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いつもの仲間と異世界道中!  作者: ミドリムシ
覚悟編
20/70

第十九話 オークキングそして…

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします!

「じゃあまずは、っとファイアトルネード!」


といきなり合成魔法を放った。


合成魔法とは属性を合成して魔法を発動し、相乗効果を生み出す魔法だ。かなりの技術が必要になる。なにせ1つの属性だけではなく2つの属性を合わせるのだ。そのためこれも合体魔法と同じで魔法を覚えてから30日程度しか経っていない者が使うような技術ではない。


だがそれを意図も容易く直樹はやってのけ、オークの注目を集めることに成功し、また50体程のオークを倒すことにも成功した。


だがそのせいでブヒー!ブヒー!と怒っているような声を出しながらオークが迫ってきた。それを良平が冷静に"鑑定"する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オーク Lv9

スキル

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「今のところはオークがレベル8~11くらいのしか見えないね。まぁそれでも力が強いし頑丈だから厄介なんだけどさ」


そして迫ってきたオークに佐東がいち早く反応し横をすり抜けながら首を切る。自然に、静かに迫り切る。反応できるオークはいなかった。そして仲間が倒れてから気付くのだ。攻撃されていることに。


「いいねぇ~。スリル満点だ!」


そうして佐東はどんどんオークの首を切っていった。動きの遅いオークに佐東を捉えることができる者などいなかった。


それを傍目に直樹は直樹で二刀流にしながら身体強化魔法を使いオークを切り伏せていた。その動きは佐東のような静かさはなく荒々しく獰猛さで一杯だった。


「おらぁ!倒れろ!」


そこの近くに良平もいて直樹が躱せないだろう攻撃をするオークに向けて雷を放ったり、周りに迫ってくるオークに近寄らせないように熱線を出したりと、忙しく動いていた。


「直樹!飛ばしすぎだ!落ち着け!」


と良平が時々注意するも直樹には届かず、むしろどんどん直樹の動きが加速している。その速さはマックスと戦った時と同じくらいに迫ろうとしていた。


そんな事になればいくらレベルアップをしているとはいえ10分も持たないであろうことは明白の事だったので良平が何度も声を出して注意するが直樹は止まらない。


そしてそんな直樹が声を出して言った。


「なぁ!良平!この剣すげぇ!全然魔力が減ってる感じがしないんだ!」


「はぁ?」


戦闘中でありながらも良平は思わず間抜けた声を出してしまった。


「ちょっ!お前それどういうことだ!」


「いや知らねぇよ!こいつの効果って3つあるからその内の1つじゃね?」


「み、3つ!?ヤバイなそれ!」


2人は戦いながらもそんな会話をしていた。ただそんな会話も長くは続かなかった。というよりも続けられなくなった。なぜならそこには矢や魔法が飛んで来るようになったからだ。


「おい!佐東!お前は奥にいるオークアーチャーやメイジを頼む!」


「了解!」


そして直樹達は飛んで来る矢や魔法は良平が担当し、近付いてくるオークは直樹が担当した。


ただ相手は先程から減らしているとは言え、オークは350体程、アーチャーとメイジはそれぞれ50体程、挙げ句の果てにはプリーストが10体程、ジェネラルが2体家の周りにいるのが見えた。


そしてそんな数で攻撃してくるのだ。直樹達の体にはいくつもの傷が出来ていった。だがそんな状態でも諦めずにどんどんオーク達を倒していく。


直樹に頼まれた佐東はアーチャー達に一気に近付くが気付かれないはずもなく矢や魔法が佐東目掛けて飛んで来る。


「あ、これ逃げ場が無いな…」


と佐東が一言溢したその時、佐東を守るように土で出来た壁が目の前に現れた。


「大丈夫?」


後ろから声が聞こえ、佐東が振り向きながら返した。


「だいじょば無かったけど今は大丈夫だ」


後ろにいたのは別行動をする予定だった智哉が立っていた。


「作戦は失敗か…」


「宮本と俺で近付こうと思ったけど何故かオークジェネラルが2体いて近付けなかったんだ」


「まぁそれは置いといて、今は取り敢えずアーチャーどもを倒すか。援護は任せた!」


「任された!」


そう言って智哉は土の壁を壊し、砂煙が舞っていてまだ見えない状況で佐東が飛び出した。


佐東はまだ沢山の矢や魔法に狙われているが、それに怯む様子もなく突き進んだ。佐東にあと3mくらいで届くという距離になったら佐東の横から飛んで来る土の矢が全て相殺していく。それを見た佐東は


