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~目覚め~

目が覚めると、隣にジゼルは居なかった。

「…うそ…やだっ!」

一瞬、昨日の事は夢だったのかと焦り一階に駆け下りる。

「ジゼルっ!…ジゼルっ!!」



台所の奥からいい香りがした。

「おはよ、…どうしたのアリス?」

ほっとして力が抜ける

「ううん…何でもない…支度してくるわ。」「早くしてね、もう朝食ができるから。」

…夢じゃなくて良かった…。

願いかなった現実を朝食の香りが安心させた。



テーブルに見事な朝食が並び、口にするアリスをジゼルはじっと見つめる。

「…うーーんっ!!!すっごく美味しい!!!…ただそんなに見つめられると、すごく食べづらいわ…。」

「ホント?ほんとにおいしい?」「ええ…ジゼルすごいわ!プロの料理人みたい!でも…この量は食べれないわよ」


「…人間の平均食事量を調べなきゃだめね…ブツブツ…。」

かるく三人前はあるだろう朝食を、ジゼルの好意にこたえたく出来るだけ口につめ込む。




朝食を終えてから、皆のドレスを用意してジゼルの髪をとかすとエマの屋敷に向かいだした。




二人で登る坂道は昔より早く登り終え、門番に話をすると玄関の中で待つ事に。

「…アリス…大丈夫よ…」

アリスの後ろで小さく声が聞こえ、久しぶりで少し緊張した肩はジゼルの声で解れた。



「…アリスッ!!!」

声と同時に優雅な腕の中へ抱きしめられ、エマの腕の中は以前の悲しい腕じゃなく暖かいものだった…

「エマ様、お久しぶりです…」

「ずっとあなたが来るのを待ってたのよ…。アリスまた綺麗になったわね、……あら?」

後ろに見えるジゼルに気づき、膝をおとして近づく

「なんて可愛いお嬢さんかしら…。ごきげんよう、私の名はエマ・ドニエよ。」

「初めまして、エマ様…。名はジゼルと申します。」

アリスを見ながらエマは笑みを浮かべ、ジゼルにキスをする

「うふ、お会いするのは2度目ね?可愛いジゼル。。

エマとジゼルは微笑みあった。



それ以上は何も聞かず…。あの宝箱の様な懐かしい部屋へ案内された。

「…さあ、お入りになって。」

「…。」

一年前と変わらない光景が目にひろがる。

「…、アリスが来るのを待ってたはずよ?」

手に持ったドレスを広げてアリスは遅くなっってごめんなさいと、皆の髪を撫でた。


全てに仕上がった服を着せるとジゼルはアリスの手をとり、アランのネックレスへ近づけた。

「アリス、さ…名前を呼んであげて…?」

冷たいオニキスのネックレスに触れながらそっと名前を呼ぶ。


『アラン…。アラン起きて…?遅くなってごめんなさい…。』


ゆっくりと眠った瞳が開く-----



彼らが目覚めていくのを私は半ば呆然と見守っていた----


目の前の光景が信じられず、ただ涙だけが頬を伝っていて…。




皆はゆっくりと流れおちる涙を見つめ、私が泣き止むのを待ってくれてた。。。


そしてなぜ、今目覚める事が出来たのかゆっくり説明してくれたのだった。


リディ

『あなたの曾お祖父さんが亡くなってから、私達はこの器を離れなくてはならなくなったの。オーナーの命に背く事が出来ないそれが精霊人形エレメンタルドール。』

クロード

『精霊の力ってのは君達、人間にとっては危険なほどにつよいものなんだ。目覚めた私達は独自の意思と感情を持つがこの器の人形に入ってる間は力を制御されている。』

シャルル

『人形の身体から解放されてしまった僕達は文字通り自由の身…。僕達は個の意識こそあるが実態を持たない存在なのだよ…。だからどこにでも行けるし、どこにでも存在できるんだ。君が寂しがっているのを見てすぐにでも目覚めたかったが特別な力を持つ人形師の助けがいるんだ…アリス。君のようにね。』

アラン

『だからお前の呼ぶ声で目覚めれる日を、俺達は長い時をずっと待っていた。』

リディ

『実態を得るための器、あなたの願い、自然と密接にある私達精霊の力…。全てが揃うのが、今だったのよ。』


皆の話を聞いていて、ようやく私にも事情がつかめてきた気がした。


「皆は…ずっとずっと…長い時間を生きてるのよね?精霊に器が、精霊人形エレメンタルドールの身体があれば、私の命がある限り…ずっと…また眠る事はない?」


思わず聞いてしまった私に、皆は顔を見合わせ苦笑いをした。


クロード

『それについては…』

アラン

『ここからが本題だ。俺達の身体には創造主のお前の曾じいさんが埋め込んだ石の力がある。だから俺達は戻ってこれたんだけど…一度でも離れた身体に長くは居れねぇんだよ、魂が石と同化しちまったら純然な精霊じゃなくなって----』

シャルル

『精霊に戻れず、-----存在ごと、消滅するしかないんだよ』

リディ

『長くて来年の(栄光の三日間)ね。それ以上身体を使うと石が私達と溶け合ってしまうわ。』


目の前が真っ暗になる思いだった。一瞬、勝手に私はずっと…一緒に居れると思ってしまったから。。。

曇る表情にアランが茶化す。


『お前また泣くのか?!ばか!一年も居れるじゃねーかっ。いくら俺と一緒に居たいからって----』

シャルル

『アランの様な乱暴ものはほっとくといい、僕がエスコートするよ?アリス姫。庭の薔薇でも見にいくかい?』

アラン

『はぁ?女みたいなカッコして、だいたい…お前がそんなかっこではアリスが恥ずかしいだろっ!』

シャルル

『…っ!!!』

クロード

『…下品な殿方ばかりで困るな。私は本の続きが読みたい。』

リディ

『アリスさんが困ってるじゃないの、私と女同士で…』


先ほどまで眠っていたとは思えない賑やかな部屋の中。

「ぷっ…はははっ!」


ジゼルと顔を合わせて何だか滑稽なやりとりにふきだしてしまう。


…少しでも皆と一緒に居れる時間を大切にしよう…



急な展開にとまどいながら、そう前向きにアリスは自分にいい聞かせた。









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