第四十話 ランキング戦 準備
本当に申し訳ありません。短いです。
そしてそれから日が流れ、翌月になった。
~674年、風の月、第1日~
「今日から3日間ランキング戦が始まるのかー。出られないからつまんないなー」
登校中に直樹がだるそうな声で言った。
「しょうがないよ。直樹がAランク冒険者って言っちゃった訳だし」
諭すように声を掛けるのは良平だ。
「自業自得だろ。それに巻き添えを食ったのは俺達だからな」
突き放すように言い最後はしっかりと嫌味を言うのは宮本だ。
「………」
視線で態度を表す。目は口ほどにものをいうを実践しているのは佐東だ。
「まぁまぁ。落ち着こうよ。多分直樹が言わなくたってそうなってたって」
宥めるように言って、場の雰囲気を取り成そうとしているのは智哉だ。
全員が納得いかないのは確かなのだ。自分達が頑張って(それほどでもないが)Aランク冒険者になったのに学園では余剰な力である、と決め付けられ他の学生と戦う事が出来ない。
まぁ本人達は他の学生と戦うよりも自分達がちゃんとした場で戦いたかったという気持ちが大半を占めているのだが。
そんな直樹達の仕事は不正行為が無いように監視することだった。闘技場と呼ばれる施設で行われ、そこそこ大きい円型の舞台らしいのでそれぞれの場所に立ちただ見ているだけというらしい。
常に試合に目を光らせなくてはいけないし、自分達は動けないという百人に聞いたら百人がつまらないと答えるであろう仕事だった。
そして直樹達は校舎から東で奥にある闘技場の中に入っていた。
中にはもう殆どの1年生が揃っているようで舞台の上に集まっていた。各クラスで集まっているので直樹達もSクラスに行こうとしたら後ろから声を掛けられた。
「お前達はこっちだ」
我らが担任マリアだった。
どうやら直樹達はクラスに集まるのでは無く先生方の方に集まるようだった。
大人しく付いて行くと、不意にマリアが振り向いて頭を下げてきた。
「すまないな」
「「「「「?」」」」」
直樹達は揃って首を傾げた。何故謝られたのか分からない。何かされたか?と考えるも、全くもって記憶に無い。するとマリアが苦笑を浮かべながら説明してくれた。
「私達は生徒であるお前達を試合には出さないくせしてお前達を使うだろう?それが申し訳無く思ってな」
直樹達は全員納得がいった。特に直樹は
(マリアはきっと直樹達が力があり、それを振るいたい年頃なのにそれをさせずに指をくわえて見ていろ、いや、寧ろ手伝えと頼んだ自分達大人の理不尽さに申し訳なく思っているんだろう)
と、少し以上に妄想が入っているような事を思っていた。
良平達はまともに
(不自由させて、命令ばかりですまない)
と、捉えている。勿論あの佐東もだ。
「今回は我慢してくれ。次の時までに私が何とかして見せるから」
マリアは直樹達の事を考えてくれているのだと言うことが分かって、直樹達も良平が代表して答えた。直樹が言うとチョークが飛んで来る可能性があるからだ。
「期待しています」
マリアはそれに深く頷いた。そして止めていた足を進めて闘技場の奥にある部屋に入って行った。
そこには学園の先生が20人程いた。今日からの3日間はこのメンバーでランキング戦の進行をして行くと考えると多いのか少ないのか分からない。そこに直樹達5人を加える訳で…
「それではこれから始まるランキング戦の最終確認を始める」
そこそこ年がいっている教頭先生みたいな人が話始めた。
「まず予選はA~Gクラスは5人、Sクラスは2~3人の37人若しくは38人の8グループ、バトル・ロワイアル方式で行う。そしてグループで勝ち残った2名に決勝トーナメントに進む権利を与える。決勝トーナメントでの対戦相手はくじ引きで決定する。何か質問は?」
誰からの質問もなく最終確認は終わり、ランキング戦の開始時間を待つだけとなった。
直樹達はそれぞれの持ち場(と言っても闘技場の端なだけだが)に着いた。
そして先程の教頭が話をして、予選が始まった。
予定外の用事が入ってしまい凄い中途半端になるためここで切らせて頂きました。
次回の更新は2月4日の20:00です。
 




