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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
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龍王国 到着! ー遂にやってきたー

龍王国に着いた。

3週間ほど移動した。

思っていたよりも早く着いた。

レノアーノ王国と龍王国が近いのもあるが、この世界の馬は丈夫だ。

一日中走っているのに、夜休めば余裕の表情を浮かべているのだ。



龍王国領地内には城壁は無い。

あるのは大きな街1つ分ほどの盛り上がり。

その丘も平坦ではなく、かなり大きくて緩い凹凸がある。

その線に沿って建てられているのはレノアーノとさほど変わらない家々。

だが、その中央には遠目でも分かるほど荘厳な城がある。


「シャル! あれ龍王の城かしら!」

「多分そうですね」

「おっきいわね!」

「ほんとですね」


エミリーもテンションを上げている。

俺もいよいよということで内心盛り上がっているし、周りもソワソワした様子だ。


「フィルティア」

「ん、なに?」


俺の突然の呼び掛けにフィルティアがこちらを向く。

少し邪なことをしてやろうと思ったのだ。


「あの城、おっきくないですか?」

「…うん? おっきいね」


よし。

満足だ。


「どうも」

「……?」


何だか分からない表情を浮かべるフィルティア。

だが、それでいいのだ。

うん、それがいいのだ。


「あと、マオ」


マオに肉を渡す。

今のうちに食欲を満たしておくのだ。

国内で『竜肉はどこだ?』とか言い出したら国交問題になりかねないからな。


「む、悪いな」


肉を渡すと、マオはそれをパクっと口に運んだ。

その動作を何故だかじっと見てしまう。


「ん…なんだ?」


おっと、見入ってしまっていた。


「いえ、別に」

「そうか?」


何故だろう…

マオに目が行ってしまうのは…

何だか嫁入りする娘を見送る父親の気分だ。

マオが嫁入りするとしたら俺のところだろうに、不思議な気分だ。

何だかすっきりしないな…




国境検査が終わり、予約をしてくれていた宿へと向かう。

謁見まではまだ何日かある。

それまでは予定していた通りにハーレムデートだ。


だが、今日のところはもう遅いので宿に着いたらそこで一眠りだ。

と、目的の宿が見えてきた。


「おっきいねっ、お兄ちゃん」

「さすが龍王国だな」


眼前に佇んでいたのは俺が作った家よりも一回り大きく、そして華美な装飾がされたものだった。

貸し切りにしているので人の気配は無いが、貴族御用達といった雰囲気だ。


「お待ちしておりました、エミリー・エルロード様」


受付のお姉さんは巨乳だった。

露出が多めの服で、肩口が出ている。

だが、その肩は柔肌が顕になっておらず、薄赤色の鱗が代わりに姿を現していた。

冬だというのにこの服を着させられるとは大変だな。


手荷物を預け、軽い食事を取り、部屋に案内された。



その日はそこで1泊した。




ー翌日ー


ようやく今日はハーレムデートの日だ。

胸を踊らせながら支度をする。


「お兄ちゃん、楽しみだねっ」

「おう、そやな」


リオンも乗り気だ。

前は遠慮がちだったが、行くとなったら楽しみなのだろう。


「シャル! 準備できたわよ!」


と、鏡を見ていた俺に、ドアを開けて声を上げたのは一国のお姫様。

いつものように胸を張ったお嬢様はいつにも増して元気があるように見える。


「はい、ではみんなのところに行きましょうか」


身嗜みを確認し終え、フィルティアとマオのところに向かうことにする。

エミリーが迎えるならノックはしないだろうし、着替え中だとしても俺に非は無い。

たとえ裸を見た関係でも、着替えというのは心惹くものがある。

だからエミリー、お願いします。



「フィルティア! 準備できたわよ!」

「ひゃっ……う、うん…」


遠慮無しに開けた先にいたのはベッドの縁に座っているフィルティア。

開扉(かいひ)の音に驚いた様子の彼女は既に準備を済ませていた。

コートを着た温かみのある格好をしていて、完璧な臨戦態勢だ。

彼女も楽しみにしていたのだろう。

フィルティアを連れて、今度はマオの部屋だ。




「マオ!」

「む……少し待て」


部屋には鏡で自分の姿を確認するマオ。


