オークに主になってくれと頼まれたミコトちゃん オーク(ミニブタ)国建ち神話
もうダメ。私はリザードマン(ワニ人)達に絡まれ、身ぐるみ剥がれて後は美味しく頂かれるだけ。
観念した時、空間が歪んでソレが現れ、魔力風が囂々と吹き出してリザードマン(ワニ人)達を吹き飛ばす。
私は倒されていたので吹き飛ばされ無かったが、その魔力に当てられて身動きも取れなかった。アレこそニンゲン、伝説の通りだ。
私たち魔族を蹂躙し、私たちはこの樹海に守られた辺境に追いやった種族だ。
私はリザードマン(ワニ人)からは助かったけど、このニンゲンに頂かれてしまうのだろう。私は目をつぶった。
「きゃーーっ、カワイイーーっっっ」
私はニンゲンに抱きあげられ、頬ずりされた。
「に、ニンゲン様」
「あら、言葉をしゃべれるのね。ところでここは何処かしら?気がついたらここにいたんだけど」
「ニンゲン様は私を食べるのでは」
「そんな事はしないわよ。それよりこんな所にいつまでも居ても仕方ないし貴方はオーク?あなたの所では人間を襲うのではないの?」
「ニンゲン様を襲うなんて私たちオーク(ミニブタ)族は私サイズでみんな成人ですし、私も成人なんです。
行く当ても無いなら是非私たちの村に来て加護を与えて貰えませんか」
「加護?」
「ニンゲン様は昔、我々魔族を蹂躙し、魔族はこの涯の地に逃げるしかなかったのです。
それ以来、我々魔族はニンゲン様に怯えて匂いがある所さえ近づけないのです」
「あなたも私たちが怖い?」
「いいえ、あなた様の魔力には安らぎを感じます。ニンゲン様が主となって頂ければオーク(ミニブタ)族もほかの魔族に怯えないで済むのです」
「私はミコト。貴方のお名前は?」
「失礼いたしました。私はイナバです」
そうしてミコトはイナバの国に定住することになった。
ミコトは生活環境を整える事を考え、トイレを作った。
それまだ外の適当なところで済ませていたのが恥ずかしかったのだが、実は彼女のマーキングで他の魔族が近寄れなかったのだ。
それを察知していたオーク族はこれを聖水として大事にしたと言う。
ミコトの魔力はイナバの国に充ち。イナバの国は栄えた。
ミコトはいつの間にか消え、すべての邪気を祓うとされた聖水もいつしか失われた。
しかし、彼女の聖遺物はいつまでも残り、国を守ったと言う。
彼女のパンツが聖遺物として大切にされ、いつしか栄えたオークの体躯も大きくなり、新たな女神を求めて人間の地を訪れた事がオークが人間の牝を襲うという都市伝説を作った。
なにしろその頃のオークは巨躯で人間から見たら凶暴に見えるようになる、などという事をミコトが知る由もなかったのである。




