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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
21/150

いちゃつき ー離れ離れー

ーメイア視点ー


お嬢様が帰られた。

俯きながら帰られた時は何かあったかと心配したが、どうやらシャル様と一線を超えられたらしい。

お嬢様の魅力は世界一だから当然だ。


シャル様と腕を組むお嬢様はなんとも愛おしくて、(すが)り付きたくなる。


私も甘酸っぱい若き時代を思い出し、今日は眠りにつく。



ーシャル視点ー


エミリーと致した翌日。

僕はエミリーに聞かれた問題を教えています。


「あの……エミリー、そんなにくっつかれると……その…」

「なによ…」


現在、僕はエミリーに左腕を掴まれ、身動きができない状態にあります。

動こうと思えば動けるのだが、エミリーのおっぺぇがあれであれなのでございます。

具体的に言えば超気持ちいいのです。


「いや……その…」


本当は離れて欲しくない。

だが、エミリーにくっつかれているところをフィルティアとマオに見られているのが問題なのだ。

特にマオとはまだしていないし、彼女の気持ちも最近ようやく気づいたというのに、こんな状況を見られてはまた悲しませてしまう。


マオは普段通りの凛とした顔だが、心中穏やかでないのは分かっている。

フィルティアは明らかにむくれている。


「シャル!」


と、フィルティアが席を立って近づいてきた。

ズカズカと歩いてくる彼女は不機嫌そうだ。

だが、顔を赤くしているため何を考えているのか分かりやすい。


「…エミリーとも……したんだ」

「え?」


まさかそんなことを聞かれるとは思っていなかった。

今までフィルティアとしかしていなかったから、ちょっとした優越感を感じさせてしまったのかもしれない。

だが、エミリーも彼女だし、フィルティアだけ特別扱いもできない。

俺は悪いことなんてしていないはずだ。


……うん。

そもそも彼女が3人いるって時点で俺は酷いやつなんだろうが、そんなことは知らない。

だって3人とも可愛いのが悪いんです。

おれ、わるくないもん


「…………」


未だむくれた表情のまま、俺の右腕に抱きついた。

無い胸が押し付けられ、とてもアレがああなります。

ああ…

体が溶かされていく…


「ちょっとフィルティア! シャルに教えてもらえないじゃない!」


先程まで教えさせてくれなかったお嬢様が言いがかりをつける。


「エミリーはもう十分でしょ!」


おうおう

俺のために争わないでくれ、マイハニーたちよ。


だが、俺は正直焦っている。

マオのいる前でこんなことをされているのだ。

俺がどうにかしなければなるまい。


「2人とも、少しだけ離してはもらえませんか?」

「「 …………? 」」


俺がそう言うと、間の抜けた顔をして2人が腕を離す。

俺からこんな要求をしたのは初めてだから、少し怖がらせてしまったかもしれない。

俺は椅子から立ち、もう1人の愛しい彼女の元へと歩く。

そして、彼女の隣の椅子に座る。


「マオー、助けてー」

「「 あ! 」」


俺は彼女に抱きついた。

マオの筋肉質だが、柔らかい体が気持ちいい。


「ふふ…シャルは甘えんぼだな」

「マオが魅力的なので」


俺はスリスリと頭をマオに擦り付ける。

色々と逆な気がするが、マオに甘えるのも悪くない。


「ちょっとマオ!」

「シャルも!」


エミリーとフィルティアが咎めてくるが、気にしない。

今はマオが優先だ。


「シャルが困っているぞ? それでもよいのか?」

「くっ…」

「うぅ…」


2人が悔しげな声を上げる。

そこで、俺はふと思い出したことがあった。


「そういえばマオ、休みの日はどこに行きたいですか?」

「む、言ってなかったか」


マオも思い出したかのような顔をする。

マオの行きたいところは何処だろうか。

地獄だろうが深海だろうが行きたいとならば行くつもりだが、マオはどういった所が好きなのだろう。

一体何処に┈┈┈┈


「私の部屋だ」

「ん? ………あ、はい」


言葉が頭に染みる前に返事をしてしまう。

『ワタシのヘヤ』……


…………マオの部屋?!

部屋ってことはつまり、アレ的なことをするんだろうが…いきなり?


「朝に来い」


…………朝に来い?!

朝に行くってことはつまり…

朝から朝までするってことか?


