第二十二話 挨拶
学園編突入です!
直樹達は昼下がりにベルクの鍛冶屋を後にし森に向かったのであった。
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それから風の月、土の月、氷の月、雷の月を経て、674年炎の月の第1日になった。
「やっと炎の月になったなー。いやー長かった。長かった。なんかもう冒険者として何処に行っても大丈夫だと思うのは俺だけか?」
「野営ならばっちしだよな」
「もうここら辺の魔物ではつまんなくなった。もっと強い魔物と戦いたい」
直樹、宮本、佐東の3人は冒険者の生活に慣れきってしまっていて、学園に行かなくても生きていけると考えていた。
だがそんな3人の意見を聞く気が無い良平と智哉の2人は学園で何を学びたいか話し合っていた。
「学園での目標は魔道具制作や錬金術、薬学に関してかな?」
「そこら辺だろうね。あ、良平は料理のことも教えて貰ったら?魔物の肉を調理できるようになったらいいじゃん」
「それもそうだな。やりたいことが沢山あって迷うな~」
5人はのんびりと話し合いをしながらオークの集落があった場所よりもさらに森の奥深くから歩いて冒険者ギルドに向かっていたのだった。
現在の直樹達のステータスは…
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河内 直樹 年齢 16 性別 男
レベル: 78
種族:人間 天職:魔法剣士
体力:1249
魔力:375
筋力:384(剣使用時さらに9up)
敏捷:264
耐久:396
魔攻:305
魔防:327
属性 炎 風 無
スキル
鑑定Lv8 成長Lv4 統率Lv4 (錬金術Lv1 隠蔽Lv4 盾創造Lv4) 魔力操作Lv7 剣術Lv9 体術LvMAX 見切りLv8 無詠唱Lv7 暗視Lv8 調教Lv1 new! 隠密Lv5 new! 察知Lv5 new!
エクストラスキル
全言語翻訳 生への渇望 new!
称号『異世界人』 『生と死と時空の神の加護』『滅竜者』
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伊狩良平年齢16性別男
レベル:77
種族:人間天職:賢者
体力:723
魔力:589
筋力:174
敏捷:187
耐久:281
魔攻:463(杖使用時6up)
魔防:438
属性炎氷雷風無
スキル
鑑定Lv9 料理Lv3錬金術Lv1杖術Lv6 魔力操作Lv8 体術Lv6無詠唱Lv8 見切りLv5 new! 暗視Lv5 new! 隠密Lv3 new! 察知Lv3 new! 木工Lv2 new! (成長Lv4)
エクストラスキル
全言語翻訳
称号『異世界人』『滅竜者』
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宮本雄平 年齢17 性別男
レベル:77
種族:人間 天職:治癒術士
体力:764
魔力:543
筋力:227(槌使用時+8up)
敏捷:195
耐久:276
魔攻:442
魔防:428
属性水土光無
スキル
鑑定Lv8 調教Lv3槌術Lv8 魔力操作Lv8 体術Lv8 無詠唱Lv8 見切りLv7 暗視Lv7 new! 隠密Lv4 new! 察知Lv4 new! (成長Lv4)
エクストラスキル
全言語翻訳魔眼
称号『異世界人』『滅竜者』
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佐東勇介年齢16性別男
レベル:77
種族:人間 天職:暗殺者
体力:987
魔力:259
筋力:328
敏捷:337(短剣使用時+9up!)
