり思う。

「原石は磨けば磨くほど光るんだ。あいつらはもっと光るぞ」

元木の目には、キラキラ光っている6人が、これからもより一層光る未来しか見えていない。


それはダイヤモンド以上の輝きを放つ、この世に1つしかないbuddyという名の宝石だ。



 ~完~

※あとがき※

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

このあとは番外編を投稿しますので、そちらをお楽しみください。


番外編の最初の5話は、他サイトの特典で書いたものになっています。過去の話になっていますので、混乱しないようご注意ください。


さて、6人の20年の物語ということで、もの凄い長編になりましたが、最後まで書けて、とりあえずホッとしております。

次回作の構想も立ててはいるんですが、少しお休みをしてから出していきたいと思っております。

ちなみに、現世の恋愛ものです。登場人物は、buddyほど多くないと思います......あと、こんなに長くならないと思います(;^_^A


次回作もよろしくお願いいたします。


AYANO

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