マオは以外にもヘアブラシでその大量の髪を()いていた。

彼女のイメージからは想像つかない光景に目を丸くしてしまう。


正直、マオはそういったことには無頓着だと思っていた。

服も季節関係なく同じ種類のものを着ているし、あざとい仕草とかは見たことがない。

そんな彼女が…


「マオ…ブラシなんて持ってたの…?」


エミリーも俺と同じことを考えていたようで、気の抜けた声を出す。


「まあな、使ったのは初めてだがな」


どうりで梳き方がぎこちないと思った。

マオは困り顔のまま鏡を見ていて、よく分からないといった感情が伝わってくる。


「マオ、僕がやりましょうか?」


マオの手助けを提案する。

俺でもマオよりはブラシに触ったことがあるからな。

触った記憶は無いが、多分マオよりはある。

多分…


「うむ、頼む…」

「はい」


ブラシを受け取って、マオの後ろに回る。


相変わらず多い髪だ。

やり甲斐があるな。


マオの髪を持って、それを流すように梳く。

相変わらず肌触りがいい髪だ。

野性的な髪型をしているが、その手触りはサラサラでずっと触っていたい。


「うまいな」

「どうも」



整え終わり、マオの耳の付け根を一揉みする。


「はい、終わりましたよ」

「うむ……やるな」


マオが鏡で自分の髪を確認しながら褒めてくれる。


「マオの髪は元々綺麗ですからね」

「……ん」


マオが自分の髪を触りながら照れてくれる。

かわえーな。


「ちょっと」


と、不満そうな声が飛んできた。

出処はやはりというか、エミリーだった。


「どうしました?」

「…私にもやりなさいよ」


んー、どうしようか。

時間に余裕はある。

というか、無くてもエミリーの世話は全てにおいて優先されるため、どんな状況でも承諾する。

だが、意地悪してやりたい気持ちが湧いてくる。


「エミリーは十分でしょう?」

「十分じゃないわ」


何言ってんだ。

めちゃめちゃストレートの綺麗な髪じゃないか。


「髪すらまともにとけんのか?」

「あんたに言われたくないわよ!」


相変わらず仲がいいな。

俺も間に入れて欲しいな。

できれば胸の間とかに。

まあ、そろそろ優しくしなきゃだな。


「マオ、すみませんが…」

「ん? わかった」


マオが椅子を立ってくれて、その足でベッドに座る。

背中を見られる状態で少しやりずらさを感じる。


「エミリー、どうぞ」


椅子を少し引いて促す。

エミリーが座ったあと、元に戻す。


「エミリーも綺麗ですね」

「ええ」


ブラシを流しながら話す。

エミリーの端正な容姿も相まって、人形の世話をしている感覚になる。

愛おしくて、甲斐甲斐しく世話をしてやりたくなるのだ。

モデルとかのメイクさんはこんな気持ちなのだろうか。


エミリーの髪は艶やかで、サラサラしていて、むらがない金髪は光を反射していて幻想的だ。

ずっと見ていたくなるような、ほっとそこで息をつきたくなるような、そんな魅力がある。


と、ここで少しの違和感に気づく。


「エミリー、毛先整えたんですか?」

「ええっ!」


やはりか。

毛先が綺麗な曲線を描いて、いつもよりお嬢様な雰囲気があると思ったのだ。

エミリーは胸を張って、俺が気づいたことに嬉しそうにしている。


「いいですね、エミリーがやったんですか?」

「………メイアよ…」


あ、やべ。


「ほう、エミリーの髪を切れるなんて羨ましいな」


即興で誤魔化す。

今はジェフを憑依させているから無敵だ。


「そうなの?」


嬉しそうな声音だ。

エミリーは声だけでも感情が伝わってくるな。


「ええ、メイアさんが羨ましいですよ」

「シャルが切ってもいいのよ?」


これは願ってもいないことだ。


「お、では今度メイアさんに教えてもらいます」

「楽しみにしてるわ」

「はい」


和やかな会話が進み、そのまま髪を梳く。



「はい、終わりましたよ」

「もう…?」

「ええ、元から綺麗だったので」

「…………」


お嬢様はご不満そうだ。

俺は髪を崩さないように手を動かす。

そして、エミリーの首に手を置き、優しく揉む。


「続きはまた明日やりましょう」

「……わかったわ」


頬を赤らめるエミリー。

最初は硬かった首も、徐々に弛緩していく。




この後、フィルティアとリオンにもした。



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