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いつもの仲間と異世界道中!  作者: ミドリムシ
覚悟編
12/70

第十一話 門出と冒険者ギルド

十話で金貨を一人10枚渡すというところを5枚にします。

それでは楽しんで読んでください。

そう言ってその場は解散となった。


~673年、風の月、第37日~


直樹達はいつも通りの時間(5~6時)に起きて少し動いてから朝食を食べに行き、その後少し休んでから訓練を始めた。


訓練をいつもの騎士達とやったりメリアとやったりと短い時間ながら全力で取り組んでいた。そのせいで騎士達が何人か死んだような顔になったが…


そして早めに昼食を取ってから誰に伝える訳でもなく、王城から出ていこうと門まで歩いていた。そして門が見えてくるとそこにはカイゼル、マックス、モルガン、テリー達騎士やメリアなどの面々がいた。


「ん?みんな俺達を見送ってくれるのか?」


直樹が?を浮かべながら言った。それに応えるようカイゼルが言った。


「ハハハ。何を言う!当たり前の事ではないか」


カイゼルは気分良さそうに言った。初め会ったときは悲しそうに、すまなそうにしていたカイゼルだった。だが直樹達を見て良かったと思える事もあり完璧ではないが自分のしてしまった事を受け止めることができたようだった。


「おい、小僧!それは俺が冒険者だった頃に見つけたショートソードだ!餞別としてくれてやるよ」


マックスも見るものにとっては恐怖を煽る笑顔を浮かべていた。


直樹はその差し出されたショートソードを鞘から引き抜き剣身を見た。その剣身は僅かに青く光っていた。


「それはミスリルとオリハルコンの合金で出来た剣だ。魔力の伝導率がいいから小僧とは相性がいいはずだ。まぁいずれ俺ともう一度戦う時はもっと本気のお前(・・)とやりたいから死なれちゃ困るんだ。だから死なずにもう一回ここに戻ってこい!また()ろうや」


「礼は言わないからな、ジジイ!俺は絶対死なないで強くなって戻ってくるから待ってろ!」


「あまり、待たせんなよ?退屈で俺が死んじまう」


「おうよ!5年以内には戻ってくる、それまで待ってろジジイ」


そう言って2人は拳をぶつけ合って離れた。


「また、訓練しに来いよ!」


「今度こそ勝ってやるよ!」


「面白い話を聞かせてくれよ!」


などと、その後に騎士達が近くにやって来て直樹に一言ずつ言って握手を求められた。


その横では良平とカイゼル、モルガンが話し合っていた。


「これが昨日言っていた25金貨と冒険者ギルドへの紹介状だ。そしてこれから色々物が必要になるだろうから入れておけるアイテムボックスという魔道具をあげよう。これは指輪タイプでな。念じれば出し入れ可能だ。容量はわからん…昔私も使っていたが限界が無かった。盗まれる危険もあるから気を付けるようにな」


「カイゼル王、本当に有難うございます。何かありましたら言って下さい。手伝えるようなら私たちも協力は惜しまないつもりです」


「君達の協力は心強いな」


「リョウヘイ君でしたか私はあなた達のことを信用しきれていません。あなた達はその実力もそうですが天職まで偽ったからです。ですがその実力だけは信用できますし、他の方達ともいい関係が築けていると思います。ですから私もあなた達といい関係を築きたいと思っていますがよろしいでしょうか?」


「え、ええ。むしとこちらこそよろしくお願いします。モルガンさん」


「モルガンはあまり仲が良いやつが少ないからなリョウヘイ達が仲良くなってくれ」


「カイゼル様!」


「すまんすまん。まぁよろしく頼む」


「は、はぁ。よろしく?」


そう言って良平はどうすればいいのか分からず一応手を前に出した。その手をモルガンは躊躇いながらも握った。


ちなみにこの世界のお金は次ぎようになっている。

鉄貨10枚=銅貨1枚

銅貨100枚=銀貨1枚

銀貨100枚=金貨1枚

金貨100枚=白金貨1枚


日本円で表すと、鉄貨1枚で10円、銅貨1枚で100円、銀貨1枚で1万円、金貨1枚で100万円、白金貨1枚で1億円で、直樹達が貰ったのは2500万円ということになる。