「ナイス!」


思わず口から漏れてしまっていた。そして口元に笑みを浮かべながら接近していった。


佐東が矢や魔法に当たることなくアーチャー達にたどり着き、佐東の蹂躙が始まる。それに負けじと智哉も魔法を使い、オークメイジを倒していく。2人が簡単にオークアーチャーとオークメイジを屠っていくがアーチャーもメイジも共にレベルが13~16くらいあるのだ。高い技術がなくては簡単に屠ることなどできない。


だがそんなことは露知らずまるで競っているかのように倒していく2人にオークも恐怖を感じたのかブヒィ…と小さな声を出して後退って行く。


もちろんそれを逃す二人でもなく倒していくがそこに大きな拳が振るわれた。


「やばっ!」


「おわっと!」


何とかそれを躱した2人だがその拳は地面に当たりドォンと大きい音を立てて陥没した。その拳を放った相手を見てやろうと2人が視線を上げた先には2体のオークジェネラルがいた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


佐東と宮本がまだオークアーチャーとオークメイジを倒している時、矢や魔法が来なくなり直樹と良平は残りのオークを倒すべく動いていた。


直樹が接近し一撃で切り伏せ、良平が遠距離で仕留めるそんな感じでずっと戦い続けたが、集中力が切れ始めてからは攻撃もくらい動きにキレがなくなり始めていた。


そんな時に良平に近づいたオークが殴りかかり良平がそれを躱そうとしたが間に合わず一撃をもらってしまった。


「くはっ!」


「良平!?」


その声を聞いた直樹が良平の方に意識が向きオークの攻撃を直樹もくらってしまった。


「ガッ」


2人はボロボロになっていた。ずっとオークと戦い続け、あと150匹くらいまでには減らしていた。そんな時だった。


「ヒール!」


と響き、直樹と良平の傷が、疲れが癒えていった。


「よーっす。俺も混ぜろー!!」


という声が聞こえ、直樹達を襲っていたオークの頭に槌が振るわれた。直樹達にはそれだけでもう誰が来たかは分かっていた。


「「宮本!」」


「どしたー?」


気軽に返され、直樹達は笑いながら再びオークへ攻撃を始めた。


こちらでも救出ができたかという話になったが、出来なかったと聞き悔しそうにする直樹。良平はあまり関心が無かったのか魔法を発動するために目を閉じて集中していた。周りにオークが来るが、直樹と宮本が良平に近づかせない。


そして発動する準備が整ったため良平が目を見開き、今日一番の魔力を込めて言った。


「ファイアトルネード!!」


それは先程直樹が放った合成魔法だった。だがそれは威力が違った。直樹の5倍くらいあったのだ。それを使った良平はフラりとしたが意地で堪えていた。


その炎の竜巻が終わったあとには直樹達の近くにいた10体くらいのオークしか残っていなかった。


それを直樹と宮本が直ぐに倒して良平に駆け寄った。


「大丈夫か!」


「あぁレベルアップしたっぽいしな。まだ戦える!」


そう言って、力こぶを作り大丈夫だと伝えた。直樹と宮本は連れていこうか迷ったが佐東が行ったの方からドォンと音が聞こえたため3人は直ぐに駆け出した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「大丈夫か佐東!あと智哉もいるのか!?」


