表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/71

第十四話「究極体⁉ 夢の魔法少女オクマーマ」

 

          挿絵(By みてみん)



 不死身の念波ロボ・オクマーマでも『念波が尽きた場合は完全に死ぬ』と聞き、ショックを受けるマユミ。しかしオクマーマは、元気を出して答える。


「大丈夫っちゅ、そう簡単には死にまちぇん。念波が届かなくなっても、体内に残ってる念波エネルギーで数時間は維持出来まちゅ。その間にまた念波を受けられれば助かりまちゅから、即死はしまちぇん。それに鉱石の方もかなり頑丈で、よっぽど特殊な方法でない限り壊れる心配がないっちゅ」

「じゃあオクマちゃんは、少なくとも念波ある限り半永久的に生きられるのね⁉」

「それも、違うっちゅ」

「ええっ、どうして⁉」

「その鉱石が念波を出し続けるのは、推定あと八十年~百年前後らしいっちゅ。鉱石は一つしかないっちゅから、オクマーマの寿命も最大でそれくらいっちゅ」

「そうなの……」

「でも、これだけ寿命があれば~。マユミおねーちゃんと、大体同じくらいは生きられまちゅ。ちょうどいいっちゅ」 

「今から百年後じゃ、私は多分死んじゃってるわよ~」

「ダメっちゅ~。マユミおねーちゃんは、長生きしてくだちゃい」

「ありがとう、オクマちゃん」

「研究所では、人工の念波鉱石も研究中だったみたいっちゅ。でも研究所の解散で、頓挫したっちゅ」


 しかしオクマーマは、人工鉱石が作られなかったことで逆に安心していた。この先マユミがどんどん老いていき、その死後までも自分だけが不死身で延々と生き続ける――そんな悲しい状態を、オクマーマにはとても想像したくなかったからである。


「オクマーマの魂は、元々いい子ちゃんの魂っちゅ。だからオクマーマは、いずれ死んでも悔いはないっちゅ。本当なら、いい子ちゃんがこれくらいの期間生きるはずだったっちゅ。オクマーマは生きている限り、いい子ちゃんの代わりに善行を頑張りまちゅ!」

「私も協力するわ、オクマちゃん!」

「でもオクマーマは、力がないっちゅ。ただ、念波ロボは大きな可能性も持っているのが今回わかりまちた。魂と体の融合度が高まると、念波を高度に操作出来るらしいっちゅ。これから、頑張って訓練しまちゅ」

「高度な操作って、例えば離れた物をサイコキネシスで操ったりするとか?」

「そうっちゅ。あと、融合度が上がると……オネンネしてるいい子ちゃんの自我に残っている記憶を、より深く引き出せるようになる効果もあるらしいっちゅ」

「それなら、一石二鳥ね! 大変だと思うけど、積極的に訓練すべきだわ!」

「いつか、いい子ちゃんの名前が自力でわかる可能性だってありえまちゅ。さらに、融合度が究極的に高くなると……いい子ちゃんの記憶に残ってるすべての物に、自分の姿を自由に変身させることまで出来るらしいっちゅ!」

「じゃ、じゃあっ、オクマちゃんが、オクマちゃんの自我のままで、姿だけいい子ちゃんの姿にも変身出来る可能性があるのねっ⁉ それどころか、いい子ちゃんのパパやママの姿、あるいは知ってる他人の姿、もっと言えば、人間じゃない動植物、お皿や本とか車とか、物品にさえ変身出来るということよねっ⁉ まるでオクマちゃんが、魔法少女そのものになっちゃうわ!」

「でも~。融合度を高めるのは、相当難しい精神統一が必要らしいっちゅ。例え何年練習しても出来る保障はなくて、あくまで可能性にすぎまちぇん。でも、これから毎日練習しまちゅ!」

「その意気よ、オクマちゃん!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