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第一話 セナ・ルーベルグ

別視点だぜ!!!

「私は罪を犯しました……」


私は罪を殲悔することとする。

女神さまに。


「どのような罪ですか」


女神のように儚く美しい教皇さまは罪を犯したことはないだろう。

女神さまに僕の殲悔を聞いてもらうのは少し畏れ多い……


「人を……殺めました……」


人を殺めなければならないような深い事情はなかった。

ただ、仕事だった。そんな理由で人を殺めた。


「何人殺めたのですか」


教皇さまは聖母のように穏やかな表情だった。


「わかりません……もう覚えていません…」


お金を稼ぐために父に暗殺者ギルドに放り込まれた。

周りの暗殺者たちはしばらくすれば人を殺すことに何も感じなくなるって言ってたけど僕はそうはならなかった____

数さえ覚えていないなんて教皇さまはどう思うだろう……

でも教皇さまはそうですか、といって微笑むばかり。


「後悔、していますか」


「いつも後悔しています…でも、生きるためには人を殺さなくてはいけなくて…

もう死にたい。教皇さま、どうかぼくを殺してください。」


つい先日も…僕は、


「貴方は、私に罪を犯してほしいのですか。」


教皇さまの表情は変わらない。温かい声だ。


「あ……違うんです。教皇さまのような人のお手を煩わせようなんて…愚かでした……」


そうじゃない。

そういう意味じゃなかったのに、なんで僕は……


「貴方は自分で自分を許すことができない」


僕は自分を許せない。でももし教皇さまが僕を許してくれるなら……


「…はい……」


それなら、と教皇さまはは続ける。


「私が、貴方を許します」


ああ、やっぱり貴方は許してくれた。


「っ!ありがとうございます…!!……











なんてね……」


そう、僕はつい先日も、殺しを楽しんでしまった……


「僕は人を殺すのがきもちぃ…。周りの暗殺者たちでさえも僕を恐れる。だけど貴方が許してくれた。どうか僕に殺させて(快感を教えて)よ。」


僕は教皇さまのほおに刃をそっとあてる。教皇さまの真っ白なほおに赤が垂れる。

しかし教皇さまは聖母のような微笑みを崩さない。

あろうことか教皇さまの美しい手が僕のほおに添えられる。


「神は貴方を見捨てません。決して」


教皇さまの透き通った瞳と声が僕を貫く。

優しい目なのに…すごく怖くて……そんな目で僕を見ないで!


「神なんてどうでもいい!教皇さまなら許してくれますよね、」


「はい。貴方の罪を許します」


「あ…………♡」


あの教皇さまが……女神さまが、神を否定した!それも、僕のために!


僕は確信した。これで夢が叶うと。

さあ、一緒に…


僕は女神さまを見る。


「なんで…死な(消え)ないの…」


毎日教会で祈りを捧げて神に身を捧げたはずの貴方が……神を否定した僕に相変わらず、ただずっと微笑んでいた。

……そんなの、おかしい。

教皇さまは神を信仰していて、今、神への信仰で一番の禁忌(タブー)を犯した僕を許した教皇さまも僕も、天罰によってこの世から消えてなくなるはずなのに……

教皇さまとなら消えてもいいかもなって思ったのに、


そして教皇さまは困ったように微笑む。


「…残念です。神を否定してしまいましたね」


え…………?


「え……うそ。」


僕の体が透けていく……僕だけが、


「貴方も…一緒に」


神を否定した僕を、優しい教皇さまは許してしまった…つまり共犯者……

自らの信仰する神を否定したから神により天罰がくだるはずなのに、


なんであなたは消えないの…?


教皇さまの優しい瞳がこちらを見据えた。


「いや……死にたくない…」


教皇さまが悲しそうな顔でこちらを見る。


「どうか祈ってください。そしたら助けられます」


消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない消えたくない


だれか…誰でもいいから、、助けてください。


僕は恥知らずにもそう願ってしまった。





そこから先の記憶はありません。

ですがこれだけはわかります。教皇さまが…神が助けてくださったのだと。

僕はあの方を自分の罪滅ぼしの為に殺そうとしたのに、僕の体が消えかかると焦って助けてくださった。

僕は恩義に報いてこの教会で神に仕えることにします。

しかし教皇さまが神を崇めていないとなるとはたして、教皇さまはここ(教会)でいったい何を崇めているのでしょうか……いや、そんなことはどうでもいいでしょう。

僕は、僕と同じ迷える人を導きます。


いつ何時(なんどき)も優しい教皇さまをお守りする忠実な信徒でございます。

どうかお見知り置きを。

僕の名前は、


セナ・ルーベルグ


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