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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
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誕生日前時 ー開始ッッー

今日は超特大ビッグウルトライベント。


愛しの彼女の誕生日だ。


いやっふーだ。

カモンレッツゴーだ。


つまりはそういう事だ。


授業をしている時でさえ、俺は自分のテンションに気を配った。

エミリーに祝言は述べたが、今夜からが本番だ。


昨年は一緒に過ごせなかったし、あの時のエミリーは楽しそうではなかった。

今年は楽しい思い出にするつもりだ。


マオとフィルもパーティに出席するし、賑やかになることが予想される。

そこで俺がエスコートをし、格好いいところも見せたい。


期待が止まらないな。


自室で身嗜みを整える。

水を固定魔術で固め、鏡の代わりにしている。


コンコン


扉がノックされた。




ーエミリー視点ー


今日は私の誕生日。

昨年は散々だったけど、今年はシャルがいる。

楽しみだ。


三人からお祝いの言葉をもらった。

そういえば、私はシャルの誕生日を知らない。

後で聞いておこう。


パーティの後はどうしよう。

シャルとの約束を果たすべきだろうか…

その前に、シャルはそのことを覚えているだろうか…


『初めては私の誕生日に』


もうシャルとはしてしまったから、初めてではないけど。

それでも、シャルに確認しておきたい。


いつものように髪を編んで、ドレスを着て、鏡で自分の姿を確認する。


「お似合いです。お嬢様」

「ええ」


メイアが褒めてくる。

だけど、やっぱりシャルに褒められた方が嬉しい。


シャルは結んだ髪といつもの髪、どっちが好きだろう。

どっちも好きと言ってくれそうだ。


シャルは賢くて、優しくて、私のほしい言葉をくれる。

その度にシャルが好きになって、また愛してほしくなる。


シャルに今の私を見せるのだ。

綺麗になった私を。


でも、きっとマオやフィルも同じように準備してくるのだろう。

その時、シャルは三人同時に褒める。

私だけではなく、三人に。


それは少し…


……今日は私の誕生日だ。

だから、少しくらいの我儘は許してくれる。



シャルのところに行こう。




ーシャル視点ー


扉がノックされた。


「シャル?」


エミリーの声だ。


扉を開け、出迎える。

パーティ用に御粧(おめか)しした姿に一瞬ドキッとする。


エミリーが中に入り、ベッドの縁に座る。

俺も彼女の隣に座る。


「どうしました? エミリー」

「………その…」


言い淀むエミリー。


緊張している声音だが、それを解して欲しいのだろうか?

それとも、ただ一緒にいたいだけ?


「そうだエミリー。改めて、誕生日おめでとうございます」

「ええ…ありがと」


今日でエミリーは13歳か。


13歳…


え、若っ!


見た目と精神年齢に対する実年齢が狂っている。

既に彼女たちの体と精神は大人に近いのだが、まだそんなに若かったのか…


まあ、俺も同じ体と()()を持っているのだが…


体が若くなれば精神年齢も若くなる。

これは絶対だ。

そう。

絶対だ。


「…シャルって………」

「はい」


と、『世界の理』を考えていたら、エミリーが口を開いた。

だが、なかなかその続きを話そうとしない。


「…私より年下……なのよね?」


違うよ。


「そうですね」


そうかもしれない。


「なら…もっとお姉さんらしくした方がいいかしら…」


ん?

そんなことで悩んでたのか?


もちろんお姉さんも嫌いではないが、俺が好きなのは…


俺はエミリーの手を優しく掴む。


「僕が好きなのはあなたらしいエミリーです。今のままでいいですよ」

「そう…かしら…」


彼女らしくない自信の籠っていない返事だ。


答えを間違えてしまっただろうか?

俺の求めるエミリーは今のエミリーで、彼女の求めるものは年上の女性らしさなのだろう。

意見のすれ違いだ。


だが、お互いに好きなエミリー、なりたい自分で一致している点がある。

それを今から伝えよう。


「エミリー」

「…?」


俺が呼びかけると、エミリーは可愛くクエスチョンを浮かべた顔をする。

この後の反応が楽しみだ。


「僕は、そうやって努力するエミリーが本当に大好きですよ」

「っっ……!」


手をギュッと握ってくるエミリー。


彼女を照れさせるのは俺の専売特許だ。

褒めるのは好きだし、彼女の照れた姿を見るのは更に好きだ。

その度に自信が出てくるし、更に惚れる瞬間でもある。


「シャル…」


身を寄せてくるエミリー。


この時のエミリーには見覚えがある。

誘ってくる時や我慢できない時、彼女はよく身を寄せてくる。


「約束…覚えてる…?」


む?

予想が外れた。

てっきりこのままベッドインかと思ったが、ただの問いかけだった。


それにしても、約束か。

ひょっとしなくともあの事だろう。


「初めては誕生日の日に、ですか?」

「……うん」


やはりそうだった。


既にエミリーは初めてを迎えたが、覚えていてくれたのは嬉しい。

エミリーも期待していたのだろう。


だが、もうすぐでパーティが始まる。

今している時間は無いだろう。


「パーティが終わったら2人きりになりましょう」

「…………」


ご不満なようだ。


困った。

こういうエミリーも好きだが、時間が時間だ。


というか、折角の綺麗な姿を乱してしまうのも気が引ける。

いや、そういうエミリーも見ていたいな。

凄く見てみたい。


だが…


「シャル…」


エミリーが体重を寄せてきて、押し倒されてしまった。


ドレス姿に、綺麗に編まれた髪。

何かに耐えているような表情。


初めてエミリーに押し倒され、俺の頭もくらくらしてしまう。


「エミリー…」


やばい。

俺もその気になってしまった。


エミリーに触れられてる肩に力が入らない。

跨られたら腰に意識が向いてしまう。

このまま(みだ)れてしまうのか。


そっとエミリーの横腹に手を置いた。


コンコンコン


「「 !? 」」


扉のノックされた音。


俺もエミリーも驚いた顔でそちらを見る。


「シャル様、いらっしゃいますか?」


メイアさんの声だ。


返事をするか迷う。

俺を探しているのだとしたら、居留守をすれば入ってこないはずだ。


「ちょっ…シャル…!」


エミリーが離れようとしているが、そうはさせない。

そっちが押し倒してきたんだ。

責任は取ってもらう。


ガチャ


あれ?

どうやら、俺の考えは間違っていたようだ。


エミリーに押し倒された姿を見られる。


「…………何をしてらっしゃるんですか?」

「……すみません」


寝転がりながら謝る。


俺の手は未だエミリーの横腹に置かれ、彼女を離さんとしている。

こんな状況を見られたんだ。

言い訳ができないのなら、今はこの瞬間を楽しむ他ない。


「……もう少しでパーティが始まります。お早めにご用意を…」

「はい」


呆れられた顔で扉が閉められる。


もう少し遅く来られたら危なかった。


あと少しで大切なパーティがあるのに、体を火照らせたエミリーに押し倒されて、抵抗虚しく体を任せてしまうところだった。


全く、エミリーの性欲の高さにも困ったものだ。

唯一、性欲が通常なのは俺とフィルだけか。


さて、パーティにでも向かうとするかな。


「…?」


と、未だ俺の上に乗っかりながら、エミリーが恨めしい目でこちらを見ていた。


何故、そんな目をしているのか分からない。

心当たりは無くはないが、分からない。


「シャル」

「はい」

「…………」

「すみません」

「ん」


エミリーが俺から降りる。


きっと、ノックがされた時に離れないようにしたのが駄目だったのだろう。


だが、あれはしょうがない。

エミリーが乗ってきたんだ。

俺は落っこちないように安全バーを掛けてあげただけだ。

何も悪いことはしていない。


それにしても、ドレス越しの体というのもいいな。

エミリーのスタイルの良さも去ることながら、乱してやりたい欲求が高まってくる。

あの綺麗に編まれた髪も俺が解いてあげたい。


「シャル、行くわよ」

「はい」


ベッドから降りて、パーティ会場へと向かう。



今夜は楽しくなりそうだ。



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