そしてその横では宮本がゲイルとホモイルに詰め寄られて逃げていた。


「ミヤモトちゃぁ~ん。まってぇ~!」


「私達と愛の逃避行をしちゃいましょ~ぅ!」


「いやだぁーーー!!!くるな!くるなって!やめろぉーーー!!!」


壁際に追い詰められた宮本はとうとうゲイルとホモイルに対し実力行使にでた。ゲイルは右斜め前方から、ホモイルは左斜め前方から来ていた。


「これは…!真ん中に行く……「「かかったわね!」」っと見せかけてお前らを攻撃だ!」


「あふん」「うふん」


「いぃぃぃやぁぁぁ!!なんてものを俺は攻撃しちまったんだ!!」


宮本はゲイルとホモイルを倒したのはいいものの、倒した時の反応があまりにも気持ち悪かったので後悔していた。


佐東は誰からも話かけてもらえず「あ、あれ?お、お、おかしいなぁ~?ハハハ……ハァ」と呟いていたのが見えた。


そして智哉はというとメリアと2人で話していて桃色空間を作っていた。


「ねぇトモヤ。本当に5年以内に戻って来てくれるの?」


「まぁウチのリーダーが5年以内って言ってるから多分そうなるよ」


「仕方ないから待っててあげるけど、長すぎたら浮気しちゃうわよ?」


「ええっ!?大丈夫!大丈夫だから!ちゃんと戻ってくるから待っててくれよ?」


「フフフ。そんなに慌てなくっても大丈夫よ」


などと話していて近くにいた騎士やメイド達からは「リア充め…爆発しろ!」と小声で言われていたが、本人達は自分達の世界に入っているから全然聞こえていなかった。


ちなみにメリアは18歳であるので5年経ってもまだ若い方である。ただこの世界の結婚は15~20歳が普通なので23歳は遅い方であるのは間違いないが。


それらから十数分後、直樹が「そろそろ行こう!」と言い門番に門を開けてもらい、直樹達5人はワクワクしながら王城を後にしカイゼル達に見送られた。


カイゼルからは「いつ来てくれても構わない」と言われているので王城に戻ることは可能である。


直樹達を見送ったカイゼル、マックス、モルガンは3人で話していた。


「あの者達は強く、有名になるな。それも直ぐに」


「そもそもカイゼルと俺の紹介状まで書いたんだ。そうなるのが当たり前だろう」


「御二人がどうしてあの者達───いいえ、リョウヘイ達を気に入ったか何となくですが分かった気がします」


「モルガンよ、1つだけ訂正するが、別に俺は全員気に入った訳でもないぞ?まぁ確かに好きか嫌いかで言えば好きだが、気に入ったのは小僧──ナオキだけだ」


「私は全員気に入っているぞ、ハッハッハ。ただそう思っているが故に旅に出て行ったのがあの者達で少し残念だがな」


カイゼルの言葉にマックスもモルガンも頷いて返した。そして3人は残った27名のことを考えため息をついたのであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


直樹達は現在迷子中だった。


初めて王城を出たのはいいが王城のこと以外全く知りもしない5人が道に迷ってしまうのは当然のことであった。


原因としては直樹があちこち見て回ろうとして何処にいるのかわからなくなったり、宮本が猫を追いかけて行ったり、佐東は闇に紛れる練習と言い建物の陰に入りながら移動して4人で探したりしたのがあげられる。