直樹が声をかけたとき佐東と智哉が一対一でオークジェネラルと戦っていた。


オークジェネラルは2mくらいのオークよりも2周り程大きく、佐東や智哉が小さく見える程だった。


「くっ!」


「ぐっ!」


そして2人とも押されていた。直樹は状況を理解しきれていないが直ぐに判断を下した。


「宮本は大変だと思うけど智哉の所で回復したりして耐えててくれ!俺と良平は佐東の方に行って速攻で1体を片付けるぞ!」


「おう!」「早めに来いよ!」


3人は直ぐに行動し宮本は智哉が死なないように回復をしながら攻撃もしていた。


直樹と良平は佐東の加勢に行き、2人で熱線を放った。それによりオークジェネラルの片目を潰すことができ、オークジェネラルは暴れるがそれにより一度隙が出来て佐東が退くことができた。


「悪い。助かった」


「まだ礼を言うには早いかもな。良平見れたか?」


「レベルは27と強敵だよ…」


直樹が佐東に返して良平に訊ねていると、オークジェネラルは冷静さを取り戻し怒った目で直樹達を見つめる。それに直樹達は怖じ気づいたがそれも一瞬で直ぐにいつもの調子に戻っていた。


「行くぞ!」


「「おう!」」


直樹が掛け声と共に今までは部分の身体強化だったのを全身強化にし、魔力の出力もこれ以上ないほど最高にし一気に決着をつけにいった。


敵の懐まで入ろうとするがそんなことはさせないとばかりに殴りかかってくるオークジェネラル。だがそれは直前に佐東の短剣に反らされ空を切った。


ならば逆の拳を使えばいいという感じで逆の拳で殴りかかってきた。だが次は良平が発生させた氷の盾でその一撃を防ぐ。


そして両手を塞がれたオークジェネラルの懐には力を溜めて2本の剣を構える直樹がいた。


「いけぇぇぇぇ!!」


「やれぇぇぇぇ!!」


「うぉぉぉぉ!!」


良平と佐東が大きな声で応援を送り直樹はそれに応えるように声を上げた。


「ブヒィィィィイイイイ!!!」


オークジェネラルもその一撃に耐えて見せようと声を張り上げた。


そして直樹の剣がオークジェネラルの胸にクロスに刻まれるように振るわれた。


次の瞬間オークジェネラルが後ろに倒れた。最後に死んでいるか確認のためにオークジェネラルの頭と首を切り放し、しっかり死んだことを確認して宮本達の方に向かった。


直樹達が宮本達の所にたどり着いた瞬間に先程のオークジェネラルを倒した時と同じようにしてもう一体を倒した。


「ふぅー。血生臭いな…」


「返り血と自分の血で酷いな…」


直樹が一息ついて呟くとそれを聞いていた良平が返してきた。


「最後はあそこか」


直樹が家の方に視線を向けた。そこにはオークプリーストがずっといるのだ。逃げる素振りも加勢する素振りも見せない。そんなプリーストを見て5人は疑問に感じていたがそれは直ぐに理解した。


家の扉から直樹達くらいの大きさのオークっぽい者が出てきたのだ。そのオークは周りのプリーストを呼び寄せ、直樹達を見つけるとこちらに歩いてきた。


直樹達はそれに臨戦態勢となって武器を構えていたが、そのオークがなんと人間の言葉で直樹達に話に掛けてきた。


「オヌシラカ、ワガシモベヲ、タオシテクレタノハ?」


直樹達はそれが予想外だったが高位のランクにいる魔物には人間の言葉を理解する魔物がいると本で読んでいたので、慌てることなく返した。


「そうだよ。俺達がお前の(しもべ)を倒したよ」


そしてこの隙に良平がこのオークを"鑑定"した。結果はやはりオークキングでレベルは43とかなり高い結果とスキルを1つ持っていることを知ったが…


「ホォ。アノカズヲカ。ナカナカヤルデハナイカ」


まさか敵のボスが自分達を褒めてくるとは思わず、これには驚いてしまい言葉を返すことができなかった。


「ハッハッハ。ワレガテキヲ、ホメルノハイガイカ?」


「まぁ、うん…意外だった」


「ソウダロウナ。シテ、オヌシラノモクテキハナンダ?」


「その家の中にいる女性達を助けに来た」


「フム…タスケニカ。ワレハゾンザイニアツカッテハイナイゾ。ナンナラヨウスヲミテミルカ?」


「あ、ああ、頼む」


「デハ、ツイテマイレ」


直樹達にそう言うとオークキングが家の方に戻っていく。直樹達がそれに続き、オークキングに着いていった。


オークキングが家のドアを開けて直樹達に中へ入るように促す。周りのオークプリーストは射殺すような顔で直樹達を睨みつけるように見ているがそれを直樹達はそれを無視して中に入った。


