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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
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迷宮デート ー初めての経験ー

エミリーと迷宮デートの日。

今回も門前が待ち合わせ場所で、既にそこには馬車が用意されている。

1時間前に門前に着き、自分の身嗜みを確認する。

そして、エミリーが来るまで魔術の練習だ。



エミリーが来た。

彼女は「どこに出かけるんですか」と聞かれたら、「花摘にでも」と答えるようなお嬢様の格好をしている。

純白のドレスに身を包んだ(エミリー)がいた。


「エミリー、今日は一段と綺麗ですね」

「ま…まあね!」


俺たち迷宮に行くんだよな?

先に馬車に乗り込み、エミリーへと向き直る。


「さ、お嬢様。御手を」

「…ええ」


エミリーの手を握り、馬車へと乗らせる。

彼女が俺の向かいの位置に座る。

控えめに繋がれた手を放すのが悲しかった。


ここに来る前、メイアさんに『最近は人攫いが増えているので用心を』と言われた。

だが、馬車で向かう上、俺がいるんだ。

大丈夫だろう。



迷宮に着いた。

外から見ればただの洞窟。

洞窟…なのだが、それには明らかに人の手が加わっているのが分かるほど整えられている。


まず入口が四角だ。

半円状だと想像していたが、あまりにも…

そして、その輪郭には崩れないようにレンガで補強がされてある。


まあ、初心者用の迷宮なんてこんなものか。

現在は貸し切っているため人がいないが、周りには屋台みたいなのもある。


現在、俺はエミリーのお召替えを待っている。

俺の装備は肩当とかそこら辺と、中にチェインシャツを着込む軽装備だ。

そして、旅用具の入ったリュックも。


「シャル!」


扉が開けられる音と同時にエミリーの声が飛ぶ。

振り向くと、白鎧を上半身にだけ着て、俺と同じく膝当てを着けている。

腰には鞘に収まった剣がある。

俺の頭の中に戦乙女(ワルキューレ)の単語が()ぎる。


「様になってますね。エミリー」

「ふふんっ」


今日のお嬢様はご機嫌だ。

俺もエミリーと一緒にいられてご機嫌だ。

エミリーとはいずれ冒険に出かけたいな。

まあ、叶わないだろうが。


「では、行きましょうか」

「ええ!」


いざ、迷宮探索だ。



中は思ったより綺麗で、迷宮とは呼ばれてはいるが、迷う要素が見つからない。

基本一本道で、左右に分かれ道があるが、そこに行くと小部屋がいくつかあるだけであとは行き止まりだ。

なんという親切設計だろう。


一応、奥まで探索するとなると数日かかるらしいが、今回はそこまでは行かない。

迷宮の中は真っ暗という訳では無く、火を灯さないと歩きずらい程度。

俺はエミリーにも視覚強化(リンフォース・アイ)を掛けて歩く。


途中、魔物に襲われたりしたが、俺が全て返り討ちにした。

だが、エミリーが恨めしそうに見てきたので、それからは全てエミリーが切り伏せた。

すっかり剣筋も鋭くなり、そこらの冒険者よりも強くなったと思われるお嬢様は逞しかった。


「見て! 宝箱よ!」


エミリーが嬉々としてその箱を指さす。

それは如何にもな宝箱。

俺は迷いなくそれに火を放つ。


「えっ!?」

「あれはミミックですよ」

「………知ってたわよ」


嘘である。

あの顔は今にも箱を開けたがる子供の顔だった。


「それより! 先に進むわよ!」


誤魔化すように声を上げる。

エミリーもまだまだ子供だな。

ベッドの上ではあんなにいやらしいのに。


と、横道に不自然な光があるのを発見する。


「エミリー、あれなんだか分かりますか?」

「んー…………わかんないわね」


エミリーも目を凝らして見るが意見は同じ。

一応、罠の可能性もあるが…