今、建物という単語が出てきたが街並みは中世ヨーロッパと言える。レンガで出来た家が沢山あり高さも4階建てなど様々にある。


そんな直樹達はこれからどうしようかうんうん唸っていったがどうしようも無いので、取り敢えず現在いる小さな道ではなく大きな道に出ようという意見にまとまった。


歩いているとめんどくさくなってきた良平と智哉が呆れたように言った。


「お前ら本当にいい加減にしてくれよ…」


「真っ直ぐ歩いていれば問題なかっただろうに」


3人はそれに見事なコンビネーションで応えた。


「自分の」「欲求に」「勝てなかった」


「無駄に息合わせなくて良いんだよ!」


「どうする?ここで説教しておこうか?」


智哉がツッコみ、良平が不機嫌ですと言わんばかりに口を開いた。それに直樹達は首を横に振り小刻みに震えていた。


「わかればいいんだよ。わかればね」


そう言っていると大きな通りに出ることができ、人通りも多くなっていた。


「よし!ちょっと人に道を尋ねてみようぜ!」


そう言って直樹は近くにいた男性に声をかけた。


「こんにちは!お兄さん。ここから冒険者ギルドってどうやったら行ける?」


「こんにちは。冒険者ギルドならこの通りを真っ直ぐ進んで、途中で服の看板があるからそこのお店を右に曲がって進んで、次はナイフとフォークが描かれている看板を左に曲がって進めばあるよ」


「お兄さん。ありがとね!」


そして直樹が良平達の所に戻り今聞いた話を良平達にしてからその道順通りに歩き始めた。


そして歩くこと十数分、やっと直樹達が探していた剣と盾のマークが入った建物を見つけた。


「おおー!!大きいな!!」


「確かに大きいね…」


「ここから俺達の伝説が始まる!」


「冒険者王に俺はなる!」


「お前達元気だね…」


上から順に直樹、良平、宮本、佐東、智哉である。5人はそれぞれが期待を込め冒険者ギルドの扉を開けた。


そこはまさしく直樹達が想像していた冒険者ギルドだった。


正面には5つの受付と3つの素材受け取り場所があり、右側には酒場が併設されている。左側は掲示板らしきものが3つあり紙がそこそこ貼ってあった。受付の左奥の方には2階に登る階段があるが制限があるようだ。右奥の方には扉がありそちらの方から金属の音が聞けてくるので訓練場か何かだろう。


そんな風に周りを見ながら受付まで行くと、そこには可愛らしい緑色の目をした女性がいた。


「こんにちは。冒険者ギルドに何用ですか?」


聞くときに首を一緒にかしげながら優しく尋ねてきた。


「ええっと、冒険者ギルドに登録しに来たのですが、良平紹介状だして」


「ほい」


そう言って良平が受付嬢に渡すと、その紹介状に押されていた印を見て受付嬢は目を見開いて驚いていた。


「す、すみませんが、す、すこしの間待っていてください!」


そう言って受付嬢は慌てて階段を登っていった。


それを見ていた周りの冒険者、特に男から睨まれていた。


「なんか視線感じるなぁー」


「面倒事に巻き込まれそうな匂いが…」


「良平、それは自分でフラグ立てたよ」


そう直樹が良平に言った後、30代くらいの厳つい6人の男が直樹達の元にやって来た。


「お前らみたいなガキが来るところでもねぇし、ましてや俺らのアイドル、レナちゃんに話かけたあげく驚かしやがって!ただじゃおかねぇぞ!」


「お前らに冒険者の厳しさって奴を教えてやるよ!」


それを聞いた直樹達は…


「きた!テンプレ上等!」


「俺は何て事を…」


「獣人が見当たらない…」


「強そうな人いないなぁーハァ」


「お前ら一応緊張感持っとこうよ!」


やはりマイペースであった。だが直樹達の発言を聞いてさらに冒険者達はイラついていた。


「お前らガキが調子に乗ってんじゃねぇよ!」


リーダーみたいなやつが直樹めがけてパンチしてきたが、直樹はそれをあっさり躱して相手にアッパーをお見舞いしようとして、寸止めした。


相手は直樹が寸止めしたことに、より腹を立て腰に差してある剣を抜こうとしたが、階段から降りてくる人の声を聞いて動きが止まった。


「止まれぇい!お前達は一体何をしてるんだ!」


「ギルド長!」「テッケイルさん!」……


そう上から降りてきたのはここのギルドのトップであるテッケイルだった。



次回の更新は火曜日の19時です。


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