耐久:264
魔攻:231
魔防:196
属性闇無
スキル
鑑定Lv7 罠発見Lv2隠蔽Lv7 短剣術LvMAX魔力操作Lv7 体術Lv9 無詠唱Lv6 見切りLv5 暗視Lv8 new! 隠密Lv8 new! 察知Lv9 new! 投擲Lv4 new! (成長Lv4)
エクストラスキル
全言語翻訳
称号『異世界人』『滅竜者』
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熊崎智哉 年齢16性別男
レベル:77
種族:人間天職:重騎士
体力:1476
魔力:214
筋力:419(剣使用時+7up)
敏捷:172
耐久:457(盾使用時+7up)
魔攻:183
魔防:207
属性土無
スキル
鑑定Lv8 盾創造Lv5 剣術Lv7盾術Lv7魔力操作Lv7 体術Lv8 無詠唱Lv6 見切りLv5 暗視Lv7 new! 隠密Lv4 new! 察知Lv5 new! (成長Lv4)
エクストラスキル
全言語翻訳
称号『異世界人』『滅竜者』
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となっている。
直樹達は全力を尽くして冒険者をしていたため、レベルが上がり既にランクはAになっていた。
しかし実際の強さはSランクをも越えている。直樹達がSランクになれない理由はただAランク、Sランクの依頼が全然無いためであった。
そもそもAランク以上の依頼は非常に少ない。Aランクの依頼など1年でその場所で5~10件あるかどうかで、Sランクは1~3件あるかどうかだ。だからAランクはまあまあいるが、Sランクは非常に少ない。
直樹達がAランクになったのはオークの集落の件から1ヶ月程だったりする。それからも依頼をこなしたりしていたのでラスウェルの冒険者ギルドではそれなりに有名になってもいた。交友関係も広がったり、一騎当千の力を手に入れている直樹達だったがそんな5人が真剣に話していた。
「学園都市に行くときどうする?一応聞くがまた馬車に乗るか?」
「もう嫌だ」
「無理」
「俺は絶対に乗らない」
「止めた方がいいと思う」
直樹があと2週間後に迫った試験を思い、馬車に乗るかどうか聞いたが4人からは否定的な意見が帰って来た。
直樹もそれらの意見に賛成だなと思いながら以前馬車に乗ったときのことを思い出していた。
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直樹達はBランクの依頼で少し遠出をすることになった。その時に移動が面倒臭いと全員が思い、なにか乗り物は無いかという話になった。
「うーん大体は馬か、馬車だな。他は魔物か?」
「そんな感じだね」
「馬は乗れないから馬車で良いんじゃないか?」
「そうしよう。そっちの方が楽だし早く着く」
「じゃあ乗せてもらえる馬車を探そうか」
そして馬車を探し、乗せてくれると言うことで馬車に乗ることが決定した。
「よし!そんじゃ乗ろうぜ!」
「楽できるな~」
「今までめんどくさかったからな」
「早く着けて早く依頼達成して早く帰ろう」
「安全に行けたらいいね」
直樹達が馬車に乗り込み、他の冒険者も行くらしく共に乗り込んだ。
馬車に揺られて30分程経った頃だった。
「うっぷ…も、もう無理…オェェェ」
「おまっ!俺もキツかったのに!オェェェ」
「は、はは、死んだばあちゃんが見えるぞオロロロ……」
「……オロロロロロロロロ…」
「長いな!?佐東大丈夫かよ!?ってか本当にみんな弱いなー。もうちょっと強くなろう?」
「フッ。俺は頑張ったさ。みんな座ったまんましていたが、俺は床ギリギリまで顔を近づけ跳ねないようにしたんだ!」
「佐東。その頑張りを我慢に割り振って欲しかったな」
「それは無理な相談だ…ガクッ」
智哉以外の4人は酔いに弱かった。4人は日本で車に乗る時も酔っていた。そんな4人がより揺れる馬車に乗ったのだ。酔うのは必然だった。
そしてそんなことになっている4人を馬車に乗せて行ける筈もなく、5人は馬車を降りることになった。結果気持ち悪い気分っで歩いて向かうことになった。
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「馬車は止めよう。やっぱ走るかー」
「それしかないね」
「それで行こう」
「俺は負けない」
「競争じゃないわ!」
そしてそれから色々あったことをそれぞれが思い出しながら冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに着いて、受付のモースに依頼達成の報告をし、ギルドマスターの部屋に行った。
直樹達はテッケイルに恩を感じていたので挨拶をしにやって来たのだった。勿論後で宿でもするがそれは知人としての挨拶でギルドマスターであるテッケイルにするものとは別物だ。
「お前らがここに来るのは何度目だろうなぁ。もう覚えてねぇよ。んでそろそろ行くのか?」
「ああ。もう行くわ。色々世話になったなマスター。また機会があれば頼むわ」
「もうその機会が無いことを祈ってるよ」
「そんな連れないこと言うなって」
「本当に勘弁してくれ…。お前達が来てからというものの俺が休める暇がねぇよ。どんだけ書類を処理してったと思ってるんだ」
