的があれば、外したくはない
--- エミリー視点 ---
「……そろそろシよっか」
「……ええ」
シャルとセックスする。
もう下部は十分に濡れて、あとは服を脱ぐだけ。
「「 ………… 」」
シャルの手が私の服にかかり、行為への期待が膨らむ。
…………それと同時に、どうせ期待が外れてしまうだろうという気持ちも湧いてくる……。
シャルとのセックスはとても気持ちよかった。
シャルはテラムンド家だし、これ以上ないほどの快感だったと昔の私たちが証明してくれている。
けれど……この四年の間に身についた嫌悪感しかない癖のせいで、すぐに冷静になってしまうだろう自分が想像できてしまう。
「「 ………… 」」
シャルがなんの抵抗もなく私の服を脱がしてくれる。
「綺麗だ、エミリー……」
こんなに大切にされてるのに……。
こんなに思われているのに……。
私は私が嫌になる……。
あの時のマオみたいに喘ぐことが出来ないかもしれない。
昔みたいに愛し合うことが出来ないかもしれない。
考えたくないことばかり考えて……。
「愛してるよ、エミリー」
「…………私もよ、シャル」
…………どうせ、一時間もすれば眠りについているだろう。
‐‐‐ 一時間後 ‐‐‐
‐‐‐ シャル視点 ‐‐‐
「んっ…………んっ……ふっ……」
エミリーの上に被さり、お互いの唇を激しく貪り合う。
湿っけのついたお互いの体が更に二人の密着感を高める。
だが、下半身に被せた毛布に二人の熱が籠り、少し息苦しく感じる。
エミリーの唇が俺の唇に吸い付いているのを感じながら、一旦重ねていた体を離す。
空気が二人の体の間を流れるのを感じ┈┈┈┈┈┈
「しゃるっ…………!」
だが、体が離れたと同時にエミリーが俺に勢いよく抱きついてきた。
力強く抱きしめられ、もう一度柔らかい彼女の肌と、艶かしい吐息が首にかかる。
「はなれちゃやだっ……! ずっとキスしなきゃやだっ…………!!」
言葉を重ねるごとに体を締めつける力は強くなる。
だが、そんなことよりも、俺の胸は幸福と興奮で満たされていた。
「エミリー……そんなに……┈┈┈┈┈┈」
「┈┈┈┈┈┈しゃるっ……」
締められていた腕の力が緩くなり、エミリーの綺麗な顔が至近距離にある。
「「 …………………… 」」
そして、再び熱いキスをした。
「しゃるっ、だいすきっ……」
「うん……俺も大好きだ」
「ずっとっ…………ずっとそばにいてっ……」
「うん……ずっと傍にいる」
今にも泣き出しそうなエミリーだが、激しく胸を鳴らす心臓は収まる気配はない。
そして、それは俺も同じだ。
二人の心臓が重なり、エミリーの鼓動がよく分かる。
その鼓動で胸が圧迫される感覚が強まり、息も同様に荒々しくなる。
「…………んっ…………ふっ……んっ……」
キスをする。
エミリーの甘い声が唇と唇の間から漏れ、お互いの激しく胸を打つ心臓に拍車をかける。
「「 ……………… 」」
その勢いは落ちることなく、俺たちは愛し合った。