俺はエミリーと見つめ合う。


「行きましょう」「行くわよ!」


意見が一致して光の元へ向かう。


「エミリーは冒険とか好きですか?」

「ええ、好きよ」


エミリーの『好き』発言は何時でも心を跳躍させてくれる。


「じゃあ、エミリーが王様になった時は一緒に行きませんか?」


エミリーと2人きりの冒険。

想像しただけで心が踊る。

今も同じことをしているのだが。


「ええ、2人きりでねっ」


火に照らされながら含羞む彼女。

胸がドキンとして、光の先にベッドがあることを願ってしまう。

エミリーの笑顔の破壊力はやばい。

国1つぐらいは余裕で破壊してしまいそうだ。


「楽しみがまた増えましたね」


そう言って、エミリーの手を取る。


探索中だというのに片手を塞ぐのは愚かな行為かもしれない。

だが、初心者用の迷宮だし、俺は片手があれば十分だ。

エミリーも片手で剣は振れるし大丈夫だろう。


「シャル…?」

「はい、なんでしょう」


エミリーが目を逸らしながら名前を呼ぶ。

美少女が照れながら俺の名前を呼ぶのは、いくつになっても胸が高鳴る。

今すぐエミリーに『忠誠の誓い』をしたくなるが、あれは駄目だろう。


「その…もう一度……『忠誠の誓い』をしてくれないかしら…」


…?

……え?!


「それって……」

「もちろん、なんの意味もないことよっ? だけど……分かってるんだけど………その…」

「して欲しいんですか?」

「………うん」


なるほど。

エミリーがそう言うのならやってあげたいが、大丈夫なのだろうか。


だが、気持ちは分かる。

前世でいう推しの子に「好きだよって言ってください」って言うようなものだろう。

相手にその気が無いと分かっていても、そういう言葉や行動ってのは心にくるものだ。

ならば、俺のする行動は1つだ。


俺は掴んでいた彼女の手を持ち、そっと膝をつく。


「では、しますよ?」

「……ええ」


エミリーの準備された手を見る。

そして


「エミリーに忠誠を捧げます」


甲にキスをした。


「ちょ、ちょっと! そっ…そういうのは…」


エミリーが動揺の声を上げる。

火の光だけでも分かるほど耳を赤くしている。

本番の『忠誠の誓い』の時に見たように、手を口元に置いて照れている。

もっとその顔を見たい衝動に駆られる。


「嫌でしたか?」


だから、少し意地悪をする。


「えっ……い、いやじゃ…ない…わよ」


片手で顔を覆って、赤い顔を隠す。

指の隙間からこちらを見ているのが窺える。

掴んでいた彼女の手をそっと離し、立ち上がる。


「では、探索を続けましょうか」

「……ええ」


少しだけシュンとしたエミリーを見ると、俺も寂しい気持ちになってしまう。


「またして欲しい時は言ってくださいね」

「っ………ええ」


エミリーは可愛いな…



光のある部屋の曲がり角まで着き、そこにしゃがむ。

そして、人形生成(クリエイト・ゴーレム)を唱え中に入らせる。

作ったのは3体の半身サイズ人形だ。

与えた命令は『中を隅々まで歩け』だ。


人形たちが部屋に入る。


「シャル、それなに?」


やべ。

まだフィルティアにしか教えていなかったな。


「土魔術の1種ですよ」

「ふぅん」



少し時間が経ち、人形たちが動かなくなるのを感じると、魔術を解除する。


「罠の心配は無さそうです。入りましょう」

「ええ」


中へと入る。

すると、真っ先に目に飛び込んできたのは幻想的な両取手の付いた花瓶のようなもの。

祭壇に献上されているように置かれているそれは、この迷宮には場違いなほど美しい。

下側が太く、そこから上部に行くに従って滑らかな曲線を描いている。

瓶全体が青白く光っているため分かりずらいが、その表面には精巧に彫られた刺繍がある。


「綺麗ね…」

「はい…」


やべ。

「エミリーの方が綺麗ですよ」と言いそびれた。

俺としたことがなんという不覚。

だが、この瓶はなんだ?

