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最弱不死身ロボ・オクマーマR  作者: 絶望のヨシ坊


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第四十四話「悪魔のザラス団」

 

          挿絵(By みてみん)



 一方、アイコに毒ニンジンを渡すことに成功した工作員は――テツが捕まっているザラス団の前線基地へ帰還していた。


「ヘッヘッヘ、どうです? あっしの演技は。見事だったでやしょう~。それじゃ、例の金を……」


 黒装束の団員の中の一人が、工作員にトランクを渡す。


「これが約束の金だ、受け取れ。額を確認するように」


 ニヤニヤしながら、トランクを受け取る工作員。


 そして、トランクを開けると――。


「ギャーーーーーーッ!」


 工作員がトランクを開けた瞬間、そのトランクから電撃のようなものが工作員を襲ったのである。そして工作員は、一瞬で煙と化して完全消滅してしまったのだ! 


「バカめ。我々が、顔のバレている鉄砲玉におとなしく金を渡して解放するわけがなかろう。だからこそ、我々は所在も正体もバレずに活動を続けているのだ!」


 この光景を横目で見ながら、戦慄を覚えるテツ。


(そうか……。やはりこの組織は、表に顔を出すのはすべて使い捨ての鉄砲玉だ。本当の主要メンバーや上層部は、おそらく何十にも秘密のフィルターがかけられている……。このアジトすら、いつ放棄してもいいような前線アジトの中の一つにすぎないのだろう。恐るべき、徹底した巨大テロ組織だ……)


 そこに、別の黒装束の者が報告に入ってくる。


「報告します。大和博士の妻子は、毒野菜を確実に消費した模様です」

「…………!!」

「数日後には突然奇病にでも感染したような扱いで、二人とも体内の細胞が自壊を始めてすぐに死ぬことになるでしょう……。絶対に、毒殺だとはバレませんよ。クックック」


(ア、アイコ……、キミナッ!)


 その報告を聞いて、涙があふれ出るテツであった――。


 数年拷問しても協力しないテツに対し、ついにテツの家族にまで魔の手を伸ばした悪魔のザラス団。それでも、ここで協力してしまったら家族の死が無駄になってしまう。なんとしてでも、断固として拒否を続けるテツであった。


「これでも、まだギブアップしないんですか大和博士。しぶといですねえ」

「お前たちはバカだ! 俺の家族を殺してしまったら、ここから俺が家族の死を無駄にしてでも協力することなど余計にありえないぞ! 俺も、とっとと殺せ!」

「クックック。我々は、あなたの性格もトコトン分析しているつもりです。ですから……。あなたにとって、ある意味では家族の死以上の精神攻撃を続けるだけですよ。これからは、あなたの研究所の元同僚メンバーも……一日一名、殺害させてもらいます」

「な、なにっ⁉」

「正義漢のあなたは、自分自身は例え犠牲に出来てでも……そうではない罪もない人を殺されることの方が、それ以上に苦しく思うような人のはずです。しかも思いを同じにして、苦しい時期も共に頑張って来た同士を殺されるのは、さらに苦しいことでしょう。いかがですか? クックック」

「この悪魔めっ!」

「今、政府が元所員たちを保護するのにやっきになっていますが……まだ一部のメンバーしか保護出来ていませんね。元所員たちの現在の身元は、政府が掴んでいない者も含め、我がザラス団の情報網ではすでに全員割れていますよ」

「くっ、くそうっ!」

「しかも、保護されたメンバーも政府のユルユルな警護状況では、我々の技術をもってすればほとんどが暗殺可能なのですよ。今日はまず……まだ政府が身元も掴んでいない、この元所員から処刑致しましょうかねぇ~」


 無人偵察機からのモニターには、元所員の一名が映し出されていた。


「あっ、あれはっ! 所員の中で最年少だった、今井君! やっ、やめろっ!」

「大和博士が協力しない限り、一日一名殺害ですからね。どうですか? まだ将来ある若い今井君がここで殺害されても、あなたは平気なのですか? 大和博士。クックック」


(しかし……ここで俺が協力してしまったら……家族の死が無駄になるだけでなく、大量の人々が一気に殺されてしまう……! 今井君っ、許してくれぇぇぇ!)




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