「さぁ?」
「さぁ!?たった2文字で済ますなや!オークの集落から始まり、ワイバーンの襲来、スライムの大量発生、変異種の増加、挙げ句の果てには赤竜がやってくるわで忙しすぎる1年だった」
「楽しかったな!」
「全然楽しくないわ!」
「まぁそういうことでまた来たとき頼むわ」
「ちょっ!おい!待て!」
「またねーよー」
そう言って直樹は逃げるようにしてギルドマスターの部屋を出ていった。ただ話を聞いていた4人はそれぞれお礼を言ったり、一悶着あったりして部屋を出ていった。
冒険者ギルドからベルクの鍛冶屋に行き挨拶をして宿屋に戻った。ベルクには学園都市にある自分の兄弟弟子の鍛冶屋を紹介してもらい、そちらで武器防具の整備を頼めと言われた。ベルクには色々武器防具を作ってもらい足を向けて寝れないななどと話し合っていた。
直樹達は話が終わり宿に向かった。
「皆さんお帰りなさい」
『安らぎの羽』に戻るとアンリが出迎えてくれた。
「皆さんは予定通り明日出発するんですか?」
「その予定だよ」
「わかりました。では今日の夕飯は豪勢にしておきますね!」
「マジで!?やっりー!」
「それではそれまでごゆっくりお過ごし下さい」
そう言ってアンリは仕事に戻っていった。直樹達はその姿を見て、俺らよりも大人に見えるのは何故だろうかと考えてしまった。
すると宿に誰かが戻ってきたらしく、直樹達の後ろの方で声がしたので自分達もさっさと部屋に行こうとした時だった。
「おい!ちょっと待て!」
「ん?誰だよ?」
直樹が振り向きながら聞き返すとそこにいたのは冒険者ギルドで直樹達に絡んできたリック達、 『熱き魂』の面々だった。
「えーっと、誰でしたっけ?」
「そろそろ覚えろよ!?」
「いや『熱き魂』だろ?」
「わかってんじゃねぇか!」
『熱き魂』とはオークの集落に行った後に仲良くなり、時々話す仲になった。直樹が忘れっぽいこともありいつもからかっているのだが喧嘩にはならない。直樹達には敵わないとリック達もわかっているからだ。そんな彼らだが、当時Dランクだった『熱き魂』も今ではCランクになって近々Bランクになるかもしれないらしい。
「お前達は学園都市に行くんだよな?俺たちも行こうと思ってるんだ。どうだ一緒に行かないか?」
「あー、悪い無理だわ」
「なんでだ?」
「俺たちって馬車が乗れないんだよ…だから走るんだ」
「そう言えばそんな話があったな…って走る?」
「ん?走るぞ」
「あの距離を?」
「もちろん」
「今回は縁がなかったということで…」
「賢明だな」
「いつか追い付いてみせるからな!なぁみんな!」
「「「「「おう!」」」」」
「おー!向こうであったらまたよろしくな」
「おう!頑張れよ」
「そっちもな」
話終わり、直樹達とリック達はそれぞれの部屋に向かった。
そして時間を適当に潰し夕飯の時間になった。
直樹達が食事場に行くとそこにはテッケイル家族、『熱き魂』、その他冒険者が既に揃っていた。
直樹達が席に着くと宴が始まり、夜遅くまで盛り上がった。直樹達もこんな時があってもいいかもなと思いながら料理を食べていた。
「お前ら!しっかり食べてるか?」
するとそこにはテッケイル家族がやって来た。そこにはテッケイルの妻もいるわけで…
「なんでこんな野獣に美女が…」
「あ"ぁ!んだとコノヤロウ!」
テッケイルが少し脅すように言ってくるがコレが本当に恐い。なにせ強面の顔をさらに脅すようにしているのだ。恐くない訳がない。ただその隣には美女がいる。名前はテレサというらしく、何故こんな野獣と結婚したのか直樹達にとっては謎である。
───ガツガツガツモシャモシャモシャ───
「いや事実でしょ」
「事実よね~」
そしてそのテレサさんは実は凄くノリがいい人で直樹達とはっちゃけてしまうこともしばしばあった。
「テレサまで認めなくても…」
テッケイルはテレサが認めたことで肩をガックシ落としていた。
「お父さんしっかりしてよー。今日はそんな話をするために話かけた訳じゃないでしょ」
───ガツガツガツモシャモシャモシャ───
いつもは丁寧なアンリもプライベートな時間は別だった。
「あぁそうだった。俺はお前達に言いたいことがあったんだ」
「言いたいこと?」
───ガツガツガツモシャモシャモシャ───
「宮本、佐東うるさいんだけど?」
良平が我慢ならないという風に静かに告げた。すると2人はシュンとなって静かに食べ始めた。
「んで言いたいことって?」
「それはな、また来いってことだ。ここに帰ってこい。確かにお前らは迷惑なやつらだったが楽しくしてくれたやつらだ。そんなお前らを俺は気に入ったんだ。まぁ俺だけでもないがな」
そう言ってテッケイルは妻、娘を見て、そのあと冒険者達を見る。そしてもう一度直樹達の方を向き「な?」と視線で問いかけてきた。
直樹達はそれに笑みを浮かべながら頷き返した。
テッケイル家族はそれだけだという感じで戻っていき、直樹達は楽しかったなぁーとしみじみ思いながら夜が更けるのだった。
ステータスプレートなのですがステータス値やスキルレベルが+~up!と前はありましたが今回は止めてnew!だけにさせていただきました。
あまりにも見辛くなってしまったので…
サボりじゃありませんよ!!
次回の更新は1月8日19:00です。