こんな精妙に作られたものは見たことがない。


「これも調べます」


そう言って、掌サイズの人形を作り、瓶に触らせる。

コンコンと叩かせたり、摩って調べさせたりしたが、何も起きなかった。

人形に肩を竦ませてから魔術を解く。


「中を確かめましょう」

「…ええ」


祭壇を上り、瓶の中を覗き込む。

中には迷宮の中にあるものとは思えないほど透き通った水があった。

もっと淀んでいたり、死骸や何かがあるかと思ったが、それとは正反対だ。


「綺麗ね…」

「そうですね…」


やべ。

また言いそびれた。


部屋を見渡すが、この中身を使って何かするようなものは無さそうだ。

祭壇以外は何も無いこの部屋。

なんじゃこりゃ。


「ここで昼食でも取りましょうか」

「ええ」


とりあえず、ここで休憩をとることにする。

ここなら祭壇の明かりもあるし、時間もいい感じだ。


俺はリュックを下ろし、中のものを取り出す。

取り出したのはバスケットと敷物。

シーツを敷いて、そこにバスケットを置く。

その間にエミリーが重い鎧を脱いでいる。

女の子の生着替えだ。


「シャル、鎧脱がせてくれないかしら」


エミリーが(うし)ろ目で俺を見て、左肩に右手を置きながら言ってくる。

女の子の着替えを手伝えることに俺は興奮を覚える。


「はい」


爽やかに返事をし、エミリーの後ろに立つ。

鎧の下から手を入れて、中のベルトのようなものをいくつか解く。

中は結構蒸れていて、きっとエミリーは今、汗を滴らせているだろう。

パカッと外れた鎧をエミリーの頭に当たらないように慎重に脱がせる。


エミリーのチェインシャツ姿が顕になる。


「ふぅ……ありがと」

「いえ、すっきりしましたか?」

「ええ、かなり」


エミリーとシーツに胡座(あぐら)をかいて座り、バスケットの中身を広げる。

持ってきたのはパンと肉。

そして、パンに付ける用の油とジャムだ。

ジャムはさほど甘くないが、普通に美味い。

油はかなりサラサラしていて、しつこくなく、案外いける。


日頃、王宮の食事を取っている俺たちからしたら少し味気ないが、冒険者っぽい献立にエミリーも目を輝かせている。

油とジャムは冒険者っぽくないけどな。


パンを手に取り、それを油に付けて頂く。

王宮のパンは上手い。

時間が経っているのに柔らかい。

そして、この油もパンに染みて新鮮味を出している。


「エミリー、汗は大丈夫ですか?」

「ええ、平気よ」


そう言って、襟元をパタつかせた。

汗をかいて襟元を緩ませるエミリー。

うん、エロい。


「いえ、下の方です」


視線を下に向ける。


「っ!」


エミリーの食べていたパンが投げられる。

俺はそれを難なくキャッチする。


「冗談ですよ」

「うるさいわよ!」


怒るエミリーも可愛く思える。

結構長い付き合いなのにエミリーが輝いて見える。


「はい、どうぞ」


俺は掴んだパンをエミリーの口元に寄せる。

彼女は俺とパンを交互に見る。

どうしようかと迷っているようだ。

そして、パンを咥える。

ツンデレな彼女も愛おしい。


「エミリーはかわいいなぁ」

ううさい(うるさい)