あらあら、随分と積極的ですね。


「分かりました。ですが、マオは平気なんですか?」


そうだ。

マオは初めてだ。

最初は痛いだろうし、そんなに長くはやっていられないだろう。


「平気だ。獣族の体は丈夫だからな」


ほほう。

本人が言うなら大丈夫だろうが、どちらにしろ慎重に行わなければいけない。


「ほう……分かりました」


真顔で話をするが、内容はえっちだ。

マオには以前こんな話をしたな。

もしかしたら覚えてくれているのかもしれない。


「うむ、よろしく頼む」


マオがそう言って、俺に向かい合って抱きついてきた。

彼女が深く呼吸をする度に体温が奪われていき、背中に鳥肌が立ってしまう。


俺もマオの大量の髪に顔を埋める。

サラサラした髪が顔全体に当たる。

マオの匂いが広がり、心地良さを覚える。


俺が頭を撫でると、彼女の呼吸が心地よさそうなリズムになる。



2人の無言の視線を浴びながら、今日の授業が終わった。




ー翌日ー


今日も今日とて俺はマオと抱き合っていた。

マオの抱き心地はかなりいい。

柔らかい筋肉というのは非常に揉みしだきたくなるような魅力を持っているのだ。


「シャル…」


そこに1人の少女の声がかかる。


「はい」

「マオばっかり、ずるくないかしら…」


寂しそうなエミリーの声。

体をむず痒そうにしながら言う彼女は俺の加虐心を煽る。

だが、エミリーが寂しがっているのに意地悪はできない。


「マオ、少し離しますよ」

「…うむ」


マオの体温から離れ、エミリーへと移る。

マオとは別の匂いが広がる。

お嬢様らしい上品な匂い。

こんなに上品な匂いの持ち主を、俺は好き放題できるのだ。

その優越感だけで俺は誰よりも幸福だと自覚する。


「マオの匂いがする…」


エミリーが顔を埋めて、俺にしか聞こえない声で言った。


「なら、今度はエミリーの匂いにしてください」


俺もエミリーにしか聞こえない声で言う。

すると、エミリーが思いきり俺を抱きしめ、頭を擦り付けてくる。

彼女に求められるのは心地いい。

全身を彼女のものにしてあげたくなる。


「シャル…」


と、もう1人の愛しい彼女の声がかかる。

またもや寂しそうな声に、俺は身を動かす。


「はい」

「私も…したい…」

「ん……エミリー、少し離れますよ」

「うぅん…」


エミリーが曖昧な返事をして、少しゴソゴソと動いてから離れる。


フィルティアに体を向けて手を広げる。

すると、フィルティアは俺にぴとっとくっつくだけに留まる。

俺の胴体にピッタリ収まるその小さな体を抱きしめる。

簡単に折れてしまいそうな体を愛おしく思う。


「フィルティア」

「なに…?」

「好きですよ」

「…………私も……えへへ…」


頭を撫でる。

相変わらず短い髪だ。

掻き乱してやりたいが、その気持ちを抑える。



俺は彼女たちを堪能しながら今日の授業を終えた。



マオの部屋。

授業が終わり、俺はマオの頭をなでなでしている。

マオの毛並みは相変わらず綺麗で、撫で心地がいい。

尻尾も耳も分かりやすく動くのが可愛らしい。


「マオはやっぱり可愛いですね」

「む……そうか?」

「ええ、一生愛でたいくらいですよ」

「そうか……ふふっ」


マオが頬を緩ませる。

マオの笑顔もやっぱり可愛い。

今すぐ襲いたいが、今は我慢だ。

我慢をした末に頂くデザートはこの世の至高ともいえる逸品だ。

今は育てる時間だ。


「では、そろそろ行きますね」

「む、もういいのか?」

「ええ、楽しみは休日にとっておきます」

「そうか…また撫でに来てくれ」


マオが静かに笑う。

その姿は夜に燦然と輝く美しい女夢魔(サキュバス)のように写った。


「はい、次は全身を撫で回しに来ますからね」

「っ……まったく…お前は…」


尻尾をピンと立て、股の辺りをモジモジさせるマオ。

俺は立っていて、マオは座っているため彼女のなかなか見られない上目が俺に向けられる。


やばいな。

いや、やばいな。


俺は目線を無理やりマオから剥がして帰路へと体を向ける。


「では、また」

「うむ」


扉を閉めて、自室へと向かう。

今日はあれで致すとしよう。


途中で催したので、お手洗いを済ませてから自室へと着く。

ドアノブに手をかけたとき、違和感を感じる。


ゴソゴソ


中から布擦れ音がするのだ。

だが、これには聞き覚えがある。

マオが俺に結婚予約(マーキング)をしに来た時だ。

あの時の光景と感情が思い出され、体が(うず)いてきてしまう。


それにしても、マオは待ちきれなかったのだろうか。

俺はトイレに寄っただけであまり時間は経っていないが、獣族の身体能力は想像を超えるからな。

うむ。


「マオー、何してるんで…」


俺のベッドで(すじ)(もじ)りしていた人物が目に入る。

それは猫耳と長尾を持つ、猫の獣人ではなかった。


金髪碧眼の美少女。

