表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱不死身ロボ・オクマーマR  作者: 絶望のヨシ坊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/71

第五十六話「死地へ赴く前に」


          【みてみんメンテナンス中のため画像は表示されません】



 鉱石の場所探知や破壊方法を伝授され、高速ではないが飛行も可能になったオクマーマ。しかし、死地へ赴く前にどうしても寄りたい場所があった。


「最後に、マユミおねーちゃんとお別れするっちゅ……」




 そして、飛行したままマユミの元を訪れたオクマーマ。


「マユミおねーちゃ~ん!」

「あっ、オクマちゃん! まさかっ、空を飛べるようになったのっ⁉ 凄いっ!」


 オクマーマが飛んだままマユミの胸に飛び込むと、マユミはいつものように楽しそうな笑顔でオクマーマを抱きしめていた。


「そうっちゅ。使える念波パワーが少しアップして、飛べるようになりまちた。オクマーマは、これから今までで一番大きな事件に取り組みまちゅ」

「そうなの! でも、前のような危ない取材はしないでね。自分のやれる範囲内で頑張ればいいのよっ、オクマちゃん」

「わかったっちゅ。ありがとうっちゅ」


 オクマーマはそう答えながらも、内心で思うのであった。


(マユミおねーちゃんには、心配をかけたくありまちぇん。テロことも、オクマーマが不死身を捨てて命をかけに行くことも、黙ったままの方がいいっちゅ……。普段のように明るくふるまって、心配させないままお別れしまちゅ……)


 すると、マユミは箱を取り出してみせる。


「そうそう、オクマちゃん。さっき、料理の授業でこれ作ったの。見て見て!」

「あっ! これは、オクマーマを模ったハンバーグっちゅかっ⁉ 口元やポンポンは、卵の白身を使ってまちゅ。おめめとリボンは~、海苔を切って張り付けてありまちゅ」

「ね! 結構似てるでしょ⁉ 手の部分も凝って、わざわざ右手をきな粉のおはぎ、左手をいなりずしにしたのよ~」


 笑顔で説明しながら、オクマーマの手をプニプニと握るマユミ。


「マ、マユミおねーちゃん……」


 オクマーマは、マユミには事情を話さずにいようと思っていたが――やさしいマユミと触れ合っているうちに、悲しさが込み上げてきてしまう。


「ん? どうしたの、オクマちゃん」

「……違うっちゅ。なんでもないっちゅ。ごめんなちゃい」

「どうしたの~、オクマちゃんらしくない。これから大切な取材に行くから、緊張してるのかな? 大丈夫、大丈夫! オクマちゃんなら、大丈夫よ~っ」


 マユミはそう言いながらオクマーマを抱きしめ、オクマーマの背中に手をポンポンと当てるのであった。


(マユミおねーちゃんの、この温かさ……。初めて会った時と、同じままっちゅ。オクマーマは、死んでも忘れないっちゅ)


 オクマーマの脳裏には――マユミに救われたあの日から、心が安らいだ様々な触れ合いの光景が――走馬灯のように思い浮かぶのであった。


(これ以上ここにいたら、マユミおねーちゃんと別れられなくなっちゃいまちゅ……。でもっ! 行かなければ、マユミおねーちゃんも殺されちゃいまちゅ! オクマーマは、行かなければならないっちゅ!)


 オクマーマの深刻な事情をなにも知らないマユミは、抱いていたオクマーマを両手で高く持ち上げて笑顔で語り掛ける。


「ほらっ、いつもの元気が出たかな~? オクマちゃん!」

「ありがとうっちゅ、マユミおねーちゃん! オクマーマは、元気出まちた」


 するとマユミは、カレンダーを指差しながら笑顔で語り掛ける。


「オクマちゃん。私、今度この日にね。あそこの小山へ、植物散策に行く予定なのよ。理科の課題が出されちゃって。日が暮れる前くらいまで、頑張って色々探すつもりなんだけど~。ちょっと、虫が心配よね。ウフフッ」


(その日は、ちょうどテロの実行予定日っちゅね……。こんな、何気ない日々を明るく生きているマユミおねーちゃんを……絶対、死なせるわけにはいかないっちゅ!)


 いつもと変わらぬマユミを見て、オクマーマは決意を新たにしていた。


「そうっちゅか。虫には、気を付けてくだちゃい。それじゃ……オクマーマも、そろそろ行きまちゅ」

「オクマちゃんも、気を付けてね! あっ、そうねぇ~。今回の取材が終わったら……また一緒に海にでも行きましょっ、オクマちゃん!」

「ふふう~」


 うなずいたオクマーマは、マユミの温かい手から意を決して飛び立ってゆく――。


(オクマーマも、また一緒に海に行きたかったっちゅ……。でも、多分もう行けないっちゅ。オクマーマは命をかけて、マユミおねーちゃんたちを必ず救うっちゅ!)


 無表情のかわいいクマ顔のまま、心の中では泣きながら飛んで行くオクマーマであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