1
前作バルゼリア物語 黒髪の公爵達の続きです。
魔族の公爵であるアシューリスとの戦いに敗れて女神アイリスから授かった聖剣も折れ、甲冑も壊れたラーナドゥール王国の黒髪の公爵ルシアスは仲間と共には母国であるラーナ大陸の大国である光神シェイダルのを信望して国教とするラーナドゥール王国の国王であるエディの元へ現状を報告しに来ていた。
「申し訳ありません、エディ陛下、アイリス様に授かった剣も折れ聖なる甲冑もその効力を失いアシューリスも止めらませんでした、、、、」
「顔を上げてください、ルシアス、一先ず貴方達が無事に戻って良かったです」
ルシアスの報告を聞いた臣下の一人が口を開く
「しかし、、、、、聖剣が折れたとなると魔族を封印することはもうできないのでしょうか?」
「、、、、今一度レイノルズ王国の竜王の住む山へと登りアイリス様と交信をするつもりです」
「分かりました、、、ルシアス、これからは魔族の問題を貴方達だけに背負わすつもりはありません、あらゆる情報を集めもし魔族達が目覚めた時はこのラーナドゥール王国全体の諸侯や貴族達と協力して戦いに加わりましょう」
「ありがとうございます、陛下」
「いいえ、ルシアス、貴方達に重いものを託させすぎました、マナ司祭にルヴェーラ殿、それにアルマもセシルさんラルフも皆さん無事でよかった、、、、ルシアス、そこの方は?」
「お初にお目にかかります、私はこの大陸の南の島国である紫国の王女アヤ・イスルギと申します。」
「一国の王女とは失礼いたしました、私はエディです、こちらこそよろしくお願いいたします、アヤ殿下」
「エディ陛下!アヤは物凄い剣の使い手なんですよ!私やマナも窮地を救われました」
「そうですか、一国の王女を連れて来るとは聞いていませんでしたのでおもてなしの用意もしておりませんでしたがささやかですが宴を開きましょう、アヤ殿下、その時に是非、紫国についてお聞かせください、誰かルシアス公達を客室へと案内してください」
「ハッ!エディ陛下!、、、アカトス公爵閣下、並びに皆様どうぞこちらへ」
「ありがとう、エディ陛下それでは失礼いたします」
客室に案内されたルシアス達は呼び出されるまでそれぞれの部屋に入って休むことにした、ルシアスは王都の外に居るドラゴンである親友のバルアと交信する。
(バルア、アイリス様の元へは俺とマナしか行けないけど、以前の様にレイノルズ王国の山の途中まで俺達を運べるか?)
(承知した、我が身体はまだ完全な成体にはなっていないがおまえとマナをコーレリア諸島へと運ぶくらいなら容易いものだ。いつ発つのだ?ルシアスよ)
(明日の朝皆に告げるよ、その後皆にはレイノルズ王国の王都で待っていてもらうつもりだ)
(分かった)
「ふぅ、、、これで、よし」
ルシアスは折れた聖剣と甲冑を袋に入れると暫くするとドアをノックする音が聞こえる、ドアを開けると使用人が上等な服をルシアスに渡す。ルシアスが服着替えるとを再びドアをノックする音が聞こえてくる。ドアを開けると今度はドレスを着たマナとアルマがたっていた。
「ルシアスも着替えたんだね!私達のはどう?」
「あ、ああ、とても綺麗だね」
アルマに軽く返事をして普段司祭の服以外を着ないマナのドレス姿をみたルシアスの鼓動は早まった。マナは恥ずかしそうにルシアスに言った。
「小さな頃しか着たことなかったけど、どう?似合うかな?」
「とても似合うよ、マナ」
「あ、ありがとう、、、ルシアスも似合ってるよ」
「俺もあまり着た事ないから少し不安だったよ」
「お熱いね~!私はルヴェーラを呼びにいくよ二人は先に行っててね」
アルマが去ると貴族の服を着たラルフと男装のような恰好をしたセシルが通りかかる。
「二人とも着替えたのね」
「平民出の私がこんな服で王都の宴に参加するなんて、、、」
「気にするとはないわよ、ラルフ、貴方も英雄の一人なんだから」
「はい、セシルさんありがとうございます」
「ところでアヤは?」
「アヤさんはエディ陛下がエスコートしたようですね」
「分かった、俺達もいこうか」
ルシアス達四人は広間まで向かった。
広間に着くとラーナドゥール王都の貴族達が集まっていたルシアス達四人と少し遅れたアルマと普段のローブ姿のルヴェーラがやって来るとドレスを着たアヤを連れたエディが口を開いた。
「皆さん今日はこれから友好国となる紫国のこちらの王女アヤ・イスルギ殿下を歓迎して急遽宴をひらきました、このラーナドゥール王国の為に尽力する皆さんへの労いでもあります、今夜は思う存分楽しでください!ラーナドゥール王国と紫国に栄光と繁栄を!!」
そうエディ演説を終えると宴が始まった。
ルシアスとマナ、セシルとラルフ、ダンスをする中ルヴェーラが一人のアルマに声を掛けた。
「ジャン君が恋しいですか?アルマ」
「うん、離れてみるとそう思う、、、、」
「そうですか、また会いに行かないといけませんね」
「、、、うん、ところでルヴェーラは何で着替えなかったの?」
「私には貴族の服は似合いませんよ、、、、、、それにこの服は私がお師匠様から一人前と認められた時に頂いた服ですから」
「ごめんね」
「、、、、いいえ、、、、魔法使いはその命を失った時はこの世の根源に還り安息を得て再びこの世に生を受けると言われています、今は私はこの命が尽きた時その安息の場所でお師匠様との再会を期待しています、それまではルシアスやマナ、貴方達と共に懸命に生きなければいけませんね」
「ルヴェーラ、、、、」
「私はこの辺で失礼しますよ、アルマ寂しいかもしれませんがそれは貴方がジャン君をさらにに大切と深く思う機会でしょうからその心を大切にしてください」
「、、、うん、ありがとう、ルヴェーラ」
ルヴェーラが客室に戻りアルマがもの思いにふける中アヤはバルコニーで一人街の様子を見ていた。そこへ臣下達と話を終えたエディがやって来る
「今日の主役が一人ですか?殿下」
「エディ陛下、、私は王女なれど剣しか知らない女です、それに見てください、ここから眺める街はとても美しくて飽きません」
「この国の先代の王であるエイベル陛下も良く街の景色を眺める様に私に勧められました、アヤ殿下きっと貴方もエイベル陛下の様に国と民を愛する方なのだと思います」
「エイベル陛下とはどのような方だったのですか?」
「かつて私達の国は今、友好を結ぶ何の罪もないレイノルズ王国の祖である銀の民達の住むコーレリア諸島へ攻め入りました、どちらの国も人が死みに憎しが増す、そんな時代にエイベル陛下は聖戦といわれたその戦争の愚かさを感じていた方でした、エイベル陛下がレイノルズ王国の現国王ディレート陛下と友好を結ばなければ憎しみばかりが募っていたでしょう、私にとってエイベル陛下とディレート陛下は英雄です」
「ディレート陛下は如何なお方でしょうか?」
「ルシアスから聞いているかも知れませんが銀の民は呪われた魔族の中でその呪いを跳ねのけた者達の子孫達です、ディレート陛下は誇り高く常に臣民を念頭に置き銀の民を導いてきた偉大なる王です、その人柄はとても信頼されていて私も信頼しています」
「剣の腕も非常に高いと聞きます、ディレート陛下にお会いするのがますます楽しみです、そしてここで優しきエディ陛下貴方と会ええたのは私にとっても紫国にとっても大きな意味になりそうです」
「光栄です、アヤ殿下、寒くなりましたね、中へ入りませんか?」
「はい、陛下」
アヤとエイベルはワインを飲みながら紫国の祖先や妖魔と呼んでいた魔族の話をした、そしてそれぞれは宴の中を過ごした。




