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はじまり
「誰か!救急車!」
薄れゆく意識の中で微かに聞こえてくる同僚の声。でも、体を動かすこともできず、声も出せない。あぁ、死ぬんだな、自分。そらそうか、だって今日で40連勤目だし、それより前もあまり家に帰れた記憶が無い。そりゃあ過労死もするわ。あ、やばい、まじで意識が…もし、もしも、転生出来たら、平和な生活を送り…た…い…
ここからのことは覚えない。けど、意識がふっと戻ったのが自分でもわかった。ゆっくりと目を開けてみる。目の前にあったのは病院の天井…ではなくて緑のドロドロしたもの。もっとよく見てみると自分は円柱のガラスの中にいて、緑の液体が自分をおおっていているみたい。体を動かしてみる。動ける。とりあえず、人がいるか見てみるけど人どころか床にかなりのホコリが積もっていて動物すらいない。こうしてても仕方ないからガラスを割って外に出る。げ、今気づいたけど自分素っ裸じゃん。やば。でも着るものがないから仕方ないけどこのまま探索するしかなさそう。