咥えながら睨んでくるエミリーに欲情してしまう。

手からパンを離すと、エミリーがそのパンをちぎった。

そして、俺が咥えさせた時に付いたのか、口元にはジャムが付いてしまっていた。

全く、エミリーはしょうがない子だなぁ…

ぐへへ


エミリーがパンを嚥下(えんか)したのを確認してから言う。


「すみません、口元にジャムが付いちゃいましたね」


俺はそう言って、胸ポケットからハンカチを取り出して、エミリーへと身を乗り出す。

右手を添えて、左手で優しく拭き取る。

エミリーの顔がポッと赤くなるのを見て満足する。


「はい、取れましたよ」

「……ん」


ハンカチをしまって座り直す。

エミリーはいつだって反応してくれるから楽しいな。


「シャル」


俺はパンを口に運ぼうとするが、エミリーの方に目を向けると、彼女があひる座りになっている。

エミリーらしくない座り方だ。


突然、何を思ったのかエミリーが指に油を付ける。

そして、緩慢な動作でその油を唇に塗る。

やがて塗り終わると、油のついた指を舐めてから俺に言い放った。


「拭いて…」


エミリーが目を閉じて言ってくる。

胸が1つ大きく跳ね、頭が状況整理のために動く。

何故そんなことをしたのか。

何故今なのか。


唯一、分かることがあるとすれば…

今のエミリーはとても魅力的だということのみ。


俺はパンを置き、エミリーの肩を掴む。

エミリーの綺麗な顔を見る。

突き出された唇は油で(つや)やかしくなり、非常に蠱惑的だ。

俺は(かじ)り付きたい欲求を抑え、そっとキスをする。


互いの唇が滑り合う。

俺の唇にも油が付き、(つや)やかしくなっていくのが分かる。


ひとしきり唇を重ね合い、やがて離す。

少し物足りなさが残るが、さすがに迷宮でそんなことはできない。


「はい、取れましたよ」


微笑みかける。

エミリーの肌は火照り、口は寂しそうに僅かだけ開かれている。


「まだ…」


エミリーは視線を俺から外し、足元のものに手を伸ばす。

先程の油だ。

それを再度指につけ、唇に塗り、指を舐めた。


「拭いて…」


その動作が愛おしくて、(なまめ)めかしくて、俺も拒絶できなかった。


再度、唇が重なり合う。

油の滲んだ唇が気持ちいい。

俺は邪な欲望から、エミリーを組み敷いてしまう。

彼女の手を交差させて握る。

手がギュッと握られて、エミリーも感じているのが分かる。


やがて油が拭き取られ、唇が離される。

目の前には息を荒くしたエミリーがいる。

潤んだ目は真っ直ぐに俺を見据えていた。


俺は傍にある油に2本の指を付ける。


「入れるよ」


その指をエミリーの僅かに開いた口に入れる。

エミリーの舌に絡ませるように動かす。

挟んだり、転がしたり、押さえつけたりする。

エミリーの柔らかくて小さい舌は俺を夢中にさせた。


その間、エミリーはモゾモゾと蠢動(しゅんどう)していたが、抵抗はしていなかった。

十分に油を絡ませてから、エミリーと接吻する。

お互いの舌が滑るように絡み合い、徐々にその滑らかさも別の滑らかさへと変わっていく


唇を離し、エミリーの顔を見る。

そこには発情したメスがいた。

頬を紅潮させ、息は妖艶さを纏い、口から少しはみ出している舌は物欲しそうだ。


俺は油を探す。

まだエミリーを味わっていたい。

彼女の反応をもっと楽しみたい。


と、エミリーが息を吸い込みながら貪るように俺の口を塞いできた。

首にエミリーの腕がかけられ、俺も抵抗できずにいた。

彼女に求められるのは心地がよく、全てを捧げたい気持ちに襲われる。




油が無くなった。

無くなって尚、俺たちは唾液を絡ませ続けていた。

乱暴にキスをしてから離すと、互いの唾液がだらだらと流れている。

俺も彼女も息がかなり荒い。

互いに潤んだ目で見つめ合う。


俺は僅かに残った理性で話しかける。


「エミリー…っ……これまでにっ……しましょう…」


呼吸を乱しながら、欲求と逆のことを述べる。

何故ここまで誕生日に(こだわ)るのか自分でも理解できない。

こんな状況に置かれて何を言ってるんだと、自分でも思う。

すると、エミリーは俺を抱き寄せ、耳元で囁いた。


「シャル…していいよ」


そこから俺の理性は消え去った。

約束なんて知ったことか。


俺はエミリーの腕を解き、服を脱がせる。

彼女が上半身裸になる。

エミリーは目を閉じて、受動的な体勢を取っている。

腕を交差させて、谷間をつくっている彼女が愛おしい。

俺は下の方に手をかける。

そして┈┈┈┈




その日、俺はエミリーの初めてをもらった。



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