エミリー・エルロード様が俺のベッドに寝転がっていたのだ。

ベッドの上には何着かの執事服が散乱し、シーツは乱れている。

懐かしい光景だ。


「え……エミリーさん?」

「…………」


返事がない、ただの(しかばね)のようだ。

だが、エミリーは確かに体力満タンで生きているのは分かっている。

さっきの音は確実に寝返りから出たものではなかった。


「エミリーさーん?」

「……すーっ……ふー……すーっ…」


寝息までたて始めた。

だが、このまま放置しておくのも面白いかもしれない。

エミリーの寝顔は可愛いし、寝ているままならイタズラだってできる。

エミリーは最近イタズラはしてこないが、やり返しの意味を込めてやる分には問題ないだろう。


「なんだ、寝てるのか」


わざとらしく独り言を言って、エミリーを安心させる。

そして、エミリーの頭側にゆっくり座る。


「かわいいなぁ……エミリー」


ぼそっとそう言うと、エミリーが頬を赤くした。

やはり起きているようだ。

次は頭を撫でる。

すると、緊張したように頬を強ばらせる。

こういった反応は俺を積極的にさせる。


「エミリー、起きないよな……?」


エミリーに「起きないでくれ」と暗に伝え、彼女の胸へと手を走らせる。

胸を揉む。

まだ成長途中の胸がある。

エミリーの胸だ。


エミリーの顔を見ると、先程よりも頬を赤くしているのが窺える。



一頻(ひとしき)り楽しんで、今度は腹を撫でる。

滑らかなラインのそれは、図らずとも俺の手をウエストへと滑らせる。

服越しにも彼女のスタイルの良さが分かる。

この前見たばかりの、あの綺麗な体が目の前に寝転がっているのだ。

邪な気が浮かんでも仕方がないだろう。


俺はエミリーの腰へと座り直し、彼女の太腿を撫でる。

起きないことを確認すると、今度は腰へと手をかける。

ズボンを下ろすために。


と、ガシッと手を掴まれる。

懐かしの感覚に一瞬、別の彼女の顔が()ぎる。

俺は顔をエミリーに向ける。

既に半身だけ起き上がった彼女と目が合う。


「おはようございます」



エミリーと隣同士で座り直し、話し合う。


「なんでこんなことしたんですか?」

「………だってシャルが……あんなこと言うから…」


む?

『あんなこと』?

なんか言ったっけか。


「なんて言いましたっけ?」

「…シャルを……私の匂いにしていいって…」


ああ、そんなことも言ったな。


「それで、マオから求婚の仕方聞いたことがあって……それで…それを思い出しちゃって……その…………」

「したくなったんですか?」

「………うん」


少し縮こまりながら頷くエミリー。

頬を染めている彼女は、何かを期待しているようにも見えた。


「続き、しますか?」

「……いいの?」

「ええ、むしろエミリーなら大歓迎ですよ」

「…ん」


照れるエミリー。

俺はベッドに胡座をかいて座る。


「いいですよ、エミリー」


トントンと脚を促し、エミリーを誘う。

エミリーはそれに乗って、俺に(またが)るように座る。

そして、俺を抱きしめてくる。

彼女と俺の間に熱がこもり、妖艶な雰囲気を醸し出す。


俺もエミリーを抱きしめて、体を密着させる。

今夜は本番までするつもりは無い。

マオと致す手前だしな。


しかし、俺の意思とは正反対に動く息子はハッキリと期待を示していた。

どうやら、俺の息子は反抗期らしい。

そういうところは嫌いじゃないが。


エミリーもそれに気づいたのだろう。

彼女の体が固まる。


「エミリー……一応、本番はしない予定です」

「ええ………分かったわ」

「ありがとうございます……今日はこのまま寝ましょう」

「……ええ」


部屋の明かりを消して、エミリーと添い寝をしながら寝る。

エミリーの息が胸にかかって熱くなる。

俺の体はすっかり火照って、寝るのに時間がかかりそうだ。

息子は未だに起きていたそうだしな。


そして、エミリーが体全体を動かしているのに気がつく。

エミリーの体が擦れて俺もその気になってしまう。


「あの……エミリーさん?」


本番はしないと言ったはずだが、エミリーが焦らしてくる。


「『本番』っじゃ……っ…ないわ」


確かに本番ではない。

ではないのだが…


「これでは僕もしたくなっちゃいます…」

「…………」


俺がそう言っても、彼女は止める気配を見せない。

いつからこんなことを覚えたんだ。

末恐ろしい子だ。


そして、俺はやられたらやり返す子だ。

いくぞ! エミリー!


その夜はやり返した所為で僕も我慢できなくなり、最後までしてしまいました。



翌日、案の定フィルティアとマオには嫌な顔をされました。

だが、明日はマオと長い1日が待っている。

その時はたっぷり可愛がってやるつもりだ。

楽しみだぜ。

ぐへへ



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