「ドウダ?」


オークキングが問うてきたが直樹達は何も言い返すことが出来なかった。


そこにはすやすやと眠る女性が2人いただけだった。その身体に傷は1つもなくオークキングの言うことに嘘がないと物語っていた。


「ワレハナ、シュウラクナド、ツクルキモナカッタ。カッテニアツマリシタッテキタカラシモベニシタダケダッタ。ソシタラシモべガ、ワレニケンジョウスルト、イッテツレテキタノガ、コノジョセイタチダッタ。ワレハムリヤリナドスカン。ダカラズットクドイテイルノニナ、ヒメイバカリデワレノハナシナド、キイテハクレナカッタ。ソンナナカオヌシラガキタノダ。ワレハベツニ、オコッテナドイナイゾ。ムシロカンシャシテイル。アリガトウ」


と自分の話を聞かせてくれたオークキングに直樹達は感動していた。


「うっ、うぅぅ、おま、お前は頑張ったんだな!」


「お前はいいやつだったんだね」


「お前かわいそうだな…」


「ごめん!さっきまで殺そうとか思っててごめん!」


「君みたいな魔物が増えてくれたら良いのにね」


それを聞いたオークキングは心底不思議そうにしながら直樹達に返した。


「ワレノハナシヲ、ウタガワズニ、シンジテクレルノカ?」


「当たり前だろ!」


「疑うよりも信じる方が良いよね」


「嘘が感じられなかった」


「同じく」


「みんなこう言ってるしね」


直樹達が直ぐに言い返すとオークキングが嬉しそうに言った。


「アリガトウ。ソンナフウニ、ハナシヲキイテクレタモノハ、イママデイナカッタ。オヌシラトトモニ、イタクナッテシマウナ。ハッハッハ」


「じゃあ来るか?」


「ナニ?」


直樹がオークキングの言葉に被せるように言ったが、流石にそんなことができるのかと疑うような眼差しを向けてきた。


「"調教"っていうスキルがあるんだけどさ──────って訳なんだ」


「ナルホド…ソレナライッショニイレルナ!ヨロシクタノムゾ!」


「おうよ!」


そして直樹が"調教"を使った。すると直樹から糸が出て、オークキングに伸びていき糸がたどり着いた。そしてオークキングが認めるという意思を込めながら糸を握ると直樹とオークキングは光輝いた。


光が収まると、特に何も起こっていなかった。何も変わらない直樹とオークキングがいた。1人と1体は目を合わせてからどちらともなく近付き握手をしようと手を差し出した。


その時だった。


───ヒュ────トストス────


「え?」


「ナヌ?」


直樹とオークキングの胸には矢が刺さっていた。


「ハハハ。一体誰だよぉ…」


「ユルセ…ヌ…」


そう言って直樹とオークキングは後ろに倒れた。


「直樹!?おい!しっかりしろ!おい!」


「宮本!回復を!」


「わかった!ヒール!ヒール!ヒール!!」


「誰だ!一体誰なんだ!」


「ブヒィ!ブヒブヒ!」


「ブヒ!ブヒィ!」


4人やオークプリーストは慌てて直樹とオークキングを助けようとしたが、目を覚ますことは無かった。



調教のスキルの内容を少し変えさせてもらいます。

→魔物を従えることができる。従える方法は戦闘でも会話でも方法は何でもいいから魔物から認められることと、調教を使い無理やり従えること。無理やりの場合はレベルで従えれる確率が違う。

にします。


直樹がやられてしまいましたね…

このあとの展開が予想できる人もいるかとと思いますが、続きをお楽しみに!


次回の更新は明日の19:00を予定していますが、厳しいかもしれません…

明後日の19:00